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商標権利化ゼミの感想

こちらの記事は、実際にゼミに参加された受講生の宮原さんに寄稿いただきました。知財塾ゼミへの参加をご検討されている方の参考になりましたら幸いです。
本ゼミは終了しておりますが、演習資料とゼミ動画のセット(自主演習コース)を、WEBサイトにおいて引き続き販売しております。ご興味がある方は、ページ最下部のリンクよりご確認ください。

1. 自己紹介

2022年度の商標権利化ゼミを受講しました、宮原と申します。
キャラクタービジネス(IPビジネス)を勉強したく大学院に進学し、知的財産権の触り部分を勉強したことがきっかけで、独学で知財の知識を深めるようになりました。
在籍していた大学院およびグループ校に入職した後も勉強を続け、2021年に知的財産管理技能検定3級に合格。その後は2級合格を目指し、継続して勉強しています。
今は弁理士の資格取得ならびに知財業界への転職を見据えて行動中です(2022年12月時点)。

2. 受講理由

現職が知財を扱わない所だったのでアウトプットする機会がなかったからか、出願フローや中間処理の内容が曖昧に覚えていることに気が付き、かなり危機感を覚えました。
「せめて一度だけでも実務的なフローを経験できれば、インプットしすぎた頭の中を整理できそう」と考えていた時にこのゼミを見つけ、思い切って受講するに至りました。

※以下の文章につきましては、バリバリ実務経験がある人が商標の権利化を勉強した感想ではなく、”知財業界(特に商標)に飛び込みたい素人が本気で実務を学ぶために商標権利化ゼミを受講してみた感想”であることを念頭に読んでいただければ幸いです。


3. ゼミの内容

2022年10月開講のゼミは全8回開講で、初回はガイダンス(ゼミの流れ説明、自己紹介、課題の作成方法指南,商標調査の練習)と最初の課題作成、残りの回は基本的にファシリテーターからの前回の課題フィードバックと次週課題の要点説明という構成でした。
 
初回授業以降の1週間の流れは大まかに下記のような流れで演習が進んでいきます。

①    課題を期限(翌週の授業日)までに作成
②    作成した課題を他の受講生と見せ合いながらフィードバック
③    次週の課題説明
④    ①へ戻る

①    課題を期限(翌週の授業日)までに作成

課題内容は、ファシリテーターの先生が実際に出願された事例をもとに、「商標調査報告書」と「拒絶理由通知にする意見書」を自力で作成するというものでした。
※奇数回の課題が調査報告書作成,偶数回の課題が意見書作成でした

出願商標と先願商標を言語化し、説得力ある文書を作成することが必要だったので、インターネットで前例を検索しながら、言い回しなどを工夫しつつ課題をこなしていました。
ちなみに毎回の課題にかける時間は5~6時間程度でした。特許事務所での勤務経験がある方ですと、もっと早く課題を終わらせられるかもしれません。

 課題は如何にして先願商標と出願商標との類似性がないかを端的に述べるかが重要でした。
説明の物量を重くしすぎた結果自分でも説明している内容がぼやけているものになり,逆に単純な説明だけでは類似性なしの追求が甘くなったりと,まさに「追求しすぎると終わりが見えない」ようなものばかりでした。

考え込みすぎた時は「練習なんだから間違えても良い!」と割り切ってしまい、その瞬間に浮かんだアイデアをもとに文章を書くようにしました。

最終的に「この箇所をうまく文章化できなかった」と質問ができるので、まずはきちんと課題を作ることを目標にしました。

このように自分であれこれ考えて作った分、質のいい質問ができるようになり、フィードバックから得た改善点を次回課題に活かしていきやすく、結果として提出課題のクオリティアップに繋がったような気がします。

②     作成した課題を他の受講生と見せ合いながらフィードバック

各回の課題フィードバックでは、自分が作成した課題を発表します。ただ作成した意見書・調査書の文面を読むだけではなく、「なぜこのような論じ方に至ったか」理由をきちんと話していきます。
ファシリテーターから「商標独特の”感性を表現する”言い回し」「論理的でより説得力ある文章」を逐一アドバイスをいただいたお陰で、毎回の課題作成時に実践できました。

特に、自分の課題がどこまでカバーできていてどこが情報不足なのかを、作成した文面を踏まえてご指導いただけたのが良かったです。
「この言い回しではダメ」と言った否定的なアドバイスではなく,「今の言い回しを活かすとこんな論調で繋げられる」と言った感じで”もっといい文章の作り方”を指南していただけるので,モチベーションが常に高い状態で演習に参加できました。

また、他の受講生の提出課題と自分の作成した文書をその場で比較できたので、受講生から"真似ぶ"ことも出来ました。例えば商標調査では自分よりも深く掘り下げて調査されているのを見て,「こんなところまで調べるのか!」といった発見がありましたし、意見書では(調査書もですが・・・)私よりももっと端的で分かりやすい言い回しで作られていたので、次の課題のクオリティアップに繋げられました。

③     次週の課題説明

初回のゼミで調査方法や報告書の書き方をきっちり教わるので、2回目以降は調査時の注意点や課題作成時の”文章の落としどころ”をご指導いただくのがメインでした。
抑えるべきポイントをきちんと教えていただけるので、あとは自力で課題ができました。調査時のフォーマットを参考に、それに沿って先願調査や文章組み立てができたのもよかったです。

加えて、課題の内容と似ている事案で、ファシリテーターが過去に手続きをした内容のPDFデータをいただけるので、大体の作り方の目安を踏まえて課題を進められました。

また課題制作中に不明箇所があればSlackで質問ができるのもよかったですし、授業の見直しで講義の録画を観れるのも復習に役立ちました。
受講生とファシリテーターの距離感が適度に近いこともあり、質問しやすい環境だったと思います。 

4. 感想

結論としましては、知財塾の商標権利化ゼミを受講して、本当に良かったと思います。

自己紹介でも書きましたとおり、私はせいぜい技能士試験の対策で勉強した範囲程度の知識しかなく、実務経験は一切ありません。
当初は実務演習形式についていけるか非常に不安だったのですが、各回で課題作成のポイントやJ-PlatPatの調査のコツなどを丁寧にご指導いただいたお陰で、一つ目の課題から最後の課題まで“きちんと“やり遂げることができました。

出願から権利化までの大まかなフローを実際に手を動かして実践するスタイルで、課題は一言で言い表すと「本格的な内容」でした。
知識のインプットよりも課題アウトプットの時間が圧倒的に長かったので、知識も実務も効率よく身につく勉強ができたようにも思います。

何よりも課題に対するフィードバックが毎回濃厚でした。
自分が作った課題には何が不足していて、どうすれば改善できるのかが良くわかりました。
前回の反省を踏まえて次の課題へ早速取り組めるので、回を重ねるごとに自分の書き方レベルが上がっていくのを実感できました。加えて自分の先願調査スピードが回を追うごとに早くなっていったので,「今めっちゃサクサク調査やってる~!」と毎週の課題を楽しく進めていたように思います。

また演習の際に知ったのですが、商標の報告書・意見書は外観・称呼・観念それぞれの特徴を踏まえ先願との類似性の有無を論じるなどしますので、特許の意見書の書き方とは少々異なる部分が多いようです。
「特許の場合はこう論じる、でも商標だとこう書く」などの両方の実務的な比較ができるのは、バックグラウンドが異なる方々と一緒に同じ課題演習ができるからこそだと思います。
教本を読むだけでは分からない現場の方々からの意見ですので、より分かりやすく、強く印象に残りました。

最後に、知財未経験者で知財業界に飛び込みたい方こそ、知財塾の受講をすべきだと私は考えます

受講料は少々高いと感じるかもしれませんが、第一線で活躍している諸先生方から実務業務のアドバイスを受けられ、加えて自分の見聞を広げられるため、結果的には受講料以上のリターンがあったと思います。

新卒であれ転職であれ未経験から働きたいとなった場合、業界に入るための取り組みを話す機会がどこかであると思います。
その際「商標の権利化を詳しく学ぶために知財塾で勉強している」と話すだけで相手に十分伝えられますし、人に話すことで自分がなぜ業界に入りたいかを常に再認識できるようになりました。

実務で知財ができない、でもせめて経験値はほしいという方はぜひ受講してみてください。机の上だけでは得られない知識を沢山得られますし、よりもっと知財を勉強しやすくなると思います。

5. さいごに

今回、商標権利化のご指導をいただきました石渡 広一郎先生、一緒に受講した受講生の皆様、そして知財塾運営の皆様、誠にありがとうございます。
知財業界に転職できるよう、そして一人前の弁理士になれるよう、引き続き精進いたします。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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