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お弁当から学ぶこと

6月末から両親のお弁当作りを始め、5週間が経ちました。
お弁当と夕飯(ときどき朝食)作りは、今では私の生活の半分以上を占めています。

SNSで献立投稿を眺めながら、翌日以降の献立を考えている時間
買い出しに行き、特売や見切り品に悩まされる時間
冷蔵庫にある在庫食材から、小さなアレンジを考える時間
調理に没頭し、洗う、切る、焼く時間
レシピを無視して家族の好みの味付けに調整する時間
今日の味付けはどうだったか、返答を待つ緊張の時間。

ほぼ毎日これを繰り返すのは、自分のための料理では決してできない楽しみを見つけたからです。

明日はなにを食べてもらおうか

私は食事をとるのが苦手です。
数か月前の私は、「食事を摂らずに生きられるなら、その方が失敗もなくて安心」と考え、限られた栄養で動いていました。
それが、自粛生活で毎日自分に作るようになってから、「食事を美味しい」「楽しい」と感じるようになりました。しかし私は、非常に簡素な味付けを好むため、調理と呼ぶのはおこがましいくらいです。

お弁当をつくり始めたのは、頑張り屋の母に、もっとしっかり食事をとってほしいという気持ちからでした。
振り返ると私は、自分ではなく誰かに食べてもらうことで、明日のごはん何にしようかと考えるようになったのです。

誰のための時間なのか

初めは嬉しい変化であふれていても、
一ヶ月以上つづけると、対処の難しい感情も混在するようになりました。
両親のなかで「作ってくれる」ことが日常化し、期待や楽しみにしてくれることを私はプレッシャーに感じたり、
自分の時間を割いて両親の食事をつくることに、負担を感じたり。

気付けば朝は3時に目が覚めてしまうようになり、
自分の食事はキッチンで作業しながら済ませるようになっていました。
機械的に食事をとる生活に戻り、ながれ作業で口に入れた自分の食事は「美味しい」「楽しい」と感じなくなっていました。

お互いのプレッシャーにならないために

そんな自分の心境に危険を感じたため、
8月からは自分の時間との共存を目標とし、少し我儘に過ごそうと心に決めています。noteへのアウトプットや英語の勉強など、将来のためになることにもっと時間を割こうと。

しかし、料理自体が初心者なため、ステップを飛ばすとすぐに失敗してしまい、とんでもない見た目や味の作品を生み出してしまいます。
作り直し配膳しながらも、自信を失って泣きたい気持ちになったり、精神面へも大ダメージを受けました。
また、私の心はあまり柔軟ではないため、「今日はつくれなかった」「今夜は外食でもいいかな」と言うとき、自分の存在価値がなくなったような不安を感じてしまいました。

両親からしてみると
「そんなに辛いならやらなくて良いよ」と感じるでしょう。
お互いの関係を壊さないように悩みを相談するものの、
なかなか伝わらず、逆に関係を脅かしてしまうという、もどかしい状況に陥ります。

お弁当作りから大切なステップを学んでいる

全くのゼロから始めたお弁当作りですが、とても大切なステップを学ぶことができていると気付きました。
自分が物事を行なう工程や、ぶつかる壁を知る、身近な素材だと。

初期の段階では、「貢献」や「信念」を心のエネルギーとして、
習慣や継続をゴールとし、少し無理をしてでもアクセルを踏み続けました。
次第に、周りからの反応が薄くなると、自分の力が不足しているのではないかと不安に駆られます。自己否定や、もし姉だったらもっと親を喜ばせられただろうと考えることもありました。
さらには「もっとしなければいけないことがあるのにできていない」と、深い否定や不安に襲われます。「自分はできていない」「今の自分の状況で、こんなことをしていて良いのだろうか」という恐怖心で、焦り、続けることすらも息切れしていました。

今、そんな自分にアドバイスをできることが一つあります。

海外移住を決めて、コロナウイルスの影響で実家にとどまっている私にとって、「今しかできないこと」は英語よりも読書よりも、両親に料理を作ることではないでしょうか。
組んでいた予定では、今頃私は実家にはいないのですから。

もちろん、この恵まれた時間に、
自分のスキルを上げるために模索することは大切だと思います。
しかし、それにより両親への心を閉ざしたり、状況の流れに逆らって戦ったら、私は後悔するのではないでしょうか。

たまに無駄な努力だと感じたり、
「こんな下手な食事を作って何になるのか」と自己卑下したくなります。
でも、それをぐっと乗り越えて、
自分のベストの料理を繰り返していくことこそが、
今の私が最小の努力で最大の成果を得られるミッションなのではないでしょうか。

次の一ヶ月に向けて

8月、いよいよ夏本番になり、新しい困難がやってきているのを感じます。
暑さによる買い物のハードル、
母の食欲低下、
食品の腐敗速度があがり落ち込む日々…
虫の発生によるモチベーションの低下もあります。

今までとは違った工夫を考えながら、
猛暑を乗り越えられるよう頑張りたいです。

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