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小さな沢のキセキレイ 探鳥会レポート<K山編>2/5話 2024年4月


 先日、ニコ支部O分会の探鳥会に参加してきました。
 場所はK山周辺です。

 探鳥会ご一行はその先にあるK山案内所まで行き、そこで休憩をしました。

 前回参加した人は「前はここで混群に会った」と言って、案内所の隣の沢を覗いていました。

沢にいたキセキレイ

 黒縁メガネが印象的な黒縁さんが話し始めました。
 「T地区の探鳥会でさ」

 鳥の名前を言ったら「本当か?」と疑われたり。
 似ている鳥の名前を挙げて、鳥の判定を迫られたりしたらしい。

 「O地区は先生が優しくていいよね」

 私はT地区の役員が冷たいと思ったことはないんだけど。
 鳥に真剣に向き合う姿勢が裏目に出ているみたい。
 O地区の先生が優しいところは全面的に同意。

 こんなかんじで、複雑な思いで聞いていました。

 休憩時間が終わって先導のSさんが歩き始めました。

 道路を渡って、水利施設のある山に向かいました。
 この山の上に水利施設があり、水路を引いて水芭蕉などが植えてあります。

 先導のSさんは張り合いが悪そうに
 「鳥がいないねぇ」
 と、言って歩きました。

 水芭蕉園を見下ろせるところでいったん休憩しました。

 すぐ近くからウグイスの鳴き声がしました。

 「そこでウグイスが鳴いてる」
 「あ、そこにいるの、そうじゃない?」
 鳥にお礼を言う礼子さんが見つけました。

 藪が好きなウグイスは、珍しく枝の上の方にいて、みつかった!と慌てて飛んで逃げました。
 「あっちに行った」

 ウグイスは飛び移った木の葉の陰に隠れて見えなくなりました。

 探鳥会ご一行は水利施設前に出ました。
 水利施設は改修工事中で足場が組まれていました。

 ここでも鳥に会えず、先導のSさん、ガッカリ。

 初参加の女性が声をかけてくれました。
 私の名札を見て、野鳥の会の方ですか、と。

 その方は入会したいと考えているのだそうです。
 私は探鳥会が目当てで入会しているのだと答えました。

 先導のSさんが歩き始めました。
 来たのとは別の道で山を下りるそうです。

 鳥がいないと悔しがるSさん曰く
 「昨日、下見をしたときにはこの辺りでシジュウカラやヤマガラ、メジロがたくさんいた」
 「こんなに下見のやりがいがないのは鳥だけ」
 という返事でした。

 Sさんは足を止め
 「鳥の代わりにと言ってはなんですが、アケビです」

 そこには紫色の小さなアケビの花が咲いていました。
 鳥が出なかったときのためにアケビの花を見つけておいたらしい。

 上空を見ていたら、鳥が2羽、舞っていました。
 「猛禽?」

 ハッとSさんも見上げて
 「両方ともノスリ?」

 あっ、ここは私が判別して鳥の証人にならないといけないのね?
 そこで、頑張って猛禽類を見分けました。

 ぽっちゃりした胴体、幅が太い翼・・・
 「両方ともノスリですね」

 見分けられて良かったと安堵した私でした。

ノスリ

 その先に鳥の絵の看板がありました。
 「K山公園で見られる野鳥」

 カワセミの絵が描いてあったのが気になって
 「このカワセミはいつも見ている川のカワセミのことなんでしょうか」
 そうO分会長に聞いてみました。

 カワセミがいる川はK山からけっこう離れているのです。

 「ここに描かれているカワセミは分からないけど」
 「前にドジョウをバケツに入れておいたらカワセミが狙っていたことがあるから」
 「この辺にも街中にもカワセミがいます」

 分会長の話が終わると、元自衛隊のモトジさんが言いました。

 「昔、子どもと釣りに行って、バケツに釣ったマスを入れておいたら」
 「子どもが『お父さん、ヘビがいる!』って」
 「見たらカワウで、首をヘビみたいに揺らして、バケツの中の魚を捕って食べていた」

 「えぇー!?」
 「そんなことがあるのかと思った」

 モトジさんはしみじみと話したのでした。

3につづく。


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