2024年1月21日 日よう日

 また日が空いた。でも今回はまいにちそこそこに活動していて、夜になるとねむたくて早々に眠ってしまって書けていなかっただけなので、そんなに落ち込んでいない。

 19日の金曜日は、深夜にのそのそ起きだして日記を書いてから、寝つけないので、シンクを片付けたり、洗濯物をたたんだりしているうちに、なんだか元気になってきて、ぬいものを進めることにした。ほんとうに元気な時は、何かをやり出すときに、考えるとほとんど同時にからだが動くので、楽だ。そうでない時は、何かをやろうと思う次の瞬間には、でも、さむいし、でも、ねむたいな、でも、やってみてそんなに楽しくなかったら寝てたほうがいいってことになる、でも、やってみたら楽しいかも、でも、でも、でも……と、考えて、ふとんのなかで、固まってしまう。それを振り払うのにひじょうな意志の力が要る。その要求が重たく感じて、ほんとうに一仕事だ。調子がいい時は、そんなことは考えない。やろう、と思うでもなく思い、もうからだがベッドから出ている。

 型紙の修正をする。パネルラインのスカートを切り開く修正は、工作のようで楽しい。切り抜いた後の紙に、いちど切り出した型紙をパズルのようにはめこんで、マスキングテープでくっつける。あたらしいラインを定規で引いて、また切り出す。それを4パーツ分繰り返す。この程度の作業は、簡単で、でも目に見えてやったことが積み上がるので、ほんとうに心が安らぐ。わたしは永遠にはさみで何かを切り抜いたり、はりつけたり、折ったりするのが好きだ。だからぬいものが好きなのかもしれない。
 型紙ができて、そのかたちに仮布を切って、縫って組み立てて、お人形に着せる。だいぶふんわりしたけれど、そのぶん丈が短く見えるので、伸ばさなければ。だいたいのシルエットはよくなったけれど、お手本はもうすこし後ろにボリュームがあったので、後ろ身頃の中心から開く量をふやしたら完成にしよう。

 型紙ができたのが朝の9時前くらい。それから本番用の布の裁断をして、えりのパーツを作って……とやっているとあっという間に夕方になる。久しぶりにこんなに長い時間集中して作業ができて、ほっとする。元気になってきたのかな、と思う。抗うつ剤は、ゆっくり効いてきて、ゆっくり効かなくなっていくもので、いま元気になったと思ってすぐやめてしまうと、またぶり返してしまうので、まだ出しますね、と先生に言われたことを思い出した。効いていたということだろうか。それもあるだろうし、なんだかんだ言って働くことに決めてその方向で動いていることも、元気になっているきっかけ?理由?だという気がする。
 6ヶ月くらい休む気でいたのだけど。そうすれば定期異動に合わせて部署をうつれるだろうという算段だった。でももういやになってしまったのだった。まいにちまいにち、どうしてこうなってしまったのか、あのときどうしたらよかったのか、あの同僚、あの管理職、あの部署……、と考えつづけることが。まるで恋人のようにまいにちまいにち考えていた。それらのことを。いまの自分のことを考えるといつもそれがついてまわった。だからもう忘れてしまいたかった。それで復職しようと思ったのだ。
 あれがたまたまの不運な事故だったのかどうかも、また違うところで働かなければわからない。

 次の日、20日の土曜日もひきつづきお洋服をつくった。えりのぬいつけを一部失敗してしまったり、えりをもっと見栄えのする作り方をすればよかったなとか、いくらかミスがあったけれど、スカートのシルエットが自分でもびっくりするくらいきれいでイメージ通りのものになったので、うれしかった。またやり直して作るとしたら、裏地の生地を変えて、えりの大きさを縫いやすいようちいさく、えりぐりは小さくして、作るかなぁ。一発では、なかなか完璧に縫い上げられない。上達したいなあ。

 21日の日曜日は朝起きて家事をしているうちに昼頃また眠くなる。雨がやんだら突然買ってしまったジルサンダーの靴の裏張りを頼み、図書館に本を返すために出かけようと思っていた。予報では、あと2、3時間で雨は止むらしい。それでNetflixで前から気になっていた『ザ・キラー』を観る。途中途中、飽きてスマホをいじくったりしてしまったが、なんとか最後まで観ることができた。映像がしんとした感じで、かっこよかった。最後のセリフがよかった。いろいろレビューも読んだがみんなドジっ子とかカッコつけとか言っていておもしろかった。わたしはレビューを読むまではそんなふうにはあんまり思っていなくて、なんか普通にそうなのかなーでもstick to the planってすごいキリッ!と言うけど、言うほどのplanだろうか?うーん?でもまぁまぁやりたいことをやれるだけの力量があってすごいなーみたいな気持ちで観ていた。ミスりまくるドジっ子とまでは思わなかった。自分で言うのもなんだが、素直なんである。素直に、カッコつけてるひとはカッコいいからカッコつけてるんだろうと思いがちである。そのひとのことを判断できる材料が特にないなら。
 まあそれはおいておいて、とにかく、レビューの、仕事ってでもこーだよな、one of manyの話にすぎないんだよな、という解釈に、おおーとなったのだ。あのなんだかみょ〜な、納得できるようで全然違うくね?という独白はそういうことだったのかと思った。レビューを読んでよかったと思った。実はわたしもうすうす仕事って、とくに仕事に関する言説って、ほんとうはそうなんじゃないのかな?とさいきん思いはじめていたから。

 『ザ・キラー』を観たあと、お風呂に入り、出かける支度。ほんとうは裏張りがすむまで近くの喫茶店で借りた本を読んで待とうかと思っていたけれど、裏張りに思ったより時間がかかるということと、喫茶店が満席だったことで、そのまま本を返して予約していた本を受け取って帰った。
 午後4時すぎに家につくとすごくお腹が空いていたので、お米を炊いて、豚こまとまいたけとかぼちゃを炒めた。この時も、考えるより先にからだが動いてよかった。

 食べ終わるともう眠たくなる。9時5時で起きているように、と言われているので、なんとか5時過ぎまで起きているようにしている。それにしたって7時に眠ってしまうのでは、産業医の先生的にはあまりよくないのだろうけど。

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