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【映画感想】イミテーションゲーム

近年になって、イギリスの紙幣となったアラン・チューリング。

この映画を観た時は、まだそのニュースはなく、紙幣になると聞いて、世界から功績が認められるようになったんだと思った。

でも、私は彼も天国で喜んでいるだろうとか、草葉の影からとか、そんな考えは持たない。

彼は亡くなったんだ。とても悲しい辛い終末だった。どんな辛くとも、最期はそれだけだ。
いのちにあるのは、生きているその間だけ‥

亡くなった彼にはもう、何も間に合わないけど、せめて、生きている我々は、彼が残したものを大切にするしかない。それしか、できることがない。

アラン・チューリングを演じるベネディクト・カンバーバッジは、シャーロックホームズの役で見たことあった。

くせの強い天才役がよく似合う人だな〜

こうして日々、noteを見ることができるのも、アラン・チューリングのおかげ。
彼がコンピューターというものを生み出してくれたから、この世界がある。

ナチスの強力な暗号、エニグマを彼が解読したから、戦局が大きく変わった。
でも、彼の功績は公開するわけにはいかなかった。

同性愛の彼に、性的ではなくとも、最も身近で彼を理解して支えた、女性科学者のジョーンがとても好きだった。
アランが同性愛であることを告白した時、確かジョーンは「All right!」って言ったと思うけど、「あなたの帰りを待ってラムを焼いたりしないわ。私は仕事をするの」というのが、あの時代には考えられない、進歩的なことだったと思う。

それぞれに、向かないことなんか無理にしないで、「自分である」ことができるようにしましょう …彼女は、こういう考えの人だったのだと思う。なんて頭のいい人だろう!と思った。

同性愛が犯罪であった時代、それを「矯正」するため、ホルモン剤を打たれ、体重が増え、身体の傾いたアランの元に、久しぶりにジョーンがやってきたシーンは辛かった、、
「一般的な」結婚指輪をした彼女と、得意のパズルゲームをしようとして、簡単なこともできなくなった彼の様子に、ジョーンはどんなにショックを受けただろうし、アランも自分が廃人になっていくのをはっきり感じていたに違いない。

そんなアランに、ジョーンがかけた言葉、「あなたが普通じゃないから、世界はこんなに素晴らしい」と、それを聞いた彼の微笑みが救いだった。
彼女だけは、彼の功績をよくわかっていた。一人でも、そういう人がいて良かった。

変わり者でいじめられることの酷かった学生時代、アランの才能を認めて尊重していたクラスメートのクリストファー。彼も、アランの数少ない理解者、友人だったけど、彼は結核で亡くなったことを、新学期に知らされる。

同性愛のアランには、友達だけではない思いのあった人だけど、開発したコンピューターにクリストファーと名付け、それを手放そうとしなかった。

アップルコンピューターのりんごがかじられているのは、毒を塗ったりんごを齧って亡くなったアランを表してるとか、ないとか‥

日本にも、パープルという強力な暗号を作った数学者がいて、それで日本は初めのうちは進撃が凄かったと聞いたことがある。
「アルキメデスの大戦」って、その数学者の話かと、最初思った。


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