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モノはもっと効率的に運ぶことができる。サプライチェーンとロジスティクスのスタートアップを紹介するイベントを開催しました。

みなさんこんにちは!Plug and Play JapanのChiyoです。Plug and Playでは、さまざまな業界におけるスタートアップを支援していますが、今回はSupply ChainとLogistics分野のスタートアップをご紹介するイベントを実施しました。
(Plug and Playが何をやっているのか?について詳しく知りたい方はこちらの記事をご参照ください。)


Plug and Play のSupply Chain & Logisticsプログラムについて

Plug and PlayではSupply Chain & Logisticsのスタートアップに特化したアクセラレータープログラムを世界6拠点(カリフォルニア、アーカンソー、トロント、ハンブルグ、上海、シンガポール)で展開しています。

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シリコンバレーではExxonMobilやUnilever、アーカンソーではWalmartやTyson、ハンブルグではRoyal Dutch ShellやDeutsche Bahnなど、各拠点でのパートナー企業のニーズに特化したスタートアップを紹介しています。2020年11月現在では合計50社の大企業が、スタートアップとの協業機会を求めてPlug and Playのプログラムに参加してくださっています。

サプライチェーンとロジスティクスのプログラムで紹介するテクノロジーは、Eコマース、ラストワンマイル、スマート倉庫(倉庫自動化)、製造ライン最適化、配送ルート最適化、フレイト可視化、貨物トラッキング、メンテナンス予測など多岐にわたります。

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流通・物流分野のスタートアップのトレンド

スタートアップへの投資はあらゆる分野で伸びていますが、サプライチェーンとロジスティクスの分野のスタートアップへの注目も集まっています。「ラテンアメリカのスーパーアプリ」として急成長したコロンビアのデリバリー系スタートアップRappiは、設立から4年で14億ドルを調達しユニコーン企業となりました。

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トレンドとしては、「可視化」がキーワードとして挙げられます。ラストワンマイルだけでなく、出荷から配達完了まで全ての行程において可視化する動きが見られます。貨物トラッキング、ルート最適化、輸送マネジメント、調達などの分野におけるソフトウェアの数は2018年以降急激に増えています。

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また、もう一つ別のトレンドとしてあげられるのは「サステナビリティ」です。リサイクリング、カーボンニュートラル(二酸化炭素排出量削減)、サーキュラーエコノミー(循環型経済)などのテクノロジーを持つスタートアップへ対してもニーズが高まっています。

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そして新型コロナウイルス感染拡大の影響でニーズが高まっているのが「倉庫のオートメーション」です。AGV/AMRsをはじめ、車両/船舶マネジメントやビッグデータ解析といったテクノロジーを使って倉庫内作業の効率化や入出庫管理の迅速化が求められています。

パートナー企業によるプレゼンテーション

イベントではまず、シリコンバレーにあるPlug and Play本社でのパートナー企業2社にご登壇いただきました。1社めは日本郵便株式会社執行役員 郵便・物流業務統括部長 三苫倫理様。PoCだけではなく、実際にスタートアップのテクノロジーを取り入れ現場での業務改善に役立てておられる実績をシェアいただきました。
2社めはヤマトホールディングス株式会社シニアR&D+D エグゼクティブ 足立 崇彰様。こちらは「KURONEKO Innovation Fund」というCVCでの取り組みをご紹介いただきました。

パネルディスカッションで両社ともに触れられていたのが「世の中の変化が早すぎる」という危機感、「自前主義を脱却しよう」という課題意識。「最先端のところに触れて、どう自社に活用できるか考えるところにチャレンジする」という姿勢の重要さを改めて強調しておられました。

物流の世界を変える6社のスタートアップ

今回登壇していただいたスタートアップは以下の6社です。

Project 44, Inc.

Project44は、マルチモーダル・トラッキングを可能にするサプライチェーン・ビジビリティ(可視化)システムを提供しているシカゴのスタートアップです。出荷から配達完了まですべての経路を一つのプラットフォームで可視化でき、迅速なトラッキングを可能にしています。 Walmart、Amazon Prime、ExxonMobileをはじめさまざまな業界に顧客を持ち、在庫の無駄やダウンタイムを削減しています。


Zhejiang LiBiao Robot Co.,Ltd.

Zhejiang LiBiao Robotは仕分け作業を行うAGVロボットを開発している杭州のスタートアップです。仕分け作業は未だに人の手で行われているところが多くありますが、ロボットによって人員を40%削減し、コンベアーなどにかかる運用エネルギーを50%削減することが可能になります。


SuitX 

外骨格パワードスーツを提供しているSuitX。UCバークレーでロボティクスを研究しているKazerooni教授がCEOを務めています。倉庫内作業時での負傷箇所は肩・腰・膝がトップ3を占めますが、SuitXはそれぞれの箇所に合わせたパワードスーツを展開しています。特に、腰にかかる負担を60%ほど軽減し、パレット積みやスーツケースの積み下ろし作業等の生産性向上に貢献しています。


LOZI Inc. 

スマートバーコードを提供しているLOZI。サプライチェーンでは調達からエンドカスタマーに届くまで複数の事業者が介在するため一元化した管理に課題がありましたが、それをスマホとQRコードだけで一気通貫で管理できるプラットフォームを提供しています。また、同様のテクノロジーを活用して食材のトレーサビリティ可視化システムも提供しています。


株式会社souco

倉庫と借主のマッチングプラットフォームを提供しているsouco。季節変動や新商品の投入、災害などによって倉庫スペースには常にニーズの波があり、スペースが足りないために外部倉庫を探さなくてはいけないというペインが発生しています。また、倉庫は基本的に長期契約なため、一時的なニーズに対応できていません。AirBnBのように倉庫主と借主をマッチングさせることで空いている倉庫のスペースを有効活用できるプラットフォームです。


株式会社トドケール

トドケールはオフィス内での郵便物・宅配物が迷子にならないよう管理できるアプリを開発しているスタートアップです。オフィス内での郵便物管理は未だに、「紙にサインする」「エクセルで管理する」といった方法をとっているところが多く、紛失や遅れの原因になっています(「まだ届いてない?」「あれどこやったっけ?」など、みなさんもご経験があるのではないでしょうか…)が、通知と受領に特化したアプリで管理することで、間違いのない受け渡しが可能になります。オフィスに出社する人が減っている今、ラストワンマイルを埋める手段として注目を集めています。


「モノを運ぶ」をイノベートする

新型コロナウイルス感染症の影響で、サプライチェーンの可視化や迅速化に対するこれまでにないニーズが到来しています。パネルディスカッションで出たご意見のひとつに、「物流会社の商品とは、突き詰めれば『オペレーションそのもの』」というコメントがありました。「モノを運ぶ」というオペレーションをどうアップデートし、変化するニーズに対応していくか。スタートアップと大企業が共に変革していくそのきっかけを、Plug and Playがお手伝いできるよう、今後もユニークなスタートアップを紹介してまいります。


Plug and Play Japanでは、「To make innovation open to anyone, anywhere. イノベーションを世界中、そして全ての人に」をミッションに、国内外のスタートアップと大企業をつなぎ、アントレプレナーを支援しています。今後も様々なイベントを開催してまいりますので、ぜひ弊社ウェブサイトよりフォローしてください

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