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カセットテープの復権

どうにも解せないブームがあるもんだ。静かなブームではあるがMDとは対照的にカセットテープが復権しつつある。渋谷HandsのDESIGN UNDERGROUND SHIBUYA-BASE、中目黒の専門店Waltz、YouTubeチャンネルのスーパーカセッターズなどいろんな所で盛り上がっている。が、流行から流通へと変わっていくのは些か難しいのではないかと思っている。まずはハードだ。現在販売されてるカセットデッキの大半は2ヘッド式のもので、この形式だとノーマルテープ(録再)ハイポジ(再生のみ)にしか対応していないようだ。ハイポジやメタルテープに対応できる3ヘッド式は再生産されていないんだとか。とにかく名前だけ国内メーカーを冠した中華OEM製品だらけで音質面はとても褒められたものではない機種ばかりだ。それでこの音質の悪さを「レトロだ」「このノイジーな響きが味」などわけのわからない論調で有り難がっているのが滑稽でならない。これがブームの正体なら哀しくなってくる。3ヘッドはレコード針の復権のようにはいかないのが現状である。ゆえに「今あるもの」でしか愉しめないためにカセットテープを高音質で愉しみたい本格派ならば中古市場にあるものをレストアするしかない。部品が尽きてしまえばドボンの世界だ。

メタルテープに信じられない高額を付けられて売られているが果たして使いこなしている層はどれだけいるのだろう?

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