引きこもりの人の「お天道様」になるということ。

Twitterで、カウンセラーの方が、以下のようなツイートをしていました。

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5年ほど前までは、不登校の生徒と話すときに、話題になっているアニメやゲームが「心の窓」のような働きをしていたけれど、最近はきっかけをつかみづらい。

「動画を見てます」という生徒が多く、その内容を聞いても「とくに内容というほどのものはない」みたいな感じ。私がついてけてないからか。

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それに対して、私は以下のようなレスを返しました。
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「自分の世界」が壊されるのが嫌なのではないでしょうか。

私は以前はアニメおたくで、流行っている作品にやたらと詳しかったのですが、深夜アニメが中心となってからはほとんど全く観ていません。でも、昔もクライエントさんが少し変化し始めると、アニメやアイドルの話をこちらから振ると、本当に嫌がることが多かったです。

不躾なことを申し上げるかもしれませんが、アニメやゲームの話題を話してくれなくなる引きこもり系クライエントLさんが増えてきたということは、むしろご自身の身体から発するオーラがいい方向に進化してきていて、それ以外の対応を非言語的に求めているカウンセラーさんと波長があってきたということかと思います。

私は、留年を重ねるおたく系のクライエントさんと、一度はその種の話が通じることに喜ばれても、レポートを手伝ってなんとか卒業させ、久しぶりに連絡を取ったらバイトを始めていて、音信不通になり、またしばらくぶりに連絡をとってみたら派遣社員になっていて、またしばらくぶりに連絡をとってみたら、オタク系の活動はしていても、声優コンサートに行く仲間を作り、「もう面接はいいです」とはっきり言われてしまって悲しくなった(爆)みたいな展開の事例を、2例持ってます。音信不通になるクライエントさんは、たいてい人生が好転しています。

お天道様になっていつも見下ろしてるみたいな関係づくりも時にはできるということかと。中井久夫先生も、「治療の終結を一抹の寂しさと感じるのがいい経過」と書いておられますし。

要するに、治療者が、クライエントさんに「見捨てられる」無意識的不安をどう克服するかだと思います。カウンセラーは、カウンセリングとそのための研修や読書に明け暮れることなく、自分の趣味の世界や非専門家との親しい交流の喜びを日々感じている状態に行きつける必要があるかと。もうやっておられるかもしれませんが。

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