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森ビヨ・勝手にアナザーストーリー2話

【森ビヨ・勝手にアナザーストーリー2話】

この作品は、勝手に考えた『眠れる森のビヨ』のアナザーストーリーです。
基本的に皆、幸せになって欲しい。序盤はネタバレ考えてません。
原作者さま、演劇女子部さま、アップフロントさまとは全く関係ありません。
ご了承ください。

※映像にするとこの話は6分程度
※全12話を予定しております
(作者の都合で変更になる可能性もあり)

【登場人物】

・ユッコ(16)

・ショーコ(16)

・山上(18)

・ヒカル(17)

・ツムギ(17)

・ノゾミ(17)

・カナエ(17)

・タマエ(17)


1 崋山高校・体育館舞台

  緞帳の下りた舞台上には、箱馬に座ったユッコとショーコ。

  二人の前には山上の姿。

ユッコ「あ、木こりの……!」

山上「公演見てくれたんだ? もしかして、体験入部?」

ユッコ「はい!」

山上「来てくれてありがとう。今年は一年生、まだ誰も来てなくてさ」

  そこへ、ノゾミを先頭にカナエ、タマエ、ヒカル、ツムギ(17)がドタバタ入ってくる。

ヒカル「遅くなってすいません~!」

ノゾミ「ブチョー遅いですよー! うっかり探しに行っちゃったじゃないですか」

山上「あ、ごめんごめん。この子達、体験入部の子」

ツムギ「体験入部二人も来てくれたんですか? うれしいな」

ノゾミ「誰かさんがブチョーになってから新入部員全然来ないですもんねぇ」

タマエ「部長、一年生の前で緊張して超無口になりますもんねぇ」

カナエ「わかる! ビラ配りの時、一切喋んないし、貼りついた笑顔だったもん」

ヒカル「まぁまぁ、こうして一年生も来てくれたんだし良いじゃないの」

山上「とにかく! 今日は準備体操したら名前鬼しようと思うんだけど、どう?」

タマエ「さんせー! 名前鬼めっちゃ好き」

  ユッコ、ショーコ、部員達の会話に入れずにいると、ヒカルそんな二人を察し

ヒカル「二人は名前鬼って知ってる?」

  顔を見合わせて、首を横に振るユッコとショーコ。

ヒカル「鬼ごっこみたいなもんだよ。まず鬼を一人決めて、鬼にタッチされそうになった人は鬼以外の名前を呼ぶ。そうすると名前を呼ばれた人が鬼になるって遊びなんだ」

ツムギ「鬼にタッチされそうになったら自分から一番遠くにいる人を呼ぶと良いよ」

ヒカル「普通にタッチされちゃったり、目の前の鬼の名前読んじゃったらペケ」

ユッコ・ショーコ「なるほど!」

ノゾミ「ブチョー? 今日は何ペケで罰ゲームにしますぅ?」

山上「そうだな、3ペケで筋トレにしよう」

一同「ええー! 筋トレー?!」

ヒカル「いつも罰ゲーム、モノマネじゃないですかー! なんで筋トレ?!」

山上「もうお前たちのモノマネも飽きたしな」

ツムギ「そんなぁ……」

山上「他の部員は生徒会で遅れるみたいだし、早速始めよう。体育着持ってきてる?」

ショーコ「はい、私は持ってきてます」

ユッコ「私、置いて来ちゃいました」

山上「女子、誰か貸せる人いる?」

ノゾミ「今日ハーパンしか持ってきてないでーす」

カナエ「右に同じくー」

タマエ「更に右に同じくー」

山上「うーん、俺のジャージで良ければ貸せるんだけど……」

ユッコ「え! 貸していただけるんですか?」

山上「君が嫌じゃなければ……」

ユッコ「全然嫌じゃないです! お借りします!」

  ユッコ、満面の笑みで山上がリュックから出したジャージを受け取る。

  ショーコ、その横顔をジーっと見つめている。

タマエ「そんじゃ、女子は着替えに行こうか?」

ユッコ・ショーコ「はーい!」

  女子たち、着替えに出ていく。


2 通学路(夕)

  すっかり夕暮れ時のユッコとショーコの帰り道。

ショーコ「どうだった? 演劇部」

ユッコ「すごい楽しかった! ツムギ先輩が筋トレさせられ過ぎて本当笑っちゃった」

ショーコ「ね、ノゾミ先輩の分までやるなんて優しいよね。面白い先輩も多かったし」

ユッコ「だよね! やっぱり入部しようよ、演劇部!」

ショーコ「良いよ~。……ユッコ、部長のこと気になってるでしょ?」

ユッコ「な、なんでそうなるかなー!」

ショーコ「だって、ジャージ借りられて嬉しそうだったし」

ユッコ「そりゃあ、嬉しかったけど!」

ショーコ「ときめいちゃったって顔してたよ~」

ユッコ「もうやめてよー!」

  その時、二人の後ろからヒカルとツムギがやって来て声をかける。

ツムギ「あ、あのー」

ショーコ「え、先輩?! いつから居たんですか?!」

ヒカル「ちょっと前から。何か盛り上がってたから、話かけるタイミング失って……」

ユッコ「……もしかして、さっきの話聞いてました?」

ツムギ「……うん、ちょっとだけ。でも、心配しないで! 言いふらしたりしないし!」

ヒカル「大丈夫! 山上先輩、多分、彼女いないから!!」

ユッコ「わー! やめて下さいよ!!」

ショーコ「ヒカル先輩すごい口軽そう……!」

ヒカル「入部すれば、ほぼ毎日会えるじゃん?」

ユッコ「だから、まだ好きとかじゃないですってばー!」

ツムギ「奇遇なんだけど、僕、今、入部届持ってるんだけどさ……」

  ツムギ、バインダーに挟んだ入部届を差し出す。

ユッコ「うぐぐ……」

ショーコ「こりゃ、弱みを握られたね……」

  ユッコ、ショーコ、入部届に著名をする。

  ヒカル、ツムギとハイタッチ。

ヒカル「ようこそ! 我が崋山高校演劇部へ!」

ツムギ「これからも末永くよろしくね!」

  ユッコ、ショーコ、困り顔で顔を見合わせる。

【次回に続く!】


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