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邦耀生物、β-地中海貧血遺伝子療法が中国国内IND承認

2022年8月16日に遺伝子治療の上海邦耀生物科技有限会社(以下、“邦耀生物”と略)は、同社の輸血依存性βサラセミアに対する遺伝子治療製品“BRL-101自己造血幹細胞注射液”の臨床試験申請(IND)が正式に当局CDEに承認された。
邦耀生物のBRL-101が主にβ地中海貧血を適応症として、同社の自社開発の造血幹細胞プラットフォーム(ModiHSC®)がベースとなった遺伝子治療製品である。β-地中海貧血は一種の遺伝性溶血性疾患であり、一般的な遺伝子疾患として知られている。輸血依存性地中海貧血(TDT)は、機能的なβ-カドヘリンの重度の欠損により、かなりの割合の患者が生存のために定期的な輸血を必要とする。限られた血液資源と高価な鉄キレート剤により、国内のTDT患者のうち、標準的な輸血と標準的な鉄除去療法を維持できる患者はごく一部で、その生存状況は心配されており、中国のTDT患者の生存率は先進国に比べ著しく低い。
2021年5月に発表された最新の「中国地中海貧血蓝皮書(2020)」のデータによると、グローバル地中海遺伝子携帯者数が約3.45億人、中で中国の携帯者数が3000万人、重症、中症患者が30万人前後と言われている。現在、β地中海貧血は造血幹細胞移植が唯一の治療法であり、高価で適合が極めて難しく、わずか一部の患者しか移植を受けられない。
自己造血幹細胞を遺伝子補正して患者に輸血することができれば、造血幹細胞の供給源の不足とマッチングの難しさという問題を解決でき、CRISPR遺伝子編集技術の進歩が治療戦略の可能性を示している。
邦耀生物は、遺伝子編集システムを用いて患者の造血幹細胞を遺伝子改変し、改変した造血幹細胞を患者に輸血して、自己再生と分化により改変した細胞集団が再構築することで、血液疾患の治療に役立てることを目指している。現在同社自主開発した遺伝子編集を用いた造血幹細胞プラットフォーム(ModiHSC®)を活用してβ0/β0型重症地中海貧血患者の臨床研究が既に治療効果が確認されており、今後全国範囲に多くのβ地中海貧血患者が輸血依存から離脱できることを期待されている。

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