ちのみゆき
有用だなと思うプログラミングでの数値計算方法やアルゴリズムなどに関する記事を集めていきます。プログラミング言語は自分で書いたものはExcel VBA、C#、VB.net ですが、それ以外もこだわらずに集めます。
題しらず よみ人しらず いにしへのしづのをだまきいやしきもよきもさかりはありしものなり いにしへの倭文(しづ)の苧環(をだまき)、賤しきも貴し(よし)も盛りはあり…
題しらず よみ人しらず いにしへの野中の清水ぬるけれどもとの心をしるひとぞくむ 古への野中の清水温けれど元の心を知る人ぞ汲む 昔は冷たく澄んでいた野中の清水は、今…
題しらず よみ人しらず いそのかみふるからをののもと柏もとの心はわすられなくに 石上(いそのかみ)古幹(ふるから)小野の本柏、もとの心は忘られなくに 石上の布留の…
田村のみかどの御時に、斎院に侍りけるあきらけいこのみこを、母あやまちありといひて、斎院をかへられむとしけるを、そのことやみにければよめる あま敬信 おほぞらを照り…
惟喬親王の狩しける供にまかりて、やどりに帰りて、夜ひとよ酒をのみ、物がたりをしけるに、十一日の月もかくれなむとしけるをりに、みこゑひて、うちへいりなむとしければ…
題しらず よみ人しらず あかずして月の隠るる山もとはあなたおもてぞ恋しかりける 飽かずして月の隠るる山元はあなた面ぞ恋しかりける まだ十分に満足していないのに、月…
題しらず よみ人しらず あまの川雲のみをにてはやければひかりとどめず月ぞながるる 天の川雲の水脈(みを)にて速ければ光留めず月ぞ流るる 天の川は雲が水脈となって速…
池に月の見えけるをよめる きのつらゆき ふたつなきものと思ひしをみなそこに山のはならでいづる月影 二つ無き物と思ひしを水底に山の端ならで出づる月影 池に月が映って…
月おもしろしとて、凡河内躬恒がまうできたりけるによめる きのつらゆき かつみれどうとくもあるかな月影のいたらぬ里もあらじと思へば 月おもしろしとて、凡河内躬恒がも…
題しらず なりひらの朝臣 おほかたは月をもめでじこれぞこのつもれば人の老となるもの 題知らず 業平の朝臣 大方は月をも愛でじこれぞこの積もれば人の老となるもの 今は…
題しらず よみ人しらず わが心なぐさめかねつ更級やをばすて山にてる月を見て 我が心慰めかねつ更級や姨捨山に照る月を見て 旅に出た私の心は慰められなかった、更級の姨…
題しらず よみ人しらず おそく出づる月にもあるかなあしひきの山のあなたもをしむべらなり 遅く出づる月にもあるかな、あしひきの山のあなたも惜しむべらなり 遅く出た月…
方たがへに人の家にまかりける時に、あるじのきぬを着せたりけるを、あしたにかへすとてよみける きのとものり 蟬のはのよるの衣はうすけれどうつり香こくもにほひぬるかな…
女どもの、見てわらひければよめる けむげいほふし かたちこそみ山がくれの朽木なれ心は花になさばなりなむ 女共の、見て笑ひければ詠める 兼芸法師 形こそ深山隠れの朽木…
寛平御時、うへのさぶらひに侍りけるをのこども、かめをもたせて、きさいの宮の御方に、おほみきのおろしときこえに奉りたりけるを、蔵人どもわらひて、かめをおまへにもて…
五節のあしたに、簪の玉のおちたりけるを見て、たがならむととぶらひてよめる 河原左大臣 ぬしやたれとへどしら玉いはなくにさらばなべてやあはれとおもはむ 五節の朝に、…
題しらず よみ人しらず いにしへのしづのをだまきいやしきもよきもさかりはありしものなり いにしへの倭文(しづ)の苧環(をだまき)、賤しきも貴し(よし)も盛りはありしものなり 昔からの織物の倭文(しづ)と言う糸玉、身分が賤(しづ)の者も貴い人も、若く盛んな時はあるものだ 誰にでも若くて盛んな時がある、つまり、誰にでも老いはやってくる、そういうことだと思います。 「倭文(しづ)」は、糸を青や赤に染めて乱れ模様にした麻の織物、「賤(しづ)」との掛詞。 「苧環(をだまき)」は
題しらず よみ人しらず いにしへの野中の清水ぬるけれどもとの心をしるひとぞくむ 古への野中の清水温けれど元の心を知る人ぞ汲む 昔は冷たく澄んでいた野中の清水は、今は温くなっているけれども、昔の心を知る人は訪れて汲んでいく 以前は高名であったが今は忘れられている人でも、今もその徳を慕って懐かしく思う人が訪れるものだ、という意味かと思います。 #古今集, #雑歌上, #清水
題しらず よみ人しらず いそのかみふるからをののもと柏もとの心はわすられなくに 石上(いそのかみ)古幹(ふるから)小野の本柏、もとの心は忘られなくに 石上の布留の名前と同じように、古い幹が残った野原の本柏のように、もともと最初に会った時の心は忘れることができないものだ 石上の布留(ふる)は天理市の地名。次の古幹(ふるから)を言うためのきっかけです。平安の人にとっては、布留の地は懐かしいふる里の印象なのだと思います。 古幹小野(ふるからをの)は、去年の幹が枯れて残っている
田村のみかどの御時に、斎院に侍りけるあきらけいこのみこを、母あやまちありといひて、斎院をかへられむとしけるを、そのことやみにければよめる あま敬信 おほぞらを照りゆく月しきよければ雲かくせどもひかりけなくに 田村の帝の御時に、斎院に侍りける慧子内親王(あきらけいこのみこ)を、母過ち有りと言ひて、斎院を替へられむとしけるを、そのこと辞みにければ詠める 尼敬信(あまのきょうしん) 大空を照り行く月し清ければ雲隠せども光消(け)なくに 文徳天皇の御代に斎院でいらっしゃった慧子内
惟喬親王の狩しける供にまかりて、やどりに帰りて、夜ひとよ酒をのみ、物がたりをしけるに、十一日の月もかくれなむとしけるをりに、みこゑひて、うちへいりなむとしければ、よみ侍りける なりひらの朝臣 あかなくにまだきも月のかくるるか山のはにげていれずもあらなむ 惟喬親王(これたかのみこ)の狩しける供に罷りて、宿りに帰りて、夜一夜酒を飲み、物語りをしけるに、十一日の月も隠れなむとしける折に、親王(みこ)酔ひて、内へ入りなむとしければ、詠み侍りける 業平の朝臣 飽かなくに未だきも月の隠
題しらず よみ人しらず あかずして月の隠るる山もとはあなたおもてぞ恋しかりける 飽かずして月の隠るる山元はあなた面ぞ恋しかりける まだ十分に満足していないのに、月が隠れてしまったここの山の麓にいると、あの向こう側のまだ月が見える山の面が、なんとも恋しく、行ってみたいものだ 「飽かず」は、飽きていない、つまり、まだ飽きるほどには見ていない、満足していないことです。 「あなたおもて」は、あちら側の山の面のことです。ここは月が隠れてしまったが、あちら側では月が見える、そこが良
題しらず よみ人しらず あまの川雲のみをにてはやければひかりとどめず月ぞながるる 天の川雲の水脈(みを)にて速ければ光留めず月ぞ流るる 天の川は雲が水脈となって速く流れるので、光を留めることもなく月は流れていく 「みを」は、水脈、澪です。深い水の流れのことですが、ここでは雲の流れのこと。それが速く流れるので、月も光も流されていく、という歌です。ちょっとわかりにくいです。 #古今集, #雑歌上, #天の川, #水脈, #月
池に月の見えけるをよめる きのつらゆき ふたつなきものと思ひしをみなそこに山のはならでいづる月影 二つ無き物と思ひしを水底に山の端ならで出づる月影 池に月が映って見えているのを詠んだ歌 紀貫之 二つは無い美しい物と思っていたのに、水底に映る月、山の端ではなく、水底から昇る月の光は、なんと美しいことか 月と言えば山の端から昇るものが唯一の美しいものとされているが、池に映る月もきれいなものだ、と言う歌です。少し理屈っぽいところが紀貫之らしい感じだと思います。 月影は、月の
月おもしろしとて、凡河内躬恒がまうできたりけるによめる きのつらゆき かつみれどうとくもあるかな月影のいたらぬ里もあらじと思へば 月おもしろしとて、凡河内躬恒がもうで来たりけるに詠める 紀貫之 且つ見れど疎くもあるかな月影の至らぬ里もあらじと思へば 月が趣深いと言って、凡河内躬恒が訪ねて来たので詠んだ歌 紀貫之 月は趣深いけれど、一方では疎ましいくもあるものだ、月の光が届かない里などないと思うから 「月影の至らぬ里もあらじ」というのは、自分の家だけでなくてどこに行っても
題しらず なりひらの朝臣 おほかたは月をもめでじこれぞこのつもれば人の老となるもの 題知らず 業平の朝臣 大方は月をも愛でじこれぞこの積もれば人の老となるもの 今はもう、たいていは美しい月も愛でることはない、この月こそこが積もって、人の老となるものだからだ 空の月と年月の月を掛けています。空の月が毎日出ては隠れると、それは年月が経つことを意味するので、もう若くないので空の月を素直に美しいと喜べない、という歌です。 この歌は伊勢物語の88段にも出ています。 昔いと若き
題しらず よみ人しらず わが心なぐさめかねつ更級やをばすて山にてる月を見て 我が心慰めかねつ更級や姨捨山に照る月を見て 旅に出た私の心は慰められなかった、更級の姨捨山に照る月を見ていると 美しい月が照らす姨捨山という両極を一緒に見たことで、穏やかな気持ちにはならなかったのでしょう。 更級の姨捨山は、長野県更級郡にあるそうです。 #古今集, #雑歌上, #更級, #姨捨山, #月
題しらず よみ人しらず おそく出づる月にもあるかなあしひきの山のあなたもをしむべらなり 遅く出づる月にもあるかな、あしひきの山のあなたも惜しむべらなり 遅く出た月であることだ、美しく裾を引く山の向こう側、月が隠れた向こう側でも月を惜しんでいることであるだろう 今自分が見ている月は、西の山に隠れてしまう、それが惜しい。そして山の向こう側でも、さらに西の山にやがて月は隠れてしまう、そこにいる人も月を惜しんでいるだろう、という歌です。 風景が想像しやすい歌だと思います。 「べ
方たがへに人の家にまかりける時に、あるじのきぬを着せたりけるを、あしたにかへすとてよみける きのとものり 蟬のはのよるの衣はうすけれどうつり香こくもにほひぬるかな 方違へに人の家に罷りける時に、主の衣を着せたりけるを、朝に返すとて詠みける 紀友則 蟬の羽の夜の衣は薄けれど、移り香濃くも匂いぬるかな 行き先の方角が良くないので方違えで、知り合いの家を訪ねた時に、あるじが衣を貸してくれたので、朝に返す時に詠んだ歌 紀友則 蝉の羽根のように夜に着た衣は薄いものでしたが、あなたの
女どもの、見てわらひければよめる けむげいほふし かたちこそみ山がくれの朽木なれ心は花になさばなりなむ 女共の、見て笑ひければ詠める 兼芸法師 形こそ深山隠れの朽木なれ心は花に為さばなりなむ 女官達が私を見て笑ったので詠んだ歌 兼芸法師(けんげいほうし) 見た目は深い山の朽木であっても、心は花にしようと思えばできるのだよ 「形」は、姿形、容貌、器量ですが、「深山の朽ちた木」と言っているので顔か立ち姿のことなのでしょう。自分で自分を朽木と言うのだから、なんらかの自覚がある
寛平御時、うへのさぶらひに侍りけるをのこども、かめをもたせて、きさいの宮の御方に、おほみきのおろしときこえに奉りたりけるを、蔵人どもわらひて、かめをおまへにもて出でて、ともかくもいはずになりにければ、つかひのかへりきて、さなむありつるといひければ、蔵人のなかにおくりける としゆきの朝臣 玉だれのこがめやいづらこよろぎのいその波わけおきにいでにけり 寛平御時、上の侍に侍りける男共、瓶を持たせて、后の宮の御方に、大御酒の下ろしと聞こえに奉りけるを、蔵人共笑ひて、瓶を御前に持て出
五節のあしたに、簪の玉のおちたりけるを見て、たがならむととぶらひてよめる 河原左大臣 ぬしやたれとへどしら玉いはなくにさらばなべてやあはれとおもはむ 五節の朝に、簪の玉の落ちたりけるを見て、誰がならむと訪ぶらひて詠める 河原左大臣 主や誰問へど白玉言はなくに然らば並べてやあはれと思はむ 五節の舞の翌朝に、簪(かんざし)の玉が落ちていたのを見つけて、誰のものであろうと舞姫達の局を訪ねて詠んだ歌 河原左大臣(かはらのひだりのおほいまうちぎみ) 誰のものであろうかと問うても「白