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幼少期からの反日教育が中国の子どもから笑顔を奪っている

5歳ごろから表情がなくなる子どもたち



赤ちゃんの目って眩しいくらいキラキラしている。誰でも生まれたばかりの時は、この世界に生まれてこられたことが嬉しくて嬉しくて、地球で生きていくのが楽しみでしょうがないって感じで、ものすごくワクワクした顔をしている。

子どものいる人ならみんな分かると思う。

でもね、5歳ごろから顔が暗くなる子が出てくる。

現在8歳の娘を育てている私の経験では、5歳が最初の悟りの時期。
俗にいう、物心つく年か。

地球ってこんな感じなんだ…
思ってたんと違う。

親って信用できないな。
なんだ、つまんない。

周囲の子どもを見ていると、5歳を過ぎ、ちょうど小学校に上がる頃、無表情になる子がすごく多い。

要因はいろいろあると思う。

子どもの世界は家庭と幼稚園や学校なので、要因は家庭と教育現場にある。

私は3歳から娘を中国で育てているので、中国人の育児を間近で見てきた。

中国の子どもの顔が5歳を境に暗くなる理由で思い当たることはいくつかあある。

両親共働きや出稼ぎ、キャリア重視のために子どもが愛情不足になっていることや、虐待と区別がつかないほどの厳しいしつけやスパルタ教育もあると思うけれど、ここでは「幼少期からの反日教育」を取り上げてみたいと思う。

幼少期からの反日教育

中国では戦争から80年ほど経過した現在も、教育機関や家庭で戦争の話を子どもに教え、中でも日本軍がどれほど残酷なことを中国人にしたかというおとぎ話を子どもに聞かせるのが善とされている。

Xでも子どもに反日教育をしている動画が時々出回っているけれど、あれは愛国心を高め、民族の団結を強めるといった大人の狙いとは裏腹に、子どもの脳を傷つけ、子どもの心から純真さや愛情を奪い、この世界に対する絶望を促している。

残忍な映像や写真を見せたり、殺戮や銃、死体などの言葉を並べた文章を読み聞かせることは、立派な虐待である。

特に悪質だと思うのは、子どもの読み物に「中国の子どもが日本軍に殺される」話を好んで載せているところだ。

子どもに同世代の子どもが殺される話を聞かせて同情を誘い、小さな心に憎悪の火をつけることを目的としてる。

世の中にはR指定というものが存在し、ホラーやサスペンスなど残虐なシーンのある映像作品は子どもには見せてはいけないことになっている。

今の中国はもっと厳しく、ホラー映画は大人でも見ることができない。上映も制作も許可されない。

それなのに、抗日戦争ものだけは、R指定なしで制作放映され、事実なのか創作なのかの線引きも曖昧なまま、全てが史実であるかのように純粋な子どもたちに叩き込まれる。

娘の3歳からの親友は、8歳現在急に顔から表情がなくなった。彼女は娘のことが大好きで、休日に家族ぐるみで出かけたり家に行ったり来たりもよくしていて、お互い親友だと認識している。

娘から簡単な日本語を教えてもらって挨拶などしてみたりもしていた。

ところが、小学校で少しづつ抗日洗脳が始まり、「日本って悪いんだ…」と思い始めたところへ、

コロナが明けて冬休みに日本に帰国する私たちの話を聞いて、母親に「私も日本に行きたい」と言ったんだろう。

諸事情から今日本に行くことのできない親は、私に対して「友達だよ」と日頃言っているにも関わらず「日本人は中国に悪いことをしたんだよ。日本は恐ろしい国だから行ってはダメ」と言ったらしい。

これは娘から聞いた話。娘が何気なく「〇〇も日本においでよ。」と言ったらその子が「日本は悪い国だから絶対行かない」と言ったらしい。

母親か父親かわからないけれど、日頃私たち日本人親子と友人として付き合っている人が、諸事情から日本に旅行に行けないので子どもを説得するために、そんな話を利用した。

子どもの心には、矛盾が生まれる。

「(娘)のことは大好きだし、友達。だけど日本は悪い国で、彼女は日本人…。なんだかよく分からないけど悲しい。」

「(目の前にいる日本人親子)は悪い人だとは思えないけど、でも他の日本人は悪いのかもしれない。だってパパママがそう言うんだから、きっとそうなんだ。」

この家族は誰一人日本へ行ったことなどない。日本人と実際に会ったのは私たちが初めてで、日本のことは教科書とメディアからの情報だけ。

中国は矛盾している国、とよく外国から言われているけれど、それは「目の前にある現実から自分の心が素直に感じること」と「政府や学校、親から教えられていること」があまりに乖離しているせいではないかと思う。

そうして自分の中にある素直な気持ちを出せなくなってしまった子どもたちは、笑顔をなくし、活気を失う。

それに、「中国は日本にこんなことをされたんだ」という被害を強調して教えることで、中国の子どもの心に被害者意識が生まれ、自己肯定感が下がる。結局、「日本は強い。中国は弱い」と教えているのと同じことではないのか。

自己肯定感は子どもの発達の過程で非常に大切なものだ。

その証拠に、どの国のことも敵だとか教えられていない娘は、家族が母親しかいない環境で育っているにも関わらず、周囲の誰よりも天真爛漫で明るく、表情豊かな小学2年生に育っている。

抗日教育という憎悪教育は、結局は自国の子どもたちの心を壊してしまっている。



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