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受け身

小さな頃、よく風邪をひきました

高熱が出て扁桃腺が腫れ、咳が止まらず
いつも苦しくて、母に連れられて
病院で毎日、吸入していました

小学校の低学年までは、そんな事が多く
学校は休みがちでした

友達も少なく、家は安心できる場所では
ありましたが、なんだか申し訳なく思って
いつも早く学校に行けるようにならないと
人を困らせるんだと思うようになっていました


父の仕事の仲間でキャンプに行った時も
学校の行事の時も


夜中まで両親と弟は、別の場所で酒盛りをして
私は1人高熱にうなされながら
小さなバンガローで寝かされていたのが
とても恐怖で、1人泣いて過ごしました
傍に誰かいて欲しかった

学校の行事でも、風邪や、虫刺されでアレルギー反応が強く出てしまい、運動会なのに、腫れすぎて歩けなくなる事もあったり…
とにかく何の病気にでもすぐにかかってしまう
先生が親に『大丈夫ですか?病状はどうですか?』と心配そうに近寄ってくる事が、私を心配して来てくれたのかな?と、喜んだり

変な子だったなぁ…素直じゃないのかもしれません


大人になって、新型インフルエンザが流行った時
小さな町の中で1番に近く かかってしまった時、
その頃は全国で亡くなる方も出ていた時だったので、息子達は実家に預けさせて貰っていたのですが、
私一人で自宅で隔離生活を始めた時に、
『一人で死んでてもわからんな(笑)』と
夫に言われたんです


その時にわかったんです
そっか、私は1人で死ぬんだ、と。

傍にいて欲しいと願っても、誰もそうしてはくれない

寂しいなら 寂しいと 
そばにいて欲しいなら せめてそう言わないと
誰も 察してなどくれないと




小さな頃、雨が降ると 水たまりができて
新しい長靴をはいて 遊ぶのが好きでした

風邪の時は 雨が降って欲しかった
私が泣いているのが 神様がわかってくれて
それが天気に なってくれるんだと思っていました

雨は 私の気持ちみたいだから

いつまでも 意気地がなく ジメジメして
誰かが私に 優しく 傍に来てくれると
信じていたからなのかな

いつも 私は 受け身の姿勢を 崩さない


本当は その後の 虹が見たかったとしても。



ちなつ。


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