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生活の中に潜むUXデザイン 〜秋の徒然さんぽ編〜

9月の連休が閃光の如く終わり、あっという間に10月を迎えようとしていますね🍁関東は一気に涼しくなりましたが、皆様いかがお過ごしですか?

私は最近、学生やGoodpatchに新しくジョインしたメンバーとお話しする機会が多く、「日々、UXデザインを勉強する上でどんなインプットをしているんですか?」と聞かれることがよくあります。

個人的には、書籍やnoteなどでUXデザインについて知識を勉強することはもちろん大事ですが、世の中にあるものすべてに対して「UXデザインの視点で考えたらどうなんだろう?」と思いながら過ごすことが最大の勉強になるんじゃないかなと思っていたりします。

いつもは仕事、つまり”UXデザイナー”としてUXデザインやUXデザイナーの仲間たちをご紹介してますが、今日はぐっと個人、人として生活するなかで「これはUXデザインだ!」と思ったできごとについて、徒然にご紹介したいと思います。

本当に徒然に・・なので、紹介するいくつかの物事になんの脈絡もありませんが悪しからず・・笑

エピソード①暑さ忘れる「冷たいおしぼり」

先日、お世話になった先輩と恵比寿へ飲みに行ってきました。「コレコレが食べたい!」と伝えるだけでそれはそれは素敵なお店を予約しておいてくれるかっこいい先輩なのですが、今回行ってきたのは恵比寿駅から線路沿いの坂を登りきったところにある山本家さん。

お塩で食べるこだわりの自然薯、色とりどりの天ぷら串と豊富な種類の日本酒など、何を口にしても笑顔になってしまう素敵なお店でした。

ところが今回こちらを紹介したいと思ったのは、おしぼりに素敵なUXデザインが施されていたからなのです。

冒頭に記載した通り、こちらのお店はけっこうな坂を登りきったところにあり、さらにお店は2階にあったので、坂と階段をのぼり席についたときには汗だっらだらのわたし・・・そこへ店員さんが現れて「おしぼりは冷たいものと温かいものどちらがよいですか?」と。

すかさず冷たい方を選んだわたしに渡されたのは、なんとかちんこちんに凍った板のようなおしぼりだったのです!

出典:まわりブログ

ただきんきんに冷たいだけでなく、ただ凍らせるのではなく板のような状態でおしぼりをいただいたのは初めての体験で、驚きとともに声を出して笑ってしまいました。

飲みの席って、久しぶりに会う方だったりするとなおさら最初にどんな話で切り出していいかわからずちょっと沈黙しちゃう・・なんてこともありますが、このかちんこちんのおしぼりのおかげでとっても楽しく話し始めることができました。

こういったちょっとしたおもてなしの心、これもまさにそのお店でどんな体験をしてもらいたいかをよく考え、その人にあったサービスを提供するという素晴らしいUXデザインだなと感じました。

東京近辺に住んでいると、おいしいものが街中にあふれていて、Instagram、tiktokなどのSNSやGoogleMap、食べログなどのレビューサイトもあり、お客さんに自分のお店を選んでもらうのは大変なことですよね。

食べてもらうものや飲んでもらうもの(コンテンツ)を工夫をしただけでは勝ち残っていけない・・なんてところもデジタルサービスと似ているところがあるのかな、と感じた夜でした。

エピソード②習慣化シール

以前の記事「子持ちUXデザイナーが本気でオンライン家庭教師を選んでみた」でもご紹介しましたが、わたしには3人の子どもがいます。

我が家では毎月、子どもたちにあげるお小遣いは実績を伴う成果報酬型をとっています。お皿洗いや洗濯物をたたむなどちょっとしたお手伝いをした回数と、「毎日やること」「週1回やること」をそれぞれが決めて、それをやった回数を合計して月3000円前後になるようにしています。

「毎日やること」がなかなか継続しない長男と次男のモチベーションをあげるべく、「毎日やること」「週1回やること」が1ヶ月漏れなくできたらコンプリートボーナスをつけることにしました。

コンプリートしたかを計測するためにカレンダーにそれぞれがシールを貼り、貼ったものをみることで蓄積している喜びを得たり、他の兄弟が貼っている姿を見ることで「自分もやらなくては」と思い出すきっかけになるように・・と、継続してほしい母は必死です。

開始して2週間の経過がこちら。

3人で色わけしてるらしい

青の娘ちゃんは健闘しているものの、男子たち・・・・あまり効果はなかったようなので、次の施策を考えたいと思います。何事もPDCAをまわすのが大事ですよね⭐️

ちなみに、子どもたちもやってるんだからわたしもやろう・・と「毎日やる」と決めた朝ストレッチの継続状況はこちら。

金曜日さぼりがち

お見事!!じゃなくて、わたしが私のために考えた施策だったなこれ、と反省しました。

可視化が喜びになるのは「やることはできるが継続しない人」向けの施策であり、そもそも決めたことをやり始められない人にはまったく刺さらないですよね。

誰のための施策なのか、その人の価値観やメンタルモデルを意識して設計するという、普段仕事としてUXデザインの視点で考えればすぐにわかりそうなことですが・・母になるとわからなくなるという面白い気づきを得た月末のひとときでした。

エピソード③定刻までドキドキヒヤヒヤ

期初が9月の少し変わった弊社、創業したのが9月であることから少し変わった期初を12年続けているのですが、それゆえに8月後半から先日まではとても忙しい日々を送っておりました。

忙しさが一段落した9月半ばのある日、次男が学校でドラムの演奏をするということで仕事の合間に覗きに行ってきました。

演奏する時間の直前に会議の予定があったので、次男の学校の近くで会議ができる場所を探し、そこでその時間だけ会議に出席することしました。予約したのが前日だったのもあり、いわゆるコワーキングスペースのような会議室は借りられず、駅などに設置してある電話ボックスのような設置型防音会議スペースを利用することに。

出典:instabase

過去にも1度利用したことがあるのですが、頻繁には利用しないのでその時の経験はあまり覚えておらず、会議が開始する15分前から会議終了予定時刻の15分後まで予約しました。

いざ利用するためにその会議スペースがある駅に行ったのですが、どこにあるのか全然わからない・・・・どちらかというとリスク回避のために予定より早めに行動するタイプなので会議の時間には間に合ったのですが、会議スペースを探すのに10分ほどかかってしまい、会議に間に合うかそれはそれはヒヤヒヤしました。

なんとか探し当て入室しようとしたところ、入り方がわからない・・予約ページをみると「入室する」というボタンがあり、予約時刻ぴったりの定刻になると押せるようになる仕様でした。(予約時刻まではグレーアウトしていて押せない)

公式ページより

会議開始15分前に予約しておいたので問題なかったのですが、知らずに会議開始時刻5分前・・もっというと会議開始時刻ぴったりに予約していたらまぁまぁ恐ろしいことになっていたなと、これまた冷や汗をかきました。

このスペースを使うシチュエーションとして「普段の生活圏で一時的に作業をしたい」という状況の他にも、「外出時に突然会議をする必要が出た!」みたいなことを想像した場合、予約時刻の5分前から入室できるようにしたり、予約時に「予約時刻ぴったりからしか入室できないので会議の場合は余裕をもって予約時刻を設定してね」と伝えるだけでも良いユーザー体験を感じてもらえるのになぁと思いを巡らせていました。

後日このブログを書くためにサービスの公式ページを見ていたら、サービス説明の中に「※利用時間になるまで入室ボタンは表示されません。」と記載がありました。わたしは公式ページ以外の予約サイトから遷移してしまいその注釈は見ていないという状態だったようです。
ユーザーがどういう遷移をして予約→利用に至るのか、網羅的に遷移を把握して重要な記載を見逃さないようにする、というのも重要ですよね。

また、初めて利用する駅である場合も想定して場所の案内ももう少しわかりやすくできるとさらに良さそうです。

小田急百貨店のエレベーターが複数あって迷ってしまいました

おそらく何度もこういったスペースを利用している人からすると予約時刻ぴったりにならないと入室できないことや場所は「何を当たり前なことを」と感じられるかもしれませんが、ユーザーがサービスへの印象を決めるのは最初の1回目だったりします。

実際、SNSなどを調べてみると「とても使いやすく便利だった!」という声も多数あり、初心者で細かな記載をあまり見ないわたしにとっては不便だっただけかもしれません。

でも、初めて使う人にとってはどうか、たまにしか使わない人にとってはどうか、はたまた使い慣れている人にとってはどうか・・・この3種類くらいは考えた上でサービスを設計しておけると、「不便だ」と感じる人を少し減らせるのかもしれません。

おわりに

ほんとうになんの脈絡もない話題で3つほど生活の中に「UXデザイン」を感じたエピソードを紹介させていただきましたが、わたしが世の中の物事をどんな風に捉えながら過ごしているか、少しでも伝わってるといいなと思います。

昨今はライフ・ワーク・バランスという言葉がさらに進化し、ワーク・アズ・ライフなんて言葉をよく聞きます。仕事と生活をぱっくり分けて考えるのではなく、無理なく生活のように続けられる仕事を見つけて、楽しみながら働くというのがわたしには合っているようです。

自分の心が動いた瞬間を記録し、UXデザインの視点で捉え直すことで業務に活用するーーそれを名目に、普段から楽しそうなものや新しい体験をしに休日の時間を思いっきり楽しむ!そんなUXデザインのインプットの仕方もおすすめです。

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