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ファーストタトゥー/銭湯好きな私が入れた小さなコト

こんにちは。アーティストのチルワカです。

先日、イベントでファーストタトゥーを入れてきました。
本当に小さなワンポイントです。

ですが、これを入れるまでには本当に長い年月を経て、今に至りました。


そんな物語をひとつ。


なんと言っても私は大の大のお風呂好き。
別名、我が家では「しずかちゃん」
毎日のお風呂は1時間以上。ほっとかれれば2時間でも3時間でも入っています。

可能な事ならずっと湯船に浸かりながらこうしてパソコンをいじったり、生活をしたいくらいです。笑

日本一周、車中泊を今の夫(当時は彼氏)に提案された時も「お風呂には絶対入りたい!」それだけ条件に出したくらい。

こんな私が、タトゥーを入れるタイミングなんていくらでもあった訳です。

23歳から29歳頃までオーストラリアに留学。
日本とは違いもっとファッションとしてタトゥーを入れているオーストラリア人。小さな町にもかならずショップは1軒はあるくらい。


そんな土地で暮らしていれば、当然「入れようかな?入れたいな」なんて思う瞬間は沢山ありました。

友人とは
「いや、日本帰ってから見えやすい場所は働きずらいよねぇ」
とか言いながら、マジックで仮のタトューを描いてみたりして、、、笑


私が日本で留学前にデザイナーとして働いていた会社はタトゥーは禁止。
正社員になりたい子がレーザーで消して入社したくらい。
そんな会社だった事もあり、当時は「日本に帰ったらどこか正社員として働くもんだ!」と思い込んでいたので、
日本社会の反応に正直ビビってました笑
(大丈夫、キミは後々オーストラリアに長く居るし、正社員になる事はありません。)

と、まぁそんなタイミングも過ぎ去り、日本一周。

毎日、毎日各地の温泉、銭湯に入りにいく日々。
その時は本当に「はぁーー!日本最高!湯船最高!タトゥー入れてなくて良かったーーー!!」と心から思ったもんです。


そんなこんなで、突然に私の心に変化が訪れたのは娘が生まれてからかもしれません。

うまく言葉にできませんが、、、
子育てをする事で自分もかなり強くなったのかと思います。

子供のタイミングでのリズムや、やった事ない事、出会った事ない事、と次々と新しい事に出会う新世界。

「自分は自分」と、外側の世界と線引きをしながらブレる事なく自分軸もしっかり持ってないと「こりゃやってらんないよなーー!!」と。

そんな訳で、私は「自分の心に素直に従ってみる」を今年の目標にしました。

例えば、本当に日々の小さな事。
「あ、ジュースが飲みたいなー」とか
「コンビニのあのスイーツ食べたいなー」とか
「今日は誰かと会って話したいなー」とか。

今までだったら
「いや、昨日お金使いすぎたから今日はやめておこー!」とか
「やる事あるし今日は我慢しよー!」とか。
そんな小さい事を全部OKにすることにしました。


そして、もう一つ。
子供が生まれた事で、「アーティストとして生きる」
と、しっかりと「地に足を付けて生きる」事を覚悟したのかと思います。


そんないろいろな心境の変化から
「もう入れたいなら入れたらいいじゃん!心のままに好きにしよ。個性として、自分の身体をアーティスティックに楽しむのもいいかも!」と考えた訳です。

そんなこんなで最近、可愛いカラフルなタトゥーをSNSなんかで眺めてたんです。
考えても「これ入れたい!」って思うモチーフも思いつかず、、、
正直「今更なぁ」と大人ぶる自分も。

おまけに、出てくる場所はもれなくいつも大阪。
「まぁ遠いしなー!」
とか言い訳をつけたりしながら

なんとなーく「いつか」「なにか」のタイミングを見ながらぼーっと頭の片隅に考えていました。

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そしてやってきたのは、先日。

大好きな場所の周年祭イベント。

年1のこの周年祭は3日間、様々なバンドやアーティストが集まって海をバックに一日中ライブが行われます。
美味しいご飯やおやつの出店。真ん中には焚き火。大人は踊るし、子供や犬は楽しそうに駆けずり回る。そんなみーーんながハッピーな空間。

毎年私たちも周年祭は、久しく会える県外の友人達に会ったり、ライブを楽しみに参加します。

K君に入れてもらった場所で、去年は娘と写真を撮ってました。


そこで今回出会ったのが、大阪来た彫り師のKくん。
今回初めての試みで、出張スタイル出店で夫婦でこの周年祭に来ていました。

ここで小さなタトゥーを入れられるとのこと!

しかも、ずっと「大阪まで行かないとかー!」と思ってたら、大阪からこっちにきてくれたんです!

そんな状況に、到着して早々


「え?!ここでタトゥー入れられるんですか?!入れたい!」


と気がついたら言葉が先に出ていました!

と、まぁ急な展開しぎて

「ちょい待て待て。自分。ちょっと考えよう」とライブを聴きながらクールダウン。

でもやっぱり

「入れたい!」「今日しかない!」「今!」

そんな合図をする自分の心に従って、またフラっとKくんの元へ。

しかーし、入れたいモチーフも決まってない!
気に入ったものを入れたいし。
スーパースーパー優柔不断な私は普段だったら決められなかってであろう。

その時は、「うーーん。どんなのにしよっかなー」と、スマホを開く。
何で出てきたかわからないけど、出てきたのは「ヤシの木」のタトゥー。

「これ可愛い!これ足首に入れたい!」
「いいじゃん!」
と言ってくれる友人の隣で

「え、ダサいのとか嫌だよ?」と笑いながら言う夫。

え、もしかしてダサいって言われるかな?とちょっとドキドキしながら

「これは?」と見せると

「お、いいじゃん!」の一言。

と、言う事で驚くほどにパパッと進み、
入れるか入れないか、あんなに10年以上ずっと悩んでたのに。

私はほんの数分のやりとりでファーストタトゥーを入れる事を決めました。
ごく小さなサイズなので、これならパッチで銭湯も入れる!

「どっちの足に入れる?」

丁度、この日の午前中に新しい事を始めた私。

今後の自分の流れが変わりそうな予感がしていて、新しい事で新しい挑戦をしたいワクワクした気持ちと、
その新たな挑戦を「しっかり物にしたい」そんな気持ちも異例混じった日でした。

これは本当、私の個人的な感覚。

「重くしっかりと真面目な軸をより太く育てる右足か?
フワッとフットワーク軽い陽気な左足か?」

どちらに入れるかで自分の中の何かのバランスが変わる様な気がしたんですよね。

右足?左足?
これも最初に思いついた「左足にしよ」心に従ってみました。

ほんの他愛もない選択かもしれません。でも、私は何か人生の分岐点の方向を左足に舵を切った感覚がめちゃくちゃあります!

初めて会ったKくんですが、細かなデザインは全幅の信頼でお任せ。

きっと、この瞬間なのも、この日のタイミングも、入れてくれるのがK君なのも。全て何かの巡り合わせだから。
この瞬間の流れに安心して身を委ねる事にしました。


キリキリと彫刻刀の様に鋭い先端で、皮膚を切られている感覚。

そうして私の左足首に、小さなヤシの木が植えられました。


「ねぇねぇ、ヤシの木植えてきちゃった♪」
と嬉しそうに夫に話しかけると


「入れたねー!」と楽しそうに笑う夫。

「全部は繋がってるね」

と、ニコニコしながら意味ありげに言う。

「なんで?なにが?」と聞くと

「だって最近ずっと、ヤシの木を庭に植えたい!って言ってたじゃん。
俺はあ、もぉここに植えるんだ!って思ったよ!」

と。

あぁ、すっかりその時忘れていたエピソード。
思い返せば、私の近くにはいつもヤシの木があるのでした。
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私は20歳の頃からずーーっとヤシの木に憧れがありました。
1本あるだけで一気に南国に連れていってくれるヤシの木の存在。

関東に住む私は、千葉の海沿いに行くたびに
「いつか私は庭にヤシの木のある家に絶対住みたい!」
と思いながらも、
雪がちらつく関東の寒さに耐えられなのか、元気がないヤシの木を目に
「日本で育てるのは無理なんだなぁ」と、ちょっと悲しい気持ちにもなりました。

いつか、そんな憧れの夢を夫に話していた私。

そして、私は22歳で日本を飛び出しオーストラリアへ。
やっとの思いでたどり着き、その後長く居座るゴールドコーストの最初の私の家の住所。
思い返せばそこの名はパームビーチ。
私たち夫婦が初めて出会った場所。

オーストラリア、パームビーチ


そうだ!ことあるごとに自分のブランドのロゴを制作する時も。
無意識にそこに入っていたのは、ヤシの木でした。

ロゴには全部ヤシの木が入ってました


そして、現在。
私は日本の南国、宮崎に住んでいます。

「日本でヤシの木は育てられないんだ、、、」
と思った事もなんのその!

空港から降りて車で走ると道路沿いにバーーーっと一列に並んだヤシの木達が迎えてくれる場所です。

そう!ありました!
そして気がついたら居ました!日本でもヤシの木が育つ場所に!

このお迎えしてくれる宮崎の景色に惚れ込みました。


そんな事の繰り返しから。

最近ホームセンターで販売されていたヤシの木を発見しました。
「売ってたよ!やっぱ庭に植えたいなぁ」と、

夫に写真まで撮って見せていた私。(もぉ本当すっかりそんなことも忘れてた訳ですが)

その時の写真。正確にはヤシの木に似たフェニックス。


そう、そんな訳で私はずーーっとずーーっと好きで好きで、憧れだったヤシの木を自分の足首に入れていた様です。

どうりで。
潜在意識の中にあった事柄がばっと表面に出たことで、まるで最初から決まっていた様にスムーズに進んだんですね。

納得。
なるべくしてなった!

と、そんな感じで入れた私のファーストタトゥー。


「この木があるから大丈夫。」
そんなワクワクした想いは

まるで、ハワイで初めてサーフィンをした時に

「私はこれからずっとサーフィンを続ける」
心に決めた証に、

とハワイアンジュエリーを買った時の感覚に似ています。

そのジュエリーは、もぅ波に飲まれてなくなってしまいましたが。
今でもハッキリ覚えている自分の決意。

それに通じるものを感じます☻


今回本当に入れて良かったなと改めて。

周りにはファッションとして、タトゥーを入れてる友人は沢山います。

そんな環境の中で言えば、私の小さなタトゥーなんてぜーんぜん大した事じゃないかもしれない。

でも、私にとっては10年以上悩んで、むしろ「銭湯に入りたいから一生入れなくていい!」と思っていた時を経て、今に至ります。


「きっと他のモチーフだったら、いいね!って言わなかったかも。
ずっと植えたいって言ってた木を植えるんだ!と思ってさ」

「きっとこの木でまた一つ強くなれるよ!

と言う夫。

夫の仕事は伐採されたハゲ山に、50年後100年後の為に新たな木を植えていく仕事。

ピョコッと私の身体に生えたヤシの木。

私は私で、自分に植えたこの木を大切に大切に強く、新たに地面に地を付けて育てて行きたいなと思います。



この新鮮なままの気持ち、自分の決意。

宮崎に住みたいと思ったキッカケの場所で、
みんなが最高にハッピーな時に、
素敵なK君夫婦に入れてもらえた事。

この素敵な出会いと巡り合わせ。

全てに感謝をして。

忘れぬ様にここに記したいと思います。

最後までありがとうございました☻



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