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Amazonでカラーイラスト集を出版する

きのっこさんが、描き溜めたカラーイラストを、イラスト集にしてAmazonで出版された、その経験をnoteにされています。しかも、MicrosoftのWordにご自身の画像を貼り付けるという、シンプルな方法で。

①無料でカラー印刷の本

電子書籍化は、それこそ電子書籍制作アプリLeMEを使えば、かなり簡単にデータが作れるのですが。Amazonのプリント・オン・デマンド(POD)サービスに対応した、出版用の精密なデータを作るには、けっこうな製版の知識が必要なのですが。イラスト集なら、こういう形でフルカラーの本が手軽に作れる時代です。しかも、Amazonでのアカウントの開設も公開も、無料です。

昔は、フルカラーのイラスト集は、著名なイラストレーターや売れっ子漫画家しか、販売されなかったのですが。フルカラーのペーパーバック版が148ページもあって、1848円。中身も写真を撮られていますが、けっこうなレベルです。こうやって、出版の垣根はどんどん低くなっています。作家が自分で出版する時代へ。

あと、Amazonの個人アカウントでPOD版を作ると、アカウントの当人は原価に近い価格で本を購入できます。つまり、売値よりも安い値段で手に入りますから、友人知人に配ったりできます。その場合、印税は入ってきませんが。一種の有料の著者献本というか、著者買い取り割引ですね。

②カラーイラスト集の注意

詳しくは、上記リンク先をお読みいただくとして。いちおう、デザイナーの端くれで、DTPオペレーターでもある立場から、この素晴らしい本を見て、自分もイラスト集や写真集を出したいという方のために、ワンポイント・アドバイスを。

出版レベルのデータを作ろうと思ったら、カラーイラストなら360dpiの密度のデータは必要です。パソコンのモニターで見てきれいに見えても、印刷にはもっと高密度のデータが必要ですから。拡大せず、本の原寸サイズで360dpi。グレースケールなら600dpi、モノクロなら1200dpiが必要です。

実際は、日本の印刷技術は高いので、200dpiでもなんとか見られるものにはなりますが。一般的な72dpiのデータでは、足りません。どうもこの、ピクセル数とdpiの関係がわかっていない人が多いので、取り敢えず以下の数値を参考にしてください。

■B6サイズ本に近いAmazonの判型■
 サイズ:縦182ミリ✕横128ミリ
 ピクセル:縦2551pixel✕横1814pixel
 解像度:360dpi(pixel/inch)

■A5サイズ本に近いAmazonの判型■
 サイズ:縦210ミリ✕横148ミリ
 ピクセル:縦2976pixel✕横2098pixel
 解像度:360dpi(pixel/inch)

■B5サイズ本に近いAmazonの判型■
 サイズ:縦257ミリ✕横182ミリ
 ピクセル:縦3643pixel✕横2586pixel
 解像度:360dpi(pixel/inch)

■A4サイズ本に近いAmazonの判型■
 サイズ:縦270ミリ✕横210ミリ
 ピクセル:縦4209pixel✕横2551pixel
 解像度:360dpi(pixel/inch)

画像の解像度の調整に関しては、無料で高性能のGIMPなどのアプリがありますから、下記からダウンロードして使うと良いでしょう。

③春由舎の本の宣伝を

MANZEMI講座の、出版部門である春由舎からも、臼井俊介先生や叶精作先生のフルカラー画集を発売しています。Amazonのプリント・オン・デマンド(POD)サービスが優れているのは、日本からパソコンでAmazonにデータをあげるだけで、世界で発売できることなんですよね。アメリカやドイツでも購入があり、一気にグローバルなビジネスに代わりつつあります。

Amazonにデータを登録するときに、日本国内だけとか、売る場所は選べます。実際、出来上がった本はペーパーバックですが、カバーを光沢仕様とマット仕様で選べ。フルカラー画集は、昔のようなチープさはなく。少部数印刷の割には、なかなかの出来上がりでした。普通は数千部は最低でも刷るので、1冊から注文できてこの値段は、かなり安いです。

こちらは当方がカバーデザインをした、路歌乃音さんの漫画です。A5サイズの本でフルカラーです。やや大きめの判型にしたのは、国際規格であるA5判の本のほうが、売りやすいかと思い。フルカラー漫画とか、昔は出版社から出すのは、至難の業だったのですが。今は、SNSで発表した作品を、自分で売れる時代。それも、世界に向けて。出版の在り方が、変わりつつあります。

Amazonでのアカウントの取り方からKindleインディーズでの各種作業まで、機会があったらまとめてみますね。

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