旅番組が観たい

私は旅番組、特に海外ロケの番組が好きだ。

『世界ふれあい街歩き』がとっても好きです。
街の雰囲気や空気(風、日差しなど)を感じられて、まるで自分がその街を散歩しているようで楽しいし、学生の頃、フランスに旅行した時は予習として観たりもしました。

ただ、この番組面白いなと思った時に、うちのテレビがBSを受信できなくなった(父が契約をやめた)ので、実はそんなに本数は見ていないのですが、、
でも、小さい時に観たメキシコの街の白い壁と反射するまぶしい太陽、パリの街の楽器屋にいる職人の誇らしげな顔、とても心に残りました。たぶんそのおかげで、いろんな場所に行ってみたい!という好奇心が芽生えたんじゃないかなと思います。

知らない街をフラっと訪れたような感覚。お金と時間に余裕がなくても、スクリーンを通して疑似体験ができるようになっている素晴らしい番組です。
しかし、日本にいろいろな問題があるように、素敵に見える外国の街にも影の部分があると思います。最近、「これがリアルだ」という強い(分かりやすい)メッセージで視聴者に訴えてくる番組、映画などが多く感じます。飢餓に苦しむ人々、行き場のない難民、裏で儲けるヤクザ、自分の国でも外国でも「不幸」を見せるコンテンツがたくさんあります。


けれど、旅番組は街の嫌な面は映しません。
だから全く知的でないかというと、決してそうではないと思います。政治的な視点からのアプローチは、どうしても立場を分かりやすく説明する必要があります。例えば、「韓国の政府が日本政府に対して~」「中国人が日本に来て~」となります。その時に、国や宗教や組織の名前が絶対についてきます。それは当たり前のことですが、毎日毎日ネットやテレビで報道を見ているうちに、イメージが出来上がってしまうのです。いつの間のか、個人を想像できなくなります。当たり前ですが、その国に住む人にも生活があるし、それぞれの夢や悩みもあるだろうし。新しい靴がほしいな~。明日のテスト不安だな~。って思い浮かべたりもすると思うんです。

でも、実際に行って見聞きするのは難しいですよね。
そこで、『世界ふれあい街歩き』のような番組が役に立つのではないか?と思います。街角でお茶飲んで麻雀してるおっちゃんに話しかけたりするじゃないですか。「何をしているんですか?」「麻雀だよ。」「楽しそうですね。」なんて会話があって、そこで生きているんだなって垣間見える良さがあります。平凡だけど「幸せ」を感じるんですね。
オフィスで働いている人はあまり出てこないのが、ちょっと残念ではありますが…やはりユートピア的な映し方になっているからこそ魅力的だと思えるし、そこのカバーをするコンテンツが新しくあっても良いのかなと思います。現実と非現実の配合が上手くいっているものがとても好きなので、そこは変わらないでほしいなぁ。(ただのフアン)

『万引き家族』は映画なのに登場人物が実際に生きているのでは、と錯覚するほどのリアリティがあります。その切り口も大切だと思うのですが、知っていることを再確認できるようなものも評価されていいと思うんです。パンチはないかもしれないですが、街角の誰かの、私の、あなたの、美しい時間を切り取りたい。みんな美味しいものを食べると笑顔になる、その笑顔はとても幸福そうで美しい。

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