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クロちゃんがやってきた!

うちの猫は可愛い。

真っ黒な黒猫だから、名前は見た目そのまま、「クロちゃん」にした。

クロちゃんと初めて会ったのは、今年の3月の初め頃。

うちで管理しているアパートの住人から、夜中に急にLINEがきたのがきっかけだった。

『アパートの中で猫の声がする。誰かが猫を飼っている!』

アパートはすぐ近くにあるので、旦那さんと2人で様子を見に行った。

アパートの中を歩き回っていると、どこからか小さく猫の声が聞こえた!

やっぱり誰かが部屋でこっそり猫を飼っている?!

でも声がしたのは一度きりでもう聞こえなくなった。

たまたま廊下ですれ違った住人の女の子に話を聞くと、アパートの一階部分は店舗になっているのだが、そこに野良猫が入り込んでいたのを見つけて、ダメだよ〜と言ってすでに外に出してくれたという。

どうやら先ほどの声も、アパートの中ではなく、外から聞こえてきていたらしい。

アパートから出て、とりあえず家に戻ろうとしたとき、急に黒猫が鳴きながらどこからか現れた。

こっちを見て、わたしたちに向かってニャーニャー鳴きながら近寄ってくる。

この辺りには野良猫が多く、餌付けしている人もいるのだけど、ほとんどの野良猫は警戒心が強くて人に近寄っては来ない。

珍しく人懐こい野良猫に、わたしも旦那さんもメロメロになった。

家の前までついてきて、ドアを開けると家に入り込もうとする。

わたしはそのまま家に入れてしまいたかったが、旦那さんがノミとかが付いてるかもしれないから家に入れるのはダメだという。

とりあえず夕飯のスープの残りの肉団子をあげてみたが、食べてくれない。

旦那さんが段ボールにいれて私たちの部屋まで連れていって、明日病院に連れて行こう、と言って、抱きかかえようとしたがあっさり失敗。

縁があったらまた会えるだろう、と思うことにして、その日は後ろ髪を引かれながら、黒猫とバイバイした。

次の日も、またその次の日も、それから毎日、その黒猫は現れた。

ニャーニャー鳴きながら寄ってきて、ご飯をねだったり、家に入れて欲しそうにする。

そして、勝手に家の前に停めてあるバイクに登ってひと休み。

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体が痒いらしく、バイクに擦り付けている。

わたしはスーパーで猫のおやつを買って、1日1つずつあげた。

近所の小学生もコンビニで猫缶を買ってきて食べさせているらしい。

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鶏肉をあげても絶対に食べないね、魚が好きらしいね。

あそこのおばさんのところでいつも餌をもらっている野良猫のうちの1匹らしいよ。

何もついてないからメスらしい。いや、去勢しているだけで小さいのが付いているからオスだ。

野良猫にしては人に慣れているから、元飼い猫だろう。

そんなふうに、毎日、近所の猫好きみんなの話題の中心になっていた。

いつの間にか、みんな小黑(シャオヘイ、中国語でクロちゃんの意味)と呼ぶようになっていた。

みんなで可愛がっているご近所のアイドルのように思っていたが、わたしがクロちゃんを撫でていると、隣の家のおじさんに、噛まれるぞ、と注意された。

夜、台湾ではゴミ収集車にゴミ袋を直接入れなくてはならないので、時間になると近所の人たちが家から出てきて各自の家の前でゴミ収集車が通るのを待つ。

その時、クロちゃんが寄ってくると、足をわざとダンッと踏みならして驚かせて追い払う人たちが複数いるのを目撃した。

いつもわたしにはニコニコと挨拶してくれる優しそうなおばさんもその1人で、それはなかなかショックな光景だった。

なんとかしてあげなきゃ。そんな思いが強くなった。

クロちゃんはその後、毎朝うちの前にやって来て大声で鳴き、餌をねだるようになった。

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家の外に置いてあるカラーボックスの下にわたしの古いパジャマを敷いて、即席のおうちを作った。

お腹を空かせているようなので、スーパーに行ってカリカリを1袋買ってきて与えることにした。

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クロちゃんがうちの前にいつもいるようになって数日後、猫を飼っている旦那さんの弟さんとその彼女さんが、キャリーを持ってうちに来てくれた。

猫の扱いになれている我が家の住み込みヘルパーさんがクロちゃんをガッチリとホールドして、キャリーに入れた。

※本来は無理やり入れずに、入ってくれるのを待ったほうが良かったようである。勉強不足で、クロちゃんに怖い思いをさせてしまった。

弟さんの運転で動物病院に連れて行き、クロちゃんはICチップが埋め込まれてないこと、皮膚病があること、推定3歳であることなどをお医者さんから聞き、皮膚病の薬をもらった。

診察が終わると、次はペットショップに行って、弟さんたちのアドバイスで必要なものを一通り購入した。

その日、クロちゃんは初めてうちの中に入り、晴れて我が家の家猫になった。

レミオロメンの名曲と同じ、3月9日月曜日の夜のことだった。


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