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「ム」チムチボディ

 本真ゆりの「授業参観ボディコンママ」を見ていたとき(おなってない)、僕はふと小学校の時一度も同級生にならなかったK君のお母さんを思い出した。良く学校行事で来ていたけど、あれはすごかった。いやボディコンママみたいに露出度高いわけじゃないけど、ヒョウ柄のタイツに厚底ブーツみたいなのを履いて参加していた。すごい近づきにくい人だったけど、いざ話してみると良い人で、人は見た目だけで判断しちゃダメなんだな~と思いつつも、やっぱり怖かった。
 そういやこのK君の家に一回だけ遊びに行ったことがある。なんかミルクムナリかよさこいソーランかを練習している時に、K君とポケモンのアルセウスで話題になって、そん時プロアクション・リプレイでデータ破壊ポケモンを量産していたので、その子に色違い特性ふしぎのまもりアルセウスをあげようと思って、遊びに行くことにした。
 彼の家はめちゃくちゃデカかった。後で聞くと、お父さんが教授やら何やらで本を書いているという訳で、なるほどね、そしたらお母さんは高級娼婦育ちかな?と偏見マシマシで思ったわけだが、まあそれはともかくとして、ドアチャイムを鳴らし、家に入る。
「ごめんください」と言うと、彼のお母さんが
「あら~いらっしゃい」と返してくれて、僕は、相変わらず、いいお母さんだとしみじみ思った。
 奥からK君が来て、「いらっしゃい」と声を掛けてきた。
「じゃあ、やりますか」と僕が言うと、彼は自室に連れて行ってくれた。
 早速アルセウスを交換……終わり。もうやることなくてビビった。あれ、もっと時間かけて交換するんじゃないのかと不安になった次の瞬間、全く知らねえ子がやって来た。
 「え、誰?」僕がK君に聞くと、
「ああ僕が幼稚園の時の同級生」とそっけなく答える。ええ……
 まあ仕方ないので、その子と喋ってみることにする。「ポケモン好き?」
「うんやってる!」口くっさ!僕は思わず退いて、
「君、口臭いよ」と言ってしまった。
 今こう思い出して書いてみているけど、やはり人間古来より毒見する時に嗅覚を使っていたのか、今でもあの子の口臭覚えて、気分悪いとえずきそうになるわ。

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