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地元演劇場のおもひで

私の父方の祖父は昔、地元の歴史ある演劇場の管理人をしていた。

そこには昔の有名歌手、スポーツの試合、
歌舞伎、映画上映などが行われ、沢山の人々で賑わっていたそうだ。

祖父が管理人であった為
父が幼い頃はその演劇場脇の一軒家に
一時暮らしていたらしい。

吹奏楽部だった父はよく
一人で誰もいないその演劇場に入り、トランペットの練習をしていたらしい。
また、無料で映画も観ていたと。。

昔の映画
「ニュー・シネマ・パラダイス」を連想してしまった。

祖父が亡くなっても
父はその演劇場を継承していく団体で長年活動をしていた。

学生時代
その演劇場でストリートミュージシャンライブが行われると聞き、友達と三人で運営の手伝いをした事がある。

音響が良く広いステージで
地元の実力あるストリートミュージシャンが集った。
街中で各々活動している方々が順番にステージに立つ。

その中で一人、目を惹く少年がいた。

10代ぐらいの金髪の甚平を来た少年。
一見派手に見える。

しかし
ギターをかき鳴らし、ハーモニカを吹きながら中々渋めの長渕剛の
「巡恋歌」
を熱唱。

声量があり抑揚ある力強い歌い方
ハーモニカもギターもかなり上手だった。

「どこまで行っても恋の矢はあなたの胸には刺さらない〜♪」という箇所の
「刺さらない〜!」が印象的だった。

割と昔の長渕剛さんの曲が好きだったので
その日から何故か巡恋歌を何度もリピートして聴いていた。

自身の中で衝撃的だったのだろう。
何年経っても心に残っている。

音楽を一生懸命奏でる人、更にそれを誰かの心に響かせられるってやっぱりかっこいい。

それはきっと売れている方々だけに限らず
音楽って誰にも平等な場所にあり、それぞれに響くものなんじゃないかと思う。 

例えば
誰かがギター1本で皆が知ってる曲を上手に歌い、そこにいる人々がそれに聴き惚れ
共に歌い出す。小さなライブが生まれる。

あの巡恋歌は最高だった。
もう1度聴きたいな。

(画像引用)





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