見出し画像

秘密の東御苑二ノ丸庭園

皇居東御苑(こうきょひがしぎょえん)二ノ丸庭園とよばれる公園がある。

ここにはなかなかたどり着けない。

私事になるが、マニュアルというものを読まない人間なので、昔はじめてデジタルカメラを買って最初に撮影した風景が・・真っ黒だった。でダイヤルを回して2枚目に撮影した風景が・・・真っ白だった。
実話です。

つまり、二ノ丸庭園にたどり着くには、必ずマニュアル=地図を見ましょう、という事である。
私自身さんざん道に迷ったあげくの当たり前の答えである。

上記地図は、「公益財団法人菊葉文化協会」が掲示しているわかりやすいイラスト地図である。

宮内庁によると、東御苑は、旧江戸城の一ノ丸、二ノ丸、三ノ丸をあわせた地域を「東御苑」と呼ぶのであるが、現地の即席の案内図・・おそらく宮内庁作成のものと思われる・・には、二ノ丸部分を表示してあり、地域の呼称に対する認識にあいまい性が感じられる。

そこで私は「二ノ丸庭園」と呼んでいる。しかし当初、なかなかたどり着けないこの庭園への道順を皇居周辺を警備している警官数人に聞いたことがあった。しかし、4人ほどの警官でも「二ノ丸庭園」の地名を知らなかった。これにはショックで、皇居を警備する警官がその中にある地名を知らない・・というのは問題である。

東御苑に至るには3つの門がある。
①北桔橋門(きたはねばしもん)、②平川門、③大手門である。

①の北桔橋門から入るとすぐ目の前に大きな石垣が見えてきてさらに進むと本丸の石垣に目をうばわれる。そして人の多い本丸公園に自然と誘導されてしまう。進行方向左側にある細い小径など無視されるわけだ。

②の平川門から入るのが、二ノ丸庭園に至るには一番近いのであるが、ここもまた人の心理をついた道でなぜか本丸の方へ行ってしまう。

上の写真は二ノ丸庭園に至る道の方から撮影した風景であるが、
向かって右側の方に平川門がある。向かって左側、つまり石垣と石垣の間の通路をあがっていくと本丸庭園の方に通じる。この部分は急な坂道になっており、人の流れは、なぜか高い方へ高い方へと歩いて行ってしまい、私の撮影している方の道には90%の人は歩いてこない。

下の地図で示すと写真の石垣の部分が A 地点であり、私の撮影している通路側が、みどり色の直線の道である。

地図にある緑の直線通路が上記写真の道である。左側の小径に入れば二ノ丸庭園に到着するのだが、多く人はせっかくここまで来て、単に直線道路を通過してしまうだけの方がほとんどだ。

③の大手門から入るとやはり緩やかな坂の先に百人番所や大番所などの目立った建物に目を奪われ、自然と坂の上の方に人の流れが出来てしまっている。

大番所

人は、高い方に登っていく習性があるようだ。そして二ノ丸よりも本丸の方が高い場所にあり人々はそこを目指してしまう。まちがって二ノ丸庭園の直線通路に至っても、そこを素通りするだけで林の奥に隠された二ノ丸庭園に辿り着くことは少ない。

実際に、上の写真は右側の紅葉した林の奥に二ノ丸庭園があるわけだが、かなり広い林で隠されているわけで、私の前の歩いていた写真の左側に写っている2人の欧米人女性は通り過ぎてしまいそうになり入口あたりでウロウロしていた。が無事に庭園にたどり着けた。

二ノ丸庭園の秋の見所としてこの林、つまり「二ノ丸雑木林」も小径が縦横にあり美しい紅葉を楽しめる場所である。


この林を抜けると庭園にたどり着く。
見えてくるのが二ノ丸池と諏訪の茶屋である。

諏訪の茶屋



二ノ丸池


ヒレナガニシキゴイ

この二ノ丸池にはヒレナガニシキゴイという特殊な鯉がいる。


この庭園の南側には「二ノ丸雑木林」とは別に林がある。それほど広い地域ではないが、桜の木が自然林の様に植えられている。秋も紅葉で美しい。


春、桜の季節の風景

庭園とはよく考えられた場所で、春夏秋冬楽しめるように設計されている。春、桜の季節の風景を少し紹介したい。

ある年の春にこの庭園を訪れたときバスガイドが数人の客の前で説明をしていた。
その中で「ここは私のとっておきの秘密の場所です・・・」

訪れる人も少なく、とても美しい場所が故に・・私でもそのように言いたくなる魅力ある庭園である。
春には近くのオフィスのOLがお昼の花見弁当を楽しんでいた。


最後に、ここを訪れ場合の注意がある。
月曜日と金曜日はお休みで入れない。その他、不定期に国事などにともなうおやすみがある様なので、訪れる前に宮内庁のhpをチェックしておいた方が良い。


この記事が参加している募集

404美術館

カメラのたのしみ方

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?