「モノローグ」ではなく「ダイアローグ」で場を作る
コミュニティにおいては、モノローグで場を作るよりも、ダイアローグで場を作るほうが、熱量やつながりが生まれやすい。
※モノローグは「独白」のことで単方向。
※ダイアローグは「対話」のことで双方向。
それなのに、外から登壇者を呼び、その人にモノローグをさせるコミュニティが多く見受けられます。インフルエンサー型のコミュニティにはその傾向があります。参加者が口を開けるのはわずかな「質問タイム」だけという場合すらあります。
イベント終盤で登壇者の前にできる名刺交換の列は、そのイベントがモノローグであったことを物語っています。その列に並ぶ人たちは、すぐ近くにいる他の参加者とつながることができずにいる。参加者どうしのつながりの回路が開かれずに終わってしまったということです。
逆に、ダイアローグによって成り立つ場には、登壇者は要りません。参加者どうしでの対話がメインコンテンツとなります。
そういった対話を十分に経験したイベント終盤に起きることは、名刺交換の長蛇の列ではありません。ダイアローグの延長戦です。イベント中に話した参加者たちと立ち話しながらみんななかなか帰ろうとしません。
そうなると、時間の都合でなかば追い出すように終わらせることになりますw そうしてダイアローグの延長戦は近くのカフェや飲み屋、あるいはオンラインで続いていく。
そういった非公式な場の発生が、モノローグに比べて圧倒的に多くなるのがダイアローグの特徴です。
モノローグとダイアローグのブレンド
あらゆる場はモノローグ(独白)とダイアローグ(対話)のグラデーションのなかに位置づけることができます。
例えば、主催者や登壇者によるプレゼンテーションや演説はモノローグの一種です。
複数の登壇者によるパネルトークは、ダイアローグ風ではありますが、参加者が口を開く機会が少ないので、参加者にしてみればこれもモノローグ的な場だと言っていいでしょう。
では、参加者にとってダイアローグな場とはどんなものでしょうか?それは、雑談であったり食事会であったり、議論であったり、いろいろです。中心が存在せず、参加者がおのおの好きなタイミングで口を開き、発言することができる場であれば、それはダイアローグです。
しかし、そういった完全なダイアローグには、ファシリテーターが介入する余地がありません。ファシリテーターの介入はモノローグであることが多いからです。
※ダイアローグ型のファシリテーターもいますが、結構レベルが高く人数も少ない。この点についてはどこかでお話したい。
そのため、一定の場作りをするために最小限のモノローグを織り込む必要があります。5%~10%くらい。
イベントの大半をダイアローグの時間として使い、ごく短時間をモノローグとして使う。このブレンドの割合によって、人が知識や経験、アイデア、観点を交換し、つながりが生まれ、コミュニティとして面白くなっていきます。
この「モノローグとダイアローグのブレンド」を考えるのが、コミュニティデザイナーの役割の1つです。
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