知的な手/つくることは考えること

「ないものはつくる」がモットー。徳島県神山町を拠点に主に斧とナイフを使ったグリーンウッ…

知的な手/つくることは考えること

「ないものはつくる」がモットー。徳島県神山町を拠点に主に斧とナイフを使ったグリーンウッドワークを教えたり、移住したら町に公立図書館がなかったので仲間と公共性の高い私設図書室を作って運営しています。自分が生きていることを生きているうちにお祝いできたら成功です。

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  • 神山メイカースペース

    • 19本

    2016年 春、徳島県、神山町にデジタル工作工房『Kamiyamaメイカースペース(KMS)』が開設されました。 木工、電子工作・プログラミング、縫製・手芸など様々なものづくりを併せて取り組んでいきながら、神山と徳島、ひいては四国全体でワークショップや出前授業を開催し、機材も随時一般開放していきます。 運営メンバーが培ってきた国内外のネットワークと、四国にある学校・民間企業・行政機関とのネットワークを存分に活かして、その全体をつなぐ役割を果たし、四国における「ものづくりの未来」を教育、研究開発、シェアを3本柱に拓いていきたいと思います。

最近の記事

植物譚 : 記憶の中の植物〜枇杷〜

2011年に移り住んだ町にはたくさんの枇杷の木があった。川沿いにも、家屋敷のまわりにも、畑にも、山の中にも生えていた。温暖な気候ゆえ発芽できればどこででもよく育つのだろう。来た年は豊作だったらしくどこの家にも枇杷の実があり、訪問すると「食べなよ」と言ってもらったことが懐かしい。 そんな数ある枇杷の木の中に強く印象に残る大木があった。木は私の通勤路にあって、晴れの日も雨の日も、私が冴えてる日もやる気のない日もじっと立って自分の営みを続けていた。葉っぱの濃い深緑を背景に、つぶつ

    • 植物譚 : 記憶の中の植物〜桑〜

      当地に移住して13年経った。その間に少なからぬ人を見送った。人間ではお年寄りが多い。そして印象に強く残る木々もまた消えていった。木なんて私よりよほど長く生きるのに、人間の植えたものはまた人間の都合で伐られるのだ。仕方がないこととはいえ、目を向けるたびにそこにあったものがない喪失がさみしさとなって去来する。 移住先の町でよく使っていたATMのすぐ近く、プレハブ倉庫と道路に挟まれたスペースに大きな桑の木が生えていた。養蚕をしなくなった今、里における桑にはこれといって用途がなく、

      • 自宅で工芸を楽しむために〜シナアブラギリ編〜

        シナアブラギリとはトウダイグサ科アブラギリ属 シナアブラギリ(別名 オオアブラギリ) 中国名:油桐 you tong 英 名:tungoil tree, Chinese wood-oil-tree 学 名:Vernicia fordii (Hemsl.) Airy Shaw. Aleurites fordii Hemsl. よく似た種にアブラギリ Vernicia cordata があり、こちらの方がシナアブラギリよりも国内に多く分布している。2種の見分け方として果実の先

        • グリーンウッドワークと自己紹介

          コアメンバーの市脇和江です。 linktree → https://linktr.ee/chitekinate 岐阜県中津川市の出身で、恵那山と高峰山と南木曽岳を見て育ちました。2011年の7月に東京から神山町へ来て、今は拾ったりもらったりした2匹の猫と仲良く暮らしています。 私が皆さんにお教えしたり一緒にやれるのはグリーンウッドワーク。まだ聞き慣れない言葉かもしれませんが、green wood=生木と、wood work=木工 を組み合わせた造語で、伐採したばかりの

        植物譚 : 記憶の中の植物〜枇杷〜

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