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砂像(詩)


わたしは鳥になれたはずの砂像よ、と
陰鬱なアスファルトに縫いつけられて空を睨む

わたしは花になれたはずの砂像よ、と
強すぎる力で柔らかな花びらを握りしめる

わたしは海になれたはずの砂像よ、と
雄大な青の縁に立ち ちいさな一雫を落とす

いまのわたしは誰かしら
いまのわたしは何かしら

この砂像は
たやすく風に削られて
一刻一刻、形が変わってしまう

この砂像は
度々雨に降られて
ただの砂に還ってしまう

あなたが鳥になれる砂ならば
風をつかむ知恵を盗めばいい

あなたが花になれる砂ならば
柔らかくなることを恐れなくていい

あなたが海になれる砂ならば
多くと共にあることを受け入れるのがいい

あなたは砂像ではなく
砂である

わたしは砂像ではなく
砂である

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