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※閲覧注意※トビが魚を食いちぎった写真あり 鳥見散歩<W湿地編> 1/3話 2024年4月

 広いW湿地では私の地元ではなかなか会えないような鳥と会うことができます。
 ただし、警戒心の強い子が多いので、車をブラインド代わりにして、車内から観察します。

 車内からの観察がなかなか思うように行かないので、休暇を取って、人が少ない平日に行くことにしました。
 すると、モカさんが同じ日の午後に休暇を取れると言ってくれました。

 午前はひとりで、午後はモカさんと合流して鳥を見ました。
 午前と午後に見た鳥がほぼ同じなので、モカさんと合流してからをこちらに書いていきます。

 鳥見仲間で茶飲み友達のモカさんとW湿地の駐車場で待ち合わせをしました。

 モカさんを待っている間、私は高台になっている丘からキジを見ていました。

キジ

 電話が鳴ったので見るとモカさんからの着信でした。

 「着いたんだけど」
 「今、行きます」

 周辺には鳥の気配が多く、まだ見足りない私は「もう少し歩きたい」とだだをこねました。

 トビが飛んできて東屋の屋根に止まりました。
 足につかんだ何かを食べている様子です。

 カメラのズームで見てみました。
 「トビが魚を食べてる」

 トビがいかにも猛禽類という風情で魚の頭をくちばしで千切りました。

トビ

 不意に今日のスケジュールを後ろから確認しはじめた私。
 「時間がもったいなくない?」
 モカさんが呆れたように
 「師匠が歩きたいって言ったんでしょ」

 時間を無駄にするところでした。
 慌てて本日のメインスケジュールをこなすことにしたのでした。

 ちなみに、鳥見経験は数ヶ月しか違わないのに、モカさんは私を師匠と呼びます。

 「私の車でいい?」
 「乗せてもらっていいの?」
 「もちろん」

 モカさんに助手席に乗ってもらって、目的の湿地に向かいました。

 ここで時間を少し遡ります。

 探鳥会のスコープ隊として活躍するOさんは、探鳥会の帰りにW湿地に寄り、珍鳥を見つけました。
 しかもその情報を惜しみなく教えてくれました。

 その珍鳥は絶滅危惧種で、地元の方が秘密にして大事に守っているものでした。

 そのことを知って、Oさんは地元の人より先に公表しないと公言しました。
 私もその姿勢を見習って、今回は珍鳥とだけ書いていきます。

 珍鳥が見られるかもしれない第1ポイントに着くと車が4台ほど停まっていました。

 その少し先で車をUターンして、窓を開けたまま、列のいちばん端に車をゆっくりと停めました。

 しばらく湿地を見ていたのですが、他のカメラマンが車の外に出ているので、私たちも車外に出ることにしました。

 モカさんが近くにいたカメラマンに声をかけて情報を聞いてくれました。
 珍鳥は少し離れた葦の中だそうです。

 その人はイスに座っていたので、
 「イスに座って待っていた方がいいですかね」
 「あ、そんなの関係ない」
 「関係ない?」

 立っていてもいいらしい。

 車外に出て良いのは気が楽です。

 モカさんは、近くの葦の茂みに鳥が出ていると教えてくれました。
 「そこにいた」

 私が探し出せたのはヒクイナとセッカでした。
 どちらも警戒心が強くてなかなか会えない鳥です。

ヒクイナ
セッカ

 ヒクイナとセッカを撮影して大満足な私にモカさんが声をかけました。
 「動き始めたよ」

 私は慌ててモカさんのそばへ。

 カメラマンから教えてもらった茂みの右端に動く気配がありました。
 教えていただいた珍鳥に間違いありませんでした。

これはノスリ

2につづく。


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