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読書感想文 「質問力」

昔から「何か質問はありますか?」と聞かれて何も思いつかないことに悩んでいます。相手の話をちゃんと聞いていれば「ならばこれはどうだろう?どう考えるだろう?」と言った何か必ず「聞いてみたいこと」が思い浮かぶはずだと思っているからです。

実は今度憧れの人と話す機会がありそうで、その人の貴重な時間を無駄にさせないために、そしてその人が私と話してとても楽しかったと思って欲しいという想いから「質問力」という本を手に取りました。

書籍情報

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タイトル「質問力 話し上手はここが違う」

著者:齋藤孝 ちくま文庫

コミュニケーションの秘訣は質問力にあり!

この本の最大のメッセージと言えるのが「コミュニケーションの秘訣は質問力にあり!」なんです。そもそも質問力とは何でしょうか?著者の齋藤先生曰く質問力とはコミュニケーション能力とも言い換えられるそうです。そしてその質問力には「レベルがある」「成長に不可欠」「磨けば伸びる」の3つの要点があると言えます。

質問力その①レベルがある

自分にも身に覚えがあるのですが、何か質問しなければとあまりにも抽象的な質問をしたり(例えば宇宙に終わりはあると思いますか?とか)、かと思えば具体的だけれどどうでもいいこと(私ちくわぶが好きなんですが貴方はどうですか?とか)を聞いてしまったことがあります。先方はとても優しかったので答えてくれましたが何とも表面だけの薄い会話となってしまいました。この時私が良い質問が出来たなら相手も「それはいい質問だね!」と会話も弾んだはずです。このように質問にはレベルがあると齋藤先生はおっしゃっています。

質問力その②成長に不可欠

自分が成長をする対話とはいつでしょうか?それは、自分よりも優れている人と対話をする時です。自分にはない発想や考えを聞けることで新たな気づきや価値観を得ることができるからです。そんな優れている人との対話の為に必要となるのが質問力になります。何故なら、優れた人からいい答えを引きだせるかは、つまり「良い質問ができるかどうか」にかかっているからです。著者は本の中で「話者(質問する相手)は相手のレベルに合わせる」とおっしゃっています。話者は会話の中で相手のレベルをみて返答の内容を決めます。私が相手の会話についていけないと話者に「あぁ、この人は全然分かってないんだな、なら詳しい話をしても仕方がないな」と思われてしまうということです。そんな自体を避けるためにも質問力は必須スキルだと強く感じました。

質問力その③才能ではない後から鍛えられる!

相手からいい答えを引き出す質問なんて高等芸、才能のある人しかできないんじゃないかと最初は思いましたが、齋藤先生は磨けば伸びる後天的なスキルだとおっしゃっています。大学では「質問ゲーム」という授業があり、40人ほどの学生を5×8人のチームに分けて1チームがプレゼンをします。そして残りのチームが質問をしたら、プレゼンテーターが一番良いと思った質問を選びます。選ばれたチームにはポイントが入り、最後に得点が一番高いチームが勝ちとなります。プレゼンの内容ではなく質問の内容で点を取り合うというのがこのゲームの醍醐味です。「こんなことを聞いてどうする」という質問はスルーされるためゲームを通すうちに肌感覚で優れた質問が分かってくるのだそうです。他にもメタ・ディスカッションというやり方も紹介していて、こちらは7人位の人たちが真ん中に座って討論するのを上から見下ろして採点するゲームで、離れたところから見ることで冷静に聴くことが出来るようになるそうです。ですがこの方法は日常ではなかなかないですよね。でも、著者は「鍛えるチャンスは日常会話にある」とも言っています。まずは1対1の会話こそ質問力を鍛えるのに最適なんだそうです。コミュニケーションの基本は1対1、つまり2人の対話なので、そこでより深い会話ができるようになれば2人、3人、5人、10人と人数が増えた時も対応できるようになれるんだそうです。その為に必要になるのが「良い質問」ということになります。

良い質問とは?

では良い質問とは何でしょうか?筆者は座標軸を使って自分がしたい質問がどの位置にいるのかを整理するという面白い方法を紹介しています。そして良い質問について3つの座標軸で解説してくれています。

良い質問その① 具体的×本質的

具体的

具体的×本質的な質問は対話の最初に持ってくることで相手が気楽に答えてその後の流れをスムーズに進めることもできるし、クリエイティブな対談や新しい意味を見い出すためにも使うことが出来る。

良い質問その② 自分の関心×相手の関心

具体的 (1)

相手が関心あるであろうことを調べて、その中から自分も聞きたいことを聞くのも良い質問の1つになる。

良い質問その③ 過去の経験×現在の文脈

具体的 (2)

相手の過去の経験に触れた上で、現在話している内容に沿った質問が出来れば相手は自分のことをよく分かってくれていると思うのでより話そうという気にもなってくれる。

相手のことをよく調べた上で自分の興味と相手の興味をすり合わせて質問を作る意識が大事!

自分に置き換えても、相手が自分の話したことを覚えていて、そこから新たに質問をしてくれたら「あぁこの人は覚えていてくれたんだな」と嬉しくなるし、自分が関心を持っている事柄について質問されれば「待ってました!」となる。さらに質問が具体的×本質的であればあるほど、そのことについて深く考えられるので思わぬ答えが出せるかもしれない。逆に闇雲に質問されたり、抽象的すぎると戸惑うし疲れてしまう。

検索で出てくるような著名人でもない限り相手のことを調べるには限度があるので、まずは普段の何気無い会話も大事にして相手の話を聴き流さない、メモを後からこっそり(笑)とることから始めようと思いました。

質問力を読んでその後

最近NFTに興味を持ってイケハヤさんのYouTubeやtwitterのスペースを聞いているのですが質問タイムで「それは良い質問ですね!」とイケハヤさんが言ったときに何故その質問が良かったのかを考えて、それが上記の②「自分(この場合質問者)の関心×相手の関心」に当てはまっていました。それまではNFTのアートに対する話題だけだったのが質問者が音楽に対しての質問をしたことで、実はイケハヤさんもその分野に興味を持っていたという新しい情報を引き出し、イケハヤさんもイキイキと質問に答えている様子を聞いてなるほどこれが良い質問かと良い体験が出来ました。

まだまだ良い質問を産み出すレベルは低いながらも、質問力を読む前とは違い「良い質問ですね!」が出たときは必ずなぜ今の質問は盛り上がったのかを自分なりに解釈する癖がついてきました。このまま鍛えて今度憧れの人と話すときに1つは絶対良い質問をできるよう修行あるのみです!

より詳しい解説はぜひ中田敦彦さんのYouTube大学で!

今回読書感想文を書くにあたり、中田敦彦さんの動画を盛大に参考にしました!




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