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Rock Novel「シンデレラ物語」Amazing Grace


1977年 8月16日

「ママ〜のお誕生日🎂に何してあげようかな?」

「ね、リズ姉ちゃんどう思う?」

「エルビスがお母さんの為にレコード作りに
行ったじゃない、メンフィスのサンレコードに!」

「あ、それね!いいね👍」

「ママは『アメージンググレイス』が好きなのよ
エルビスも歌ってたしね!」

「じゃ、デモテープ作ろうかな!隣街の
ニュージャージーにスタジオあるから。」

「でもさ、幾らかかるのかしらね、トムトムの
お小遣い足りるの?」

「リズ姉ちゃん僕行って、交渉してくるよ、スタジオのオーナーさんと。」

「1人で大丈夫?」

「うん、まだ16歳だけど男だもん〜任せといてよ!」

リーンリーン☎️

「はい、パワーステーションです。」

「あの〜デモテープを録音したいんですけど、
予約出来ますか?」

「18歳以上でしたら、予約可能ですが、
お宅何歳?随分声が若いから?」

「あの〜まだ16歳なんですが、どうしても
お母さんの誕生日のプレゼントに録音したいんですけど、1曲だけ!」

「あ、そうなんだ、僕も実はまだ15歳なんだよ!
君名前は?」

「トム、トム キーファーです。」

「僕はジョン、ジョン ボンジョビ
親戚の人がここのオーナーでね、
じゃ、何とか僕が交渉してあげるから
明日スタジオ来れる?」

「はい、ギター🎸持って行きます。」

「君ギターやるんだね、僕も練習中なんだ、
エルビスみたいになりたいから!」

「あ、僕もいつかバンドでデビューするのが
夢なんです。」

「トム僕たち気が合いそうだね。」

「ありがとう〜ジョン君」

「じゃ、トム明日待ってるよ。」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(翌日 スタジオで)

「や、トム ニュース見た?びっくりしね〜❗️」

「❓何の事ですか。」

「え、まだ知らないの?」

「うん、今日はずーっとギター地下室で練習してて、ポンコツ車🚗運転してやっと来たんだよ、
ラジオも壊れてる車だから、ニュース聞いて
ないよ。」

「大統領でも暗殺されたの?」

「それより皆んな悲しい事さ!
キングが死んだんだよ。」

「え、キング牧師ってもう死んだよね。」

「そのキングじゃなくて!ロックンロールの
キング!Elvis !」

「えー、そんなぁ〜『アメージンググレイス』
を今日録音するつもりで来たのに。
マジで〜 僕も悲しい😭」

「ああ、」

「キングの冥福を祈って歌えよ!
聴いててやるからさ、トム」

「うん、こんな気持ちで歌えるかな?」

「じゃ、俺のダチのキーボード担当
デイビット 貸してやるから、
あいつバックコーラスもピアノもピカイチでさ、
ジュリアーノ音大パスしてるんだぜ。」

「ええ、凄い友達いるんだね、ジョン君って。」

「まあね、将来有名になる為には周りに
いい人材集めておかないとな!自分の周りの6人の
平均がさ、己らしいよ。怖いよな。アホな奴らと
付き合ってたら、自分もアホって事だ。」

「まだ15歳なのに、ジョン君はよく将来の事
考えてるんだね。」

「エルビスだって、お母さんの為に
ひょこっと録音しにスタジオに寄って
スカウトされたんだもんなぁトムだって
どこで認められるかわかんないじゃん、
本気で歌えよ!」

「ありがとうございます😊頑張るよ💪」

「じゃ、スタジオ入れ!」

「アメージング グレース〜♫」

「デイビッド、急に呼びつけて悪いな!」

「ああ、ジョン構わないよ。エルビスも死んでしまって、一人でピアノで🎹弔ってたとこさ。」

「あれ、このぼーや誰?」

「なんか、スタジオの入り口でモジモジ
してたんで、連れて来たんだよ。」

「君幾つ?名前は?」

「あ、僕 Aaron です。14歳
母さんの為にレコード録音したいんですけど。」

「え、君も!今日はお母さんの為に録音
したい子の日だね〜。」

「どんな曲?」

「アメージング グレイス」

「君も!」

「じゃ、ちょっと歌って見せてよ。」

「アメージング グレース♫」

「すっげ〜」

「Aaron お母さん喜ぶなぁ、君上手いし、
ハンサムボーイだしさ!」

「ママはもう天国で、でも僕もうすぐ
会えるんです〜だから今日は嬉しくって❣️
ここに寄り道しちゃった〜」

「ジョン、トム、デイビット
さようなら〜 お兄さん達、
あなた達3人も僕に負けず劣らず
後10年で超有名になれるよ、
きっと将来!僕が保証します❗️」

「変な子だね、Aaron って!」

「バイバイ〜 Aaronもう寄り道せずに
真っ直ぐお父さんのとこに行けよ〜」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

エルビスが死んだ翌日

「デイビット 〜 この新聞見てみろよ〜
この子供の時のElvisの写真〜も載ってるから。」

「な、この写真の子見覚えないか?」

「ジョン、昨日スタジオに来た歌が上手いAaronって子にそっくりじゃないか?」

「Elvis Aaron Plesley」(14歳) 上掲載 写真

「え!エルビスのミドルネイム!Aaron」

ピンポーン!ピンポーン!(インターホン)

「どなた?」

「ジョン、トムです。ドア開けて🚪!」

「ああ!」

「トム、どうした?急に」

「この昨日の『アメージング グレイス』デモテープ聴いて見てよ。」

「あれ、トムのバックコーラス、
デイビット と他にもう一人聴こえるな?」

「誰これ? この声は!まさしく!」

(3人顔を見合わせて!)

「OMG! That’sThe King!」


The End

1977年 8月17日
Elvis没、翌日の出来事

ジョン ボンジョビ 15歳
トム キーファー      16歳

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