抑肝散

漢方薬に入っている生薬シリーズ。
今回は「抑肝散」(よくかんさん)です!
ちなみにこちらで紹介している配合は「ツムラ」さんのものです。メーカーによって入っている生薬が違うこともあります。

昔は、こどものひきつけや夜泣き、むずがりなどに使われていた有名な漢方薬のひとつです。
お子さんに使う場合は、子母同服といって親子で飲むと効果的なのだそうです。

現在では、ADHDなどにも効果があり、コミュニケーション能力が出てきたという例もあるということです。
また、イライラ・カッカしている高齢者にも用いることが多いそうです。

また慢性腰痛のファーストチョイスにもなっています。
「怒り」が隠されている場合、例えば職場の人間関係、上司の評価への不満など・・・、それで腰も痛い(>_<)という時にはかなりの有効性があるとか。

入っている生薬は・・・
〇柴胡(さいこ):セリ科の植物の根っこ。みぞおちから上の膨満、圧痛を抑える。(緊張)
〇釣藤鈎(ちょうとうこう):アカネ科の植物のトゲ。肝の高ぶりによる興奮を鎮めてふるえを止める。鎮静作用。
〇白朮(びゃくじゅつ)・茯苓(ぶくりょう):利水。水回りをよくして「おちつかせる」
〇当帰(とうき):血を補う。そして「おちつかせる」
〇甘草(かんぞう):脾胃を補い、神経の興奮を収める。
〇川芎(せんきゅう):血を補う。


・・・の7種類です。
生薬の薬効を見てもわかるように、気血水のバランスをとって気持ちをおちつかせてくれる漢方薬なのですね。
腰痛のファーストチョイスにしては、痛みに関するものが見当たらないのが不思議なところです。
ということは、腰痛は「気持ち」が深く関係しているってことでしょうか・・・。心と体はつながっている・・・。
生薬のことを書いていたら、ひさしぶりにそのものを見たくなりました。1年近くスクールに行けていないので、もうちょっとコロナが落ち着いたら、薬日本堂の漢方ミュージアムで生薬たちに囲まれて癒されたいです~♪