「やれと言われたらやってしまう日本人」 は やっぱり「社畜」 向きなのか?
ハイパー台風が珍しく都心を寄り道されたということで、かなり被害が出た。最初は「コンパクト台風」だとか「1000hPa越え」とか言ってたのに。そんなバカにしていたから、大きく息を吸い込んで吐き散らしたとしか思えん。。日本で一番台風を甘くみている東京人には、かなりの痛手になったのは間違いない。台風という自然の猛威と真摯に向き合う沖縄県民を見習いたいわ。
しかし、もっと驚いたのは翌日の通勤パニック。都心のあちこちでパニクってる様子がリアルに流れていて、ずーっと眺めていたけど、ここに日本の「働き方」の縮図を見た。
◾️社畜の参勤交代
「運転再開したら、会社いこ」って思った人たちが、ずわわっっっwwwって並んだ大行列が「参勤交代っぺぇ」という、ドンズバな形容で少し笑ってしまった。
「参勤」とは国元から江戸へ赴く旅、「交代」または「就封(しゅうほう)」とは国元に帰還する旅のことである。この制度の目的は、諸大名に出費を強いて勢力を削ぐことにより謀反などを抑える効果、あるいは大名の後継ぎは制度上全員が江戸育ちとなることから、精神的に領地と結びつきにくくする効果。(by wiki)
会社に呼ばれれば行く。どんだけ金を使っても。どんだけ時間がかかっても。江戸時代から、やってることが変わってねぇ!って話だ。
「参勤交代なんて誰がやるか、バーカ」って楯突く大名があの当時大量にいたら、この津田沼駅の光景は、絶対に今なかったはず。日本人の「真面目DNA」健在。
「8時間かけて会社行くとかって、バカ決定」なんて休校の高校生あたりがいいそうだけどな。「え?お前なんで昨日休んだの?電車待ってたら動いたぞ?俺きたのに?」って、えげつない上司からの圧力が待ってるから。でも、同期内で「勇気あるわ〜、お前すげーよ」って言うちょっとした英雄感を表裏一体で味わえるオプションがついたりもするけど。
そう。あくまで「スタンスの提示」が必要なのよ。
「会社のために行きました!」的なね。
◾️台風くらいで休むヤツはそこまでの人間。
そんなこと言う、会社もあった。怖い。こんな会社。台風で死傷者がでた。殺人的な台風一過の猛暑で、倒れて死んでしまう人がいてもおかしくなかった。
「台風で休んだくらいで、人格否定するようなヤツ」がそこまでの人間。
って言いたい。
◾️やれと言われたらやってしまう日本人。
それって本当に怖い。もちろん世界から見た日本というのは「マナーが素敵」とか「ゴミを落とさない」とか「財布が交番に行く」とか。安全大国である印象は間違いないんだけど、「スタンス提示」が正解風ふかしてるから、NOがなかなか言えない、生きづらい国でもあると思う。
戦後75年で、すっかり平和になっているように見えるけど、もし今またあの当時のような軍国主義に逆戻りして、健康男子全員戦地へ行け!って言われたら。みんな「今は誰も行かないっしょww」って笑ってたけど、本当にそうか?って思っちゃう。憲法が変わって、また学徒出陣です、「やれと言われたから、行くしかない」って。またあの頃のマインドに戻るんじゃないかって、この長蛇の列を見てて思ってしまった。
◾️「社畜」は楽なんだが
時間が来ると草が運ばれてきて、適度に乳絞ってもらって、うんこしたら掃除してもらって、って考えるととっても楽ではあるよ。社食が充実してて、適度に福利厚生があって。なんなら寮生活もあったりする。
会社員を「社畜」と言うなら、我らフリーランスは「放牧」。自分の生きる土地を見つけられれば、自分でしっかり美味しい草を探して、悠々自適に暮らしているように見える。
だけど、乳は定期的に搾ってもらえるわけではないので、本当に自分の乳はうまいのか?需要あるのか?ブランド性あるのか?なんて知る由もないから、安くても、ガンガン搾ってもらえる方が安心感はあるよね。それに土地の端っこの方でこっそりうんこしても、そのままちゃんと肥料になってくれるかはわからないし、うんこが増えて土地環境が悪くなったりしないか不安にもなるわ。
「搾ってください!」「掃除してください!」って声を出さないと行けない場面も多々ある。
そもそもその土地どこにある?!ってとこから始まると、もう怖い。間違ってハイエナの土地に来た日にゃ、覚悟が必要でしょ。「はーい、ここがあなたに適した土地でーす。」ってアテンドしてくれない。自分の嗅覚を大事にするしかない。そう考えると「社畜」なんて悪意がある言い方だけど、「社会的保障」はやっぱり安心する。
◾️無理にアメリカナイズすることない
アメリカはフリーランス人口が加速している。来年には労働人口の半分がフリーって言ってるくらい。それに続け!と日本もフリーランスの社会制度見直しが多いけれど。日本人がアメリカ人と同じ働き方をできるとは思えない。
フリーランスは、自分で自分を守るだけの一番シンプルな就業規則で、そこでもっとも大切なのが、日本人が苦手とする「自分の気持ちを正直に伝えること」だからだ。
自分の気持ちに正直な人種と、自分の気持ちにどこか自信がない日本人。「日本人は、すぐ I think…って言うよね。」って話を聞いたことがある。「わたしはこうだと思うんですけど・・・」って自信がない発言は、よく政治の世界でも叩かれてるけど。
「だから社畜でいろ?」ってことじゃない。
「社畜」と呼ばれる所以は、自分の気持ちに正直になれない日本人特有の性質にある。「会社に属する=社畜」ってあまりに極端な単語になってるけど、自分の気持ちを第一に考えれば、自分で自分を「社畜」なんて思うことない。
難しいところなんだが、台風で出勤が大変だと思うなら「今日は行きません」って声を上げていこう。
◾️家でできることを会社に伝えるのも立派な 「スタンス提示」
企画書のたたき台を作るでもいい。せっかくなのでルーティーン雑務の見直しをする。会社でなくてもできる業務をやる時間にすることだってできる。もちろんそれを労働とみなして給与を請求することは難しいかもしれないが、何時間も電車が動くのを待ちながら、ついたところで大した仕事もできないのなら、よっぽど効果があると思うのはわたしだけだろうか。
会社はやっぱり、もっと家でできるように援護する必要がある。
今は江戸時代とは違う。参勤交代に歯向かって斬首。なんて時代ではない。声を上げて、仲間を作って、立ち向かうことができる時代だもん。
そして日本のフリーランスは、少々真面目気質の「NOと言いづらい」性質もあるが、誠意を持って仕事に向き合う姿は、世界でも負けないと思ってる。日本には職人気質がある。感情と思考を少し見直すだけで、実は「社畜」なんて言葉ない、ってことに今回の台風をきっかけに気づいて欲しい。
自分の頭の中を紙に書き出す整理習慣が「自分の幸せ」を引き出す手法の1つとして広めたいです。わたしがそれで幸せになったので、メソッドを作りたいと計画中です。