1人のクリエイティブな職員の裏には100人の犠牲になった職員がいる

私が公務員時代に嫌いだった言葉の類に、「民間目線」とか「民間感覚」というものがあります。
言いたいことはわかります。公務員はどうしても頭が固くて、前例踏襲、無理はしない、チャレンジよりもミスを減らす、そんな仕事ですよね。
だって当たり前です。自治体の原資は税金と手数料で、しかも利益が出ない業務が多数です。その業務も法律で縛られています。そんな中で「チャレンジしました~、失敗しました~、損失は頑張って埋め合わせます~」みたいな職員いたらぶっ飛ばしたくなるでしょ?

だからと言って何もせずに前例踏襲してたら先細りしか見えないわけなのだから、新規事業だったり改革だったりをするわけですが、その責任を取るのは誰なんですかね。首長でしょ。でも任期は4年でダメだったら辞めてく人にいつまでも悪評がついて回るかと言えばそこまででもないですよね。つまり、首長じゃなくてその時いた職員(主に課長級)が在籍している間はグチグチ言われて心をすり減らすことになります。よってチャレンジする機会は少ないでしょうね。

予算がかかったり、セキュリティ的に少し難しいなと感じるような各地の成功事例は「理解ある上司くん」がいないとまずチャレンジできる土俵にはならんのですよ。上司ガチャ大事。

そんな中で「成功事例がこれです!」みたいにバババンとネットで拾ったような記事を読まされて、「君らも民間目線を身に着けよう!」みたいなク〇コンサルの研修を受けさせられるのが苦痛でした。
いやいや、じゃあ資料無しで予算付けてくれる?甘々な事業計画承認してくれる?しないでしょ?
更に言うと今窓口に来てるお客さんの対応を代わりにしてくれるの?鳴りやまない苦情の電話を出てくれるの?山積みになった申請書の処理やってくれるの?今マイク握ってるお前に言ってんだよ、それやったことあるんか?
そういう目先の仕事であっぷあっぷしてる人間にやれRPAだDXだとか言われたってね、考える余白無いってこと想像できんのかね。


・・・もっとも、自分はどちらかというとクリエイティブなことをしたいなという青二才なことを考えてたタイプでした。
少し大きな予算が絡む仕事をして、会議協議をたくさんしていて、マネジメント能力があると自分を勘違いしていたんでしょうね。
俺は結構でかいプロジェクトしてるわけだから、君ら窓口もっと頑張りなよ」みたいな態度をしてたと思います。穴があったら入りたい。

実際に自分がクレーム担当だったり書類処理担当だったりを経験して事務処理能力がゴミカスだったことに気づいてようやく態度を改める感じでした。
誰かがやりたくない仕事をしてくれている、ということを理解してなかったんですよね。本当に申し訳ございません。反省しております。
でももうクレーム担当はしたくないんだぁ・・・心がぶっ壊れる・・・

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