電脳世界 ②
バリバリのサラリーマン時代、お楽しみは渋谷で呑むことと、パチンコ、家に帰ってからの電脳世界でした。
お気に入りの音楽をかけて、sharpのノートPCに電源を入れると、そこには別世界が広がります。
「ふわっち」よろしく、サラリーマンの顔は捨てて、愉快なお兄さんとして掲示板、チャット、AOLメッセンジャーに冗談ばかり打ち込んでいきます。
夜遅くまでのめり込みました。「真夜中は別の顔/シドニィ•シェルダン」です。
当然、何人かは仲良しになり、その後「オフ会」(w)にも参加しましたが、やっぱりみんなネット上のキャラとはどこか違います。
ペルソナですね。
リア充してないからネットではっちゃけるのでしょうか。
いやいや、私はリアルも充実しているつもりでおりました。というか実際に仕事が忙しかったのです。
けれど、一方でネットの繋がりは、時に殺伐とする現実生活に潤いを与えました。
現実生活での人間関係に行き詰まっても、私にはネット仲間がいるのです。しかし、ネット仲間は現実の私の問題解決を手伝ってはくれません。
体のいい現実逃避です。
ではなぜ電脳世界にハマるのか、考えてみました。
喪黒のように「心のスキマ」を埋めているのでしょうか。
それもあるかもしれませんが、もっと根本的な原因は、私が実生活で自分をさらけ出せていないということにあると気付きました。
別に不真面目なサラリーマンでも、愉快なお兄さんでもいいんです。自分の内面にそれが確かにあるならば。
私は「柄にもない」とか「自分らしくない」といった理由で、現実生活でのそういった要素を否定していたのでした。
尾張。
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