映画「劇場版 少女☆歌劇レヴュースタァライト」のレヴュー【ネタバレ】

何番煎じのタイトル?わかります。

見たのが昨日なので、やや記憶があやふやになっている所はありますがご容赦ください。当たり前ですがネタバレ感想となります。

はじめに

この作品の軸はまさに作中の言葉を借りるのであれば「ケリをつける」ことにあるのではないかと思いました。嫉妬心に対して、幼なじみとの関係性と未来について、過去について、「オーディション」について、などなど...…。総じて言えるのは高校からの進路、言わば未来に対して99期生の彼女らがモヤモヤにケリをつけてそれぞれの舞台少女を進んでいく、というのが軸だったのではと愚考する。

そのために舞台少女に用意されたのがワイルドスクリーンバロックという新しい舞台だったのかなと思う。コレは散々言われている通りSF作品の分類の一つ?である「ワイドスクリーンバロック」をもじったものとされている。ちなみに私は無学故ワイドスクリーンバロックが何なのかわからない。「キルラキル」がそうらしい。

というのを始めに書いておきたくて書きました。ちなみに余談に書きますが、色々あって集中できなかった時間があったので頓珍漢なことを言っていたらすみません。

良かったとこ

・99期生の因縁(?)のレヴュー

石動双葉(CV.生田輝)と花柳香子(CV.伊藤彩紗)の幼なじみの因縁(恐らく初めて?別々の道を歩み始めるための一歩たりうるレヴュー)、露崎まひる(CV.岩田陽葵)の神楽ひかり(CV.三森すずこ)に対する三角関係の因縁、星見純那(CV.佐藤日向)と大場なな(CV.小泉萌香)の…これはちょっと中々いい言葉が思いつかなかったのでパス、西條クロディーヌ(CV.相羽あいな)と天堂真矢(CV.富田麻帆)のトップを巡る因縁、そして神楽ひかりと愛城華恋(CV.小山百代)の幼なじみの因縁と各組合せには何らかの関係性があります。

一番好きなのはまひるとひかりの競演のレヴュー(合ってる?)。この露崎まひるとかいう女はそもそもテレビアニメでも「嫉妬のレヴュー」で良いキャラクターをしていましたし、華恋ではなくひかりともレヴューをするのは良い構成。ちょっとホラーチックな演出、そして華恋に対するデカい感情故のひかりへの嫉妬心向きだしも相まって結構惹かれた。この作中で2番目に好きなシーンです。

次いで好きなのが、大場ななと星見純那のレヴュー。方や何回もオーディションを勝ち抜けてトップスターになった女、方や勝っている所を確か見たことがない上に眼鏡の女で実力差は歴然レベルみたいな関係性から、純那が意地を見せて...…みたいな。最強ぶってる大場ななが純那に結構厳しい言葉を投げかけて次に進もうとするのですが、純那が自分の言葉で立ち上がり大場ななを負かせ、実はただイキってるだけで中身はか弱いところがある大場ななちゃんが純那に落ちているのが...…良いよね。3番目に好きなレヴューです。

1番好きなシーンは後述します。

・凝った演出

とりあえず1つだけ印象的な演出を考えると最後のレヴューで愛城華恋と神楽ひかりが所謂「第4の壁」を超えようとしたことが挙げられる。「私たち、見られている?」みたいな言葉から始まり(そうだっけ?)、二人の接写からややメタチックな言葉が交わされていた記憶があります。コレが割と痛烈に印象に残っている。

ですがコレはミスリードであると私は感じます。彼女たちは第4の壁を越えようとしたのではなくあくまでそれっぽいことを言って私のような気持ち悪いオタクを釣ろうとしていた、そんな演出ではないかと考えます。接写からメタチックなことを言うもんだからやけにコレが印象に残っています。大したことじゃないのかもしれないけど、私はこういうのが好きなのです。「ドキドキ文芸部」とかね。

あと思い出したのがエンドロール。ココで各キャラクターの現在を描いていたのがとてもよかった。私はそこまで映画を見ないのだが最近は「エンドロール中に帰る人」が色々議題に上がっている時代であり、私も以前よりは見る機会が何となく増えたような気もするという感触を得ている。最近だとFGOの映画はテレビアニメ風に言えばCパートみたいなのがあったし、ヴァイオレットエヴァーガーデンもエンドロール後に一枚絵があったし、シンエヴァはまさかのBeautiful Worldを流したのが印象に残っている。

確かにエンドロールって何で見てるのか俺もよくわかっていないんだけど(飛ばしたことは生涯で一度もない)、こういうエンドロール中にも観客を引き込ませる演出はキャラアニメの良い所だなと強く感じた。

・アタシ再生産

コレがやっぱり信じられないくらいカッコよかった。愛城華恋みたいに真っすぐ力強く言葉を発する女の子が実は好きなので、なおさら。

舞台少女としての仮想的な死?(原理よくわかりません)から再演のために舞台装置が動き華恋は落下みたいな展開だったと思うのですが、コレは100人中99人は「アタシ再生産だ...…」と確信したはずです。私がそれです。その期待に裏切らずアタシ再生産(クソデカフォント)が来た瞬間は脳汁が止まらなかった。パチスロには絶対にならないでほしい、ハマるから。

ココだけのためにもう一回見たいと感じるくらいには好き。

・愛城華恋の幼少期

ちゃんと幼少期の掘り下げをするところが良かったと思う。神楽ひかりが華恋をスタァライトに誘うためにめんどくさい誘い方をしているのが特によかった。あと、ひかりが華恋と遊ぶため?に公園に走って向かったら華恋が別の友達とゲームで遊んでいて微妙な表情をしていたのも良かった。

あの手紙もスタァライトのビラを手紙っぽく折り曲げただけってのもキュート。それを未だに取っている愛城華恋も乙女。最終的にはアレが舞台装置となっていたわけですし、それだけキーアイテムというわけですね。コレは決して華恋(5)とひかり(5)が萌えだったからとか、そういうのじゃなくて演出が良かったねって話ですよ。マジで

モヤモヤ点

・ストーリー

コレはテレビアニメのころからそうだから今更感あるんだけど、映画も最初よくわからなかった。突然舞台?が始まって大場ななが本質ぶって6人全員ぶった斬るみたいなシーンはガチで何がしたいのかよくわからなかった。やっていることが前半と後半で違い過ぎて実は別の作品を見ているのではないかと錯覚するくらいには何かよくわからなかった。ワイドスクリーンバロックとは「時間と空間を手玉に取り、気の狂ったスズメバチのようにブンブン飛びまわる。機知に富み、深遠であると同時に軽薄」という特徴を持つらしいですが、そういうコト?(どういうコト?)

あとワイルドスクリーンバロックが結局何なのかよくわからなかった。オーディションはわかるにせよ、こっちは何のためにやっているのかはよくわからなかった。俺が聞き逃している可能性もあるし、最初に書いた俺の考えが合っていそうならそれでいいけど。

たださっきも書きましたが、レヴュースタァライトはテレビアニメのころからよくわからないっちゃわからない作品で割とノリで見るのが大事な作品だと思っているので、この映画も俺が最初からそういう見方をすればよかったのかもしれない。

・時系列

現在(ワイルドスクリーンバロックの開幕)⇒過去(華恋とひかりの過去)⇒現在(ワイルドスクリーンバロックの上演)⇒過去(主に華恋の過去)⇒現在(二人の決着)みたいな構成だった気がするのですが若干ついていくのがつらかった。一気に華恋の過去をやればそれはそれで飽きそうなので仕方がない気もする。作品でも必須だったと思うしね。

・ショッキングな演出

こういうアニメだったっけ?って思えるくらいには割とショッキングな演出があった。トマトを血に見立てるというのは軽いもんで、子どもが見たら割とトラウマになりそうなキリン(CV.津田健次郎)のフルーツオブジェみたいなやつとか、まひるのレヴューの時とか、香子(だっけ?)の首切り出血シーンとかビックリ演出が多かった気がする。一番最後は声出しそうになった。そういうのは比較的苦手だったので事前にそれは知りたかったな、と思った。

総評

最初はぶっちゃけよくわからなかったし、早く帰りたいな~と久しぶりに映画を見てて思った(直近は冴えカノ序盤)。ただ、幼少期の華恋の話から流れが変わって、各レヴューは流石に引き込まれた。そして最後の愛城華恋。終わり良ければ総て良しが信条なので、それでよかったと思います。

実は私はTVアニメ「少女☆歌劇レヴュースタァライト」は結構微妙だと思っていて、ブシロード作品だとD4DJとアサルトリリィの間くらいかな~と思うくらいの評価でした。テレビアニメでは微妙だったが映画は面白かったという作品でパッと思いつくのが冴えカノなのですが、そういうこともあるしレヴュースタァライトも見に行くか、というのがキッカケでした。

そんな自分が見てそれなりに面白かったと思えたので、レヴュースタァライトを見て気になる人は120分ですが見るのは一つの手ではあると思います。ですが、アニメであまり刺さらなかった人がコレを見ても、評価が著しく変わることはないのでは、とも思います。少なくとも愛城華恋が好きだったら見たほうが良いとは思う。そんな感じ。

テレビアニメのころから思っていたけど変に難解にならないでもっと各舞台少女に踏み込んでストーリーを作ったほうが簡潔でわかりやすくてもっと多くの人に見られていたんじゃないかなとは思ってる。だけどそれはレヴュースタァライトではなくラブライブだと思うので、難しいところですね。

終わりに

私はアニサマ2019で聞いた約束タワーが衝撃的でそこからレヴュースタァライトに入ったのですが、実はこの歌って全然本編で流れないんですよね(インストが映画で流れていたけど)。それはもう一生解消されることのないモヤモヤなのだろうなと思う。流石にレヴュースタァライトはこれでキレイに終わったと思うしね。

またアニサマとかでスタァライト九九組を見たいな、って思う。今回の主題歌も良い曲だったし、他にも聞きたい曲が何個かある。

最後の方とかもう一度見たいし、時間があったらまた見に行きたい。その時は今回の反省(後述)を活かしてもうちょっと真剣に120分見たいと思います。ココまでご覧いただきありがとうございました。


余談

・何回か言っている反省点は僕が尿の管理を怠って微妙に集中できなかったのと、隣のおっさんが100分くらいほとんど寝息立てていて途中集中できなかったことです。割と最悪な環境で見ていたからこの感想文、本当はノーカウントにしたほうが良いのかも…。

・この前に「映画大好きポンポさん」を見ていて、その作中に「長い映画はダメ」って主張するシーンがありました。ポンポさんの後にコレ(120分)を見に行こうとしていた俺にとっては複雑なシーンでした。

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