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この年でライターを名乗るとは夢にも思わなかった(9)

今日は、私がこんな年齢で「書く」を仕事にするきっかけとなった無償の活動について記そう。

■無償(時々有償)ボランティアライター履歴とブログ歴

これまでお話ししてきた通り、なにを勘違いしたのか40代最後の年にライターデビューを果たしたわけだが、全く書く仕事と縁がなかったわけではない。

実は、ほぼ無償のボランティアライターとしての経歴はのべ10年。簡単にその内訳を箇条書きにすると以下のような仕事をしているので、ちょっとした宣伝の意味でも記しておきたい。

○地域子育て情報誌の執筆・編集およびデザイン
○PTA広報誌の『子供ひなん所マップ』(飛び込み営業で写真取材・執筆)
○PTA主催外国語講座テキストの執筆・編集責任者(監修あり)
○地元イベントボランティアライター・編集

また、転勤先の情報を発信するためのHPをHTMLタグ手打ちで作り、当時は「Web日記(私が利用していたのは『エンピツ』)」と呼ばれていたブログの前身で日々の現地情報を発信してそれなりにアクセス数を伸ばしていた時期もある。

その後は楽天ブログ、FC2ブログ、アメブロ、Bloggerといった無料ブログサービスを渡り歩き、SNSのTumblrをしばらくやった後に同じくSNSのnoteに落ち着いたという経緯がある。ライター仲間も数多くnoteで記事を書いているので、おそらくこのサービスが劣化しない限りは続けていけるだろうと思っている。

■利益といえば当然「お金」!でもお金とは別の大きな利益も大事

今、改めてこうやって文章にしてみると、無報酬とはいえ結構ちゃんと「書く」仕事に携わってきたと思う。そしてこれらの些細な無償の仕事の積み重ねこそが、確実に今の私の仕事に繋がっていることに気づかされた。

そう考えると、お金という形での利益にならないことでも、この業界では肥やしになるのだと確信するに至っている。だから私はどんなに報酬が低い仕事でも、一度受けた以上は手を抜かず丁寧に行う姿勢は崩さないつもりだ。報酬によって質を落とすという考えは私がやってきた無償の仕事の全てを否定することになるからだ。

お金は一番わかりやすい形の利益だ。私自身も今は自分を必要以上に安売りするつもりはなく、以前は受注していた価格破壊系の仕事もことごとくお断りしている。けれども仕事の中には「手弁当の無償労働」でもお金以上の利益が得られるものもある。

今の仕事に繋がった無償のライター・編集経験もそのひとつ。なんの経験もなければおそらくパートなど別の仕事を選択していただろう。こんな年になってライターを始めるほど私の人生に大きな影響を及ぼした過去の無償労働の数々は、決して無駄ではなかった。世の中にはそんな「お金以上の利益」もあるのだと今実感している。

また、地元では無償労働で繋がった人間関係が仕事につながる可能性も大きい。それもまた、お金には代えられない価値ある利益だと思う。

■50代の私は若い人とは違ったスタンスでやっていく

己の能力だけで稼ぐということはとても困難な道だ。我ながら(たとえパート感覚とはいえ)よくぞこんな厳しい道に足を踏み入れたものだと思う。けれども夫の収入もあるという気楽な立場ゆえにマイペースでのんびりとやっているせいか、仕事そのものの大変さはあっても仕事が嫌だと思ったことがない。

むしろ結婚して以来主婦としてその技術を磨きに磨いてきた家事の方がよっぽど苦痛だったりする。もともと料理を除く家事はそれほど好きではないが、専業主婦なら家事ぐらいちゃんとやらなければという義務感からやってきただけだからだ。

それにしても、アラフィフのスタートはあまりにも遅すぎる。あと10年早くスタートしていればもっと違ったかもしれないと後悔することもしばしばだ。また、健康寿命までの年数が限られている現時点での挑戦が、どれほど無謀であるかがわからないほど馬鹿ではない。

そんなわけで、今からライターとして名を挙げようなんて全く思っていない。老人になっても細々とできればそれで十分だ。だからこれ以上の無理をするつもりは毛頭ない。やりたくない仕事も極力やらない。

これまでの人生では散々やりたくない事ばかりやってきたのだ。同年代ならみんなそうだと思うが、私も義務ばかりの人生でやりたい事などほとんどできなかった。それにこれからもあまりやりたくない介護や孫の世話などが控えている。できればそれ以外のストレス要因は増やしたくない。だから道楽と言われようが私は私の道を行く。

それでご縁があれば仕事の幅を広げるもよし、現状維持で細々と続けるのも良し。流れに逆らわず、流れの中で急ぐこともせず、「おっ?」と思うような流れがあればそれに乗って気が済むまでやってみればいい。そして嫌ならやめる。というスタンスで、自然体でやっていきたい。


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