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こうすると、子供の掃除が上手くなります。(1457字)

  宿題は毎朝班長が集めます。私はその宿題の丸つけを、(基本的には)給食中の隙間時間に行っていますが、いつもその時間に間に合うとは限りません。次の丸つけチャンスは、掃除の時間。例にもれず、先日、掃除の時間に子供たちの掃除の様子を横目に丸つけをしていました。教室の掃除は私の予想よりも早く終わり、「早いだけで雑になってないかなぁ」と教室を見渡してみても、合格点を挙げられるぐらい教室はきれいに掃除されていました。どうやら、子供たちは掃除の仕方が上達しているようです。今回は、そこで生まれた、「なぜ、子供たちは掃除が上手くなっているのだろうか」という疑問に仮説を立てながら、解明していきます。

掃除が上達している2つの理由


 まず、1つ目に考えられるのが、「自分たちで工夫しているから」です。実は、2学期は掃除の仕方を変えました。1学期は、「一人一役」掃除の役割がそれぞれ与えられていましたが、(ほうきはA君とBさん、モップはC君、ゴミ捨てはD君、机運びはEさんとFさん…といったように)2学期からは、「教室ほうき」という役割だけが与えられました。誰がほうきで、誰がモップで、誰がゴミ捨てをして、誰がちりとりをするかなどの細かい役割分担は、決められていません。2学期から新しい方法を採用することで、同じ掃除メンバー内で話し合う必然性が生まれました。子供たちは「僕、ゴミ捨て行ってくる。」、「昨日ちりとりしたから今日は誰かしてくれる?」と自然と声を掛け合い、互いの役割を補い合いながら掃除をすすめる姿が目立ちます。一番驚いたのは、「僕(私)ほうき終わったから、机手伝うよ」と、自分のすることが終わったら自分に割り当てられた役割以外のことまで手伝う子が多く見られるようになったことです。どうやら、今、子供たちは「自分たちで工夫する力」が伸びているので、「自分たちで工夫する余白を残す」ことでより力が発揮されるようです。
 
 2つ目は、「声かけの質の変化」です。「自分たちで工夫する余白」があったとしても、互いにコミュニケーションをとらなければ、効率的に物事はすすみません。以前までは、友達同士でコミュニケーションをとるときに、相手にきつい言い方をしたり、自分勝手な理屈を押し付けたりする子が多く見られましたが、近頃は、声のかけ方に気を使う子や譲れる子が増えたなというのが印象です。
 先日、大盛り上がりで終えた体育の「ダブルベースボール」で、「この学習を通して、チームワークの大切さが分かった」と振り返る子供がいました。このように、この「ダブルベースボール」を通して、「チームワーク」や「声かけの質」の大切さに気付いたという振り返った子が少なくありませんでした。
 
「ダブルベースボース」での経験が、課題を発見、解決するには話し合いが必要で、チームで協力して一つの目標を達成するためには「前向きな声かけ」が不可欠だと改めて考えたり、気が付いたりするきっかけになったのかもしれません。

まとめると…

「工夫する余白」が生まれたことでコミュニケーションをとる必然性が生まれ、そこに上達していっている声かけや譲り合いなどのコミュニケーションの取り方が手伝って、手際のよい教室掃除につながっているのではないかというところが、現在、私が辿り着いた結論です。
今回は子供たちの掃除の上達具合を見て、私なりの仮説を検証してみました。まだまだ発展途中で課題が多く見られる彼等ですが、確実に一歩一歩成長している姿が見られましたので、共有させていただきました。

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