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ライブ新兵器か一発芸か?「振るパソコン」StickJamとは何者だ!?

ライブも近づく八十八夜…いやいやもうそんな日にちないってばよ!!

茅原実里、毎年恒例の河口湖ライブ「SUMMER CHAMPION 2021」。
今回なんと最終回!!8月7日(土)と8日(日)の2日間開催。
chitoseArkは8日(日)行くので、同日行かれる方はよろしくです。

さぁさぁそこで。
ライブと言えばグッズですよ!!

(一応はじめに言っとくと、サマチャン会場内でこれ用いるつもりはございません。レギュレーションとかいろいろありそうですので…)

名称未設定 1

じゃじゃんっ!!何だこれ?
では振ってみます!!

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<動画はこちら>

実里!!
実里!!

…いやもうね。
文字作った私が感動で涙ぐんでるわ…😢

PCN上田(十勇士パソコンクラブ)の斎藤史郎代表が開発された、人呼んで「振るパソコン」
それがこの「StickJam」なのです!!


StickJamとは

その実態は、なんとIchigoJam(パソコン)を搭載したLEDバーでございます。

IchigoJamってなぁに?という方はこちらへ。
これでもちゃんとパソコンなのですヨ。

さてさてそのStickJam。
外見はこん~なカンジ。

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点灯すると。

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振らないと点灯しないので、手振れしてるのはごカンベンを。

で、これを振るとどうなるのかっていうと…。

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こんな風に!!
文字が空中に出現するという驚きのデバイス!!

前述した通り、開発はときどき私のnote記事にご助言やプログラム改造などしてくださる長野県上田市、十勇士パソコンクラブの斎藤先生です。
(だから初期状態で入っている文字が上田なのね)

その実態は単三乾電池3本で動くれっきとしたIchigoJam互換機。

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IchigoJamの創始者、株式会社jig.jpの福野泰介会長もブログでとりあげておられます。

「振るパソコン」!!
まさにこのデバイスに相応しい命名ではありませんか。


バーサライタとは

少しだけテクニカルなお話をしますね。
ほら一応ここ技術系noteなので(ホントにっ!?)。

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バーサライタというのは光の残像効果を利用して画像や映像を表示する技術のこと。もともと「残像」を意味するPOV(Persistence of vision)という言い表しかたがあって、日本ではそれがバーサライタ(Versa-writer)と呼ばれているようです。
たとえばこの「StickJam」では一列8ドットのLEDバーに光の配列をプログラミングし、振るとセンサーが働いて配列に沿った表示を高速で行ない、残像効果を実現しています。

ところで、ここまで読んでLED広告機器の業界でメシを食っている人間なら「あぁあれか」と思うに違いありません。そうです。あれです。

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写真はコンテンツ東京2021会場、株式会社Life is Styleブースにて。この会社は「3D Phantom」という製品を出しており、おそらくこの世界でもっとも有名な会社のひとつです。似たような製品は他社でもたくさんありますが、その象徴的存在として「ファントム型」と呼ばれていたりします。

LED広告機器の展示会ではもはやおなじみのビジョンですが、その正体はLEDバーが高速回転する扇風機のような機器。それによって空中に映像が浮かんでいるように見えるってワケ。たくさん配列されることで写真のような大画面での映像表現も可能となります。

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広告機器としての難点は、輝度が通常のLED表示装置にはちょっと及ばないということ(Maxで1,800cd/m2くらい?ちなみに通常のLEDビジョンがだいたい5,000~cd/m2くらい)。まぁ機器の性質上仕方ないと言えます。それともうひとつ。それは「人が触れる可能性があるところに裸で設置できない」ということ。だって扇風機ですから。なので絶対に人が触れない高所に設置するか、上の写真みたいにケーシングする必要があるのです。でもケースに入れちゃうと、この製品の売りである「空中浮遊感」が損なわれてしまうのですよ…。これらが展示会場を賑わしているにも関わらず現場になかなか降りてこないのは、そのあたりに原因があるのかも。面白い表示デバイスではあるのですけれども。

あぁっすみませんっ!ついつい熱く語っちゃいました。
字ばっかしでタイクツですよね?


文字を自由に入れてみる!

前述したようにStickJamはパソコンなので、自由に文字が入れられます。

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とはいえピクセル数の制約があります。それは、

16×8ピクセル(1文字8×8で描いて2文字分)

…こう言っても普通なかなかイメージできないでしょうから、マス目で実際に描いてみますね。

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どうですか?
自由とは言え、なかなかにしんどいものがありますでしょ?

ちなみに平均的なLEDの電光表示機が1文字あたり12~32ドットなので、8ドットは私のような本職ですらなかなか作業したことがありません。

でも昔のMSXのゲームとかは8ドットの文字でビジュアルシーン作ってたんだよな…。これとか。

まぁしかしそれがハードの制約ならしゃあない。
8ドット×2文字で描ける文字を探すのみよ。

まず部屋の中を見渡す…なんかないかな、なんかないかな。
キョロキョロキョロちゃん♪

あったー!!

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なんという偶然!!(わざとらしい)
しかもこの「実里」って文字がいい!!

「実」と「里」のどちらも中心を軸とした左右対称の構成になっている文字なので、横幅7ピクセルでいける。つまりこの作業をするときに障壁となる「隣の文字とくっつく問題」が発生しない。

これはもう、これのために命名された名前といって良いくらいです!
ありがとうみのりん💛
そしてこの名を付けてくれた茅原家の両親にも感謝します!!


まずは文字デザイン

ところでこの類の極小ピクセル文字デザインをおこすとき、我々がよく使う有名なフリーフォントが存在します。その名は美咲フォント。

一部ではかなり有名なので聞いたことある方も多いかと。まぁぶっちゃけ、こういう目的でもないと使いませんけどね。
文字を8ポイントの無諧調で設定し、このフォントを使うとちゃんと8ドットフォントとして出力してくれます。
しかもこれ優れモノなのは、ピッタリ隣に配列しても上下左右に文字がくっつかないということ(つまり実質上7ドットフォントだと言えます)。これはこの類の仕事をする者にとって嬉しい限り。

ということで、さっそくやってみました。

み

…なんか違う。

ごめんね美咲ちゃん、さっきあんだけほめたのに申し訳ないんだけど。

この文字デザインからは愛が感じられないっ!!

私、これでも本職のドット屋なんで。
なんかこの「とりあえずツジツマ合わせました」みたいな仕事を人様の目にさらすのは嫌なんよ。

ということで(二度目)、自分で描いてみました。

みのり

StickJamは横型表示なので、あえて縦に8ドット使わせていただきました。
まぁそこは確かに縦7ドットしか使えない美咲ちゃんの難点ではあるやね。

それに加え、文字が遠目から見ても自然であるようにデザイン。
うん、これが魂のこもった仕事だ!(一銭にもなりませんけどね)

やっぱ文字に恵まれたよねぇこれ。鬱とか薔薇とか醤油って名前だったら、私スプーン投げてStickJamを返品してましたよきっと。

文字デザインは決まった!あとはプログラミングだ!!


文字と色をプログラミング

いちおうこのStickJamには初期状態ソースコードの解説らしきものが付いてきました(下図は一部抜粋)。

まにゅある

なお全文掲載はしませんが、このサイトにプログラムのソースコードが記されています。ありがたいねぇ。

これが「上田」と書いている部分みたいね。
ちょいと失礼…。

30 [80]=`01000000
40 [81]=`01000000
50 [82]=`01000000
60 [83]=`01111111
70 [84]=`01001000
80 [85]=`01001000
90 [86]=`01000000
100 [87]=`00000000
110 [88]=`01111111
120 [89]=`01001001
130 [90]=`01001001
140 [91]=`01111111
150 [92]=`01001001
160 [93]=`01001001
170 [94]=`01111111
180 [95]=`00000000

つまりこれを書きかえれば「実里」になるわけですな。
でもどうやって?

分からない方は、まずこれがどうして「上田」なのかを考えてみましょう。
ヒントは、これを左回転させて見ること。
そして「0」と「1」の配列に着目すること。

この手のプログラムってのは、だいたい「0」=消灯、「1」=点灯、であることが多いのです。
すなわち、「0」=黒、「1」=白、って見れば良いのですよ。
そういう目で見ると、ほら、なんか文字が見えてきたでしょう?

分かったら、これを「実里」に改造するっ!!

30 [80]=`10100110
40 [81]=`10101010
50 [82]=`01111010
60 [83]=`00111111
70 [84]=`01111010
80 [85]=`10101010
90 [86]=`10100110
100 [87]=`00000000
110 [88]=`10000000
120 [89]=`10011111
130 [90]=`10110101
140 [91]=`11111111
150 [92]=`10110101
160 [93]=`10011111
170 [94]=`10000000
180 [95]=`00000000

分かりやすく画像化してみましたよ。

ワード上田

どうですか?プログラム改造するって意外とカンタンでしょ?
こうして人の作ったプログラムを「自分ならこうする」っていじくり倒すのが上達の早道だったりします(私もまだまだド素人ですよっ)。

さて、あとはこれに色を付けないとね。
初期設定の「上田」はキレイな緑色とシアン(水色)で着色されてました。

画像16

先ほどのサイトによれば、

250~270行(1文字目)、350~370行(2文字目)の値を変えると、それぞれの文字の表示色(GRBの順)が変えられます。1文字目と2文字目で色を変えた方が、文字が見やすいようです。

ということだそうで、それじゃまぁやってみますか。

250 POKE P,70*(D>0)
260 POKE P+2,0*(D>0)
270 POKE P+4,0*(D>0)
'(中略)
350 POKE P,0*(D>0)
360 POKE P+2,0*(D>0)
370 POKE P+4,70*(D>0)

うー、私POKE文は何やってるか分かんないから苦手なんだよなぁ…。
とはいえ、これもよくよく見たらすぐに分かりました。

まず、なんで「上」が緑色なのかって考えればいいんですよ。

このプログラムはGRB(緑・赤・青)の順で記述されているとあるので、色指定の最初の行にあたる250行目に着目すると、他の行で0の部分が「70」になっているのが分かります。たぶんこれが明るさの定義なのでしょう。この場合だとG=70、R=0、B=0だから緑だけが点灯するってワケです。

次の行にしても同じことで、色指定の最後の行にあたる370行目が「70」になっているので、G=0、R=0、B=70。よって青だけが点灯するということ。

じゃあ「実里」はどうするか。
私の偏見だけど、みのりんのイメージはきっとこんなだ!!

250 POKE P,0*(D>0)
260 POKE P+2,70*(D>0)
270 POKE P+4,70*(D>0)
'(中略)
350 POKE P,70*(D>0)
360 POKE P+2,0*(D>0)
370 POKE P+4,70*(D>0)

あえての混色!LED素子2個同時点灯ってやつです。
LED屋のセンス見せてやるよ!!
それっ!!


みのりブレード、ついに完成!!

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涙…。

脳内に響き渡る「Lush march!!」。

夢にまで見た河口湖ステラシアターがいまここに。

私がライブに参戦するにあたって練習のため参考にしてる動画。貼っていいのか分からないけど、これは見せないと伝わらないでしょう。興味ある方は1:10くらい(「ラッシュマーチ 見てよ~」っていうくらいのあたり)から見てもらうと、振ってるイメージがこれに合うの分かってもらえるのかなと思います。

ただしライブ会場でこれを振ったところでアーティストから文字読めるわけがないし、そもそも自作のライブ棒を持ち込むこと自体がどうなのよという問題もあるから、これは基本的に自宅で私がひとりで遊びます!あぁ、あともしみのりんファンの集いみたいなのが開かれることがあれば、そのときにちょこっと披露させてもらおうかな~なんて思います!!

ということで、もう一度宣伝させてください!!

茅原実里、毎年恒例の河口湖ライブ「SUMMER CHAMPION 2021」。
8月7日(土)と8日(日)の2日間開催。
歌手活動を年内で休止すると宣言した茅原実里さんが河口湖ステラシアターで開催する最後のライブになるそうです(だからFinalって書いてある)。

興味ある方、チケットはこちら(イープラス)にて。
Streaming+(配信)もありますよん。

茅原実里さんの楽曲はこちらなど。


StickJamについてもう少し

いやー楽しかった楽しかった!!素敵な夢をありがとうStickJam!!そして斎藤史郎先生!!

画像20

本文では紹介しなかったけど、これにはさらに奥深い機能があって、こんな風にプログラムいじらなくてもカンタンなキーボード操作で文字を入れられたりします(やってみましたが英数字しか無理っぽいので、今回の目的にはちょっと向かなかったかなーと)。

あとこれ何といっても素晴らしいのは、これ自体がIchigoJamなので普通にIchigoのプログラム作って持ってって、電源ないところでも立ち上げて人に見せたりできるあたり。別途キーボードとモニタは要るけど、ちょっとしたモバイルPCみたいなもんですよこれ!

ちなみにこれ2019年コミケで3,000円で販売し、まだ在庫があるとのこと。
現在は一般販売はしていないようですが、もし興味ある、もしくはほしい!という方おられましたら、とりあえず私、chitoseArkに連絡お願いします。
(下のサイトより私にメールが送れます)

ちなみに作者である斎藤史郎先生はいまこんなのを開発しておられます。

今度はハートですかいな…。
技術への愛が止まらないのはさすがです💛

でもこれIchigoDakeだから、遊ぶのにIchigoIgaiかIchigoDyhookが要りますよね…。うーん、まぁちょっとこれは興味が沸けば、かな。

まぁでも私のあぁいう趣味とこうしたエレクトロニクス技術がガッチャンコするのは素敵なことですよね!
先日作った自作電子工作ライブ棒「Ichigoブレード」もそうですけど。

まぁ、これからも趣味活動それなりにがんばりつつ、こうした技術の応用をなんかしら活かしてnoteネタにしていきたいと思います!!

それでは8月8日(日)河口湖で僕と握手!!

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