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こどもプロコン2019-2020で印象に残った作品レビュー

前回記事に引き続き、今回もPCNこどもプロコンのことを書きます。
当日は東京も雪、しかもコロナによる自粛要請の中、家族みんなで食い入るようにライブ配信の画面を見つめておりました。
いろいろな作品がありましたが、特に私が着目した作品群はいずれも

「世の中にある問題を解決したい」
「誰かの役に立ちたい」
「不便なことをITで解決したい」

といったハートに満ち溢れており、小中学生がこのような志をもって育っていることは、我が国の希望であると感じた次第です。

審査結果は下記リンクを参照ください。
https://pcn.club/contest/2020/result_2020.pdf

本記事では私や家族がもっとも感動したものを4つ、ご紹介いたします。

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視覚障がい者の方のための点字をひらがな(など?)から変換して出力するアプリケーション。プリントアウトして穴をあけると読める点字が出来るというものです。作者の越智さんはこれを完成させるために何万字と文字を打ち、視覚障碍者センターや点字図書館にも相談したとのこと。ソフトウェア部門 / 小学生の部最優秀賞、アイオーデータ機器賞を受賞。


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ウォーキングが趣味のおじいちゃんのために、雨の日でも家の中でウォーキングできるようにと作った家族愛あふれる作品。手振りと足踏みをセンサー感知し、10歩ごとに景色が変わる。52枚に渡る琵琶湖の写真が用意されており、520歩で琵琶湖一周が達成できるというわけ。家族の声が入ったコンテンツが収録されています。NSD賞受賞。


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「田んぼの水位調整のために毎年多くの人が命を落としてしまっている、このままではいけないと思い」作ったという作品。田んぼの水位が上がるとセンサーで検知してポンプで田んぼの水を排出し、LINEでメッセージを送るというもの。その問題意識と解決能力にはただただ脱帽。大人顔負けとはまさにこのことです。ネーミングのセンスも良い!aitendo賞受賞。


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実際に家の祖母が振り込め詐欺にあったことで、このような問題を解決したいとの思いで制作。ATM前に設置されたカメラで操作者の表情を認識し、難し気な表情を検知して警告メッセージを出し、係員を呼び出す。「便利で安全な社会を作れるように技術を学んでいきたい」とは作者である芝本さんの弁。その意識の高さの何と尊いことよ。ロボット・電子工作部門 / 中学生の部最優秀賞、さくらインターネット賞受賞。


皆様いかがご覧になりましたか。

私は自身が恥ずかしくなりましたよ。
いい年こいて普段仕事しつつ日々不平不満にまみれ社会に埋没しつつ日々を送る自身に比べ、この少年少女たちの存在がどれほどまでに気高く神々しく映ったことか。その無垢なる「人の役に立ちたい」という想いと具現化された技術の前には、ただひたすら頭が下がるのみです。

長くなりますが、今回のゲスト審査員である元「マイコンBASICマガジン」編集長、現「電子工作マガジン」編集長である電波新聞の大橋さんの言で最も共感しました部分を以下に引用します。

「いまIoT人材がいないなんて言ってるんですけれども、もう、もうね、大人になっちゃった人はもうどうしようもないんで、こういう子供たちに大いに頑張ってもらって、また電子技術立国日本をできるんじゃないかって、すごく感じました」

本当にそうです。私たち大人はどうしようもない。
そら個々に見たらいい大人だっていますよ。
でも我々が集合体として作ったこの社会はどうですか。
この子たちの前で、社会を支えていますとどの面下げて言えるものですか。

企業でモノづくりをさせていただいている者として、せめてこの子らに恥ずかしくない生き様を心掛けねば、心身を糺さねばと感じ入った次第です。

表彰式の様子全編のYouTubeを以下リンクにて。
長いですが、見たら必ず何かを感ずるドキュメントだと断言します。

https://youtu.be/uwi4cdWRcmo

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