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【狩野永徳筆 国宝障壁画】大徳寺 聚光院 特別公開

これは絶対見ておきたかった!
大学の日本美術で、襖絵とか屏風とか絵巻とか掛け軸とか、それぞれの機能知って、技法知って、超絶興味が湧いてしまったので!
2022年に東京国立博物館でやっていた国宝展で、狩野永徳の《檜図屏風》にやられてしまったので!

●特別公開の概要(拝観予約のWebより)※ちょっと省略

生誕500年を迎える茶聖・千利休の菩提寺にして、日本絵画の最高峰・狩野永徳の障壁画を有する大徳寺聚光院。
京都国立博物館に寄託していた狩野永徳とその父、松栄による本堂障壁画46面(全て国宝)が5年半ぶりに里帰りし、ここ聚光院で一挙公開。
また、2013年の書院落慶に合わせ奉納された、現代日本画のトップランナー、千住博画伯の障壁画『滝』が公開されるほか、表千家7代如心斎が千利休150回忌に寄進したとされる茶室「閑隠席」(重文)などが公開されます。

●感想①:本来あった場所にあるからこそ、わかること。

障壁画(襖絵、杉戸絵など)はインテリアの一部なので、本来はその建築事態も含めて総合的に鑑賞するもの、室内の広さ・高さなど空間を一つの作品としてとらえるもの。また、複数の画面が一つの物語を構成している、と習いました。

で、習った通り!実際の空間と部屋ごとの位置関係を体感しながらの鑑賞は、やはりWebとか紙とかで見ていた印象とは全くの別物でした。

聚光院には、永徳の《花鳥図》《琴棋書画図(きんきしょがず)》、お父さんの松栄の《瀟湘八景図》《竹虎浮猿図》《蓮池藻魚図》があります。

一番メインの部屋、「室中の間」に永徳《花鳥図》があり、正面の襖を開けると仏間になっており、この小ぶすまが松栄《蓮池藻魚図》があります。

この部屋の正面向かって右には大きなウメの木が描かれており、ガシっと根を張り、お釈迦様に向かって大きく枝を伸ばしています。襖の枠も超えるほどで、とても力強い!
そして飛んでいる鳥からは鳴き声が聞こえるような感じ!(なぜだろう?)

もしこの部屋の中心に座ることが出来たなら、どれほど開放的で生き生きしたエネルギーを感じながらお釈迦様に対面できるのだろう、、と想像しちゃいました。

ちなみに隣の部屋「檀那之間」の永徳《琴棋書画図(きんきしょがず)》は、《花鳥図》とタッチが全然違って、固くてかっちり描かれていました。
1人の人間がこれほど違う描き方でそれぞれの技法に熟達していて、更に空間全体もそれぞれの世界観がしっかり出来上がっていて。。
狩野永徳って、本当にとんでもない才能を持った人だったんだなぁってつくづく思いました。

●感想②:茶室「閑隠席」「枡床席」の違い

「閑隠席」は利休好みで閉鎖的と言われているようで、なるほど、天上低いし壁黒いし、すごい落ち着きそう。集中できそう、と思いました。
天上の高さって低いと親密な感じがしませんか?私だけ?
「枡床席」はあっさりしている感じ。開放的と言われているようですが、私にはなんか落ち着かないかも。。
きっと用途がちがったんだろうなと思います。

●感想③:ガイドツアー全体の感想。

時間が限られている、人数も結構いる。そういう状況でガイドさんが案内してくれるのですが、自分が見たいものに長く時間を割けないのが本当に残念です。。
あと、これは本当に仕方ないことだけど、位置によっては声が殆ど聞こえないし。。
もっと快適にみられるように改善されるといいなぁ~。

●まとめ

オペレーションに「もうちょっと良くなったらいいな」はありましたが、狩野永徳、松栄の襖絵はそれはそれは素晴らしく、本来の空間で本来の役割を果たしている状態で、筆の勢いもしっかり感じられる鑑賞は至福でした。。
公開される頻度や間隔は分かりませんが、今後も出来る限りみたいな~!









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