幸せの形
友人は言った、「結局、結婚して自分の子供が成長していく過程を見れるのが1番の幸せや」
僕と彼は、小学校からの付き合いで、
家族同士でも交流がある。
彼は、大阪の地元に残り、仕事をしている。
僕は大学を卒業後、上京し、約2年が経つ。
年末年始ということで、大阪に帰省し、
彼と会っていた時に、幸せの形について話し合った。
彼は、子供の成長を身近で見れることが1番の幸せだと言った。
僕にとっての幸せはなんなんだろう。
ふと、考えさせられる。
僕は毎年、今年の目標を掲げても忘れてしまうので、「五体満足、健康第一」を掲げている。
この、文字通りに健康に毎日を過ごせているだけで、幸せに感じるのだが、1番の幸せと問われたらなんと答えるのだろう。
彼は地元に残り、結婚を考えている。
僕は東京で過ごし、日々の仕事や趣味について考える。
僕と友人を繋いでいるものは、
小学校時代に培われた友人関係のみと言っても過言ではなく、現在僕たちが働いている仕事の業界や、収入、社会的地位は圧倒的に僕が不利である。
それでも、僕と会ってくれた時は、昔話に花を咲かせ、僕の将来について真髄に向き合ってくれる。
ありがたい、大切な友人でもある。
だが、幸せの形について、問われたとき、
僕には、理解し難い節があった。
子供の成長を身近で感じることはもちろん幸せだろう。
だが、1番の幸せは何か。
と、問われると、そこに感じることはまだ少ないのかもしれない。
僕は日々を健康に過ごし、
蟹穴主義を全うし、
他人に優しく、自分にもっと優しく、
をモットーに掲げ、生きている。
休日に好きな本を読書する。
トンカツ定食を貯金額を考えずに注文する。
知らない街を散歩する。
こういった小さな幸せが積み重なり、
僕は日常に幸福感や満足感を感じいてると思う。
彼が言った、「1番の幸せ」を、
僕はまだ見つけれてはいない。
だが、毎日の「小さな幸せ」を蓄積することで、
僕は日々に幸せを感じているのかもしれない。
「五体満足、健康第一」
今年も例年と同じ目標を掲げ、
東京で3年目を過ごしてゆくことになる。
住む環境が変われば、
幸せの価値観に変化があるのも理解する。
幸せとは、他人が介入することができない、
自分自身が納得する行為に生まれるものだと思う。
彼の幸せの形へ向かう姿勢を応援する。
僕の小さな幸せの積み重ねに、彼の存在が入っていることを、僕はうまく伝えることができなかった。
また、来年の年の瀬も、
彼に会えることを楽しみに、東京へ帰る。
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