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「2022年ヒット商品ランキング」をパーセプション発想で振り返ってみた

こんにちは、メグパンです。

『市場をつくる新発想 PERCEPTION』を読んでみた

しばらく読書記録の更新が止まっていましたが、ぼちぼち自分の考えを投稿していこうかなと思う今日この頃です。
そんな私が最近読んだ本は『市場をつくる新発想 PERCEPTION』です。
著者はPRストラテジストの本田哲也さんです。
本田さんは『戦略PR 世の中を動かす新しい6つの法則』の著者としても有名な方です。

本の題材はタイトルにもある通り「パーセプション」についてです。誰もが知っている商品だとしてもモノが売れるとは限らないという問題を踏まえて、「パーセプション=客観的な認識」を用いた発想でマーケティングに活用していくというのが本の趣旨です。

例えば、P&Gの洗濯用洗剤「アリエール」がパーセプションチェンジによるマーケティングの成功事例として挙げられます。当時、消費者にとって「いい洗剤=小さい洗剤」として認識されていた洗剤市場において、「アリエール」は除菌に勝機を見出し、実は洗濯物には菌が残っているから洗濯除菌が必要だと訴求しました。その結果、「いい洗剤=除菌ができる洗剤」というパーセプションを作り上げ、売り上げに貢献したのです。

他にも森永製菓の「森永ラムネ」は、二日酔いにも効くというクチコミをきっかけに「子どものお菓子」という認識から、「二日酔いにも効く」という認識に広がったことで大ヒットしました。

このように、パーセプションチェンジによって、誰もが知っている商品が売れるようになる可能性があるわけです。
本を読んでみて、パーセプション発想はあらゆる商品・製品がコモディティ化した世の中のマーケティングにおいて大事な考え方だと思いました。
本の中には他にもたくさんの事例が細かく分かりやすく説明されています。体系的にパーセプション発想を学べるので興味のある方はぜひ読んでみてください!

「2022年ヒット商品ランキング」をパーセプション発想で振り返ってみた

さて、ここからが本題です。本での学びを踏まえて、実際にパーセプションチェンジによりヒットに繋がったのでは?という商品を自分なりに探し出して紹介していきます!

今回は「2022年ヒット商品ランキング 日経トレンディが選んだベスト30」からいくつかピックアップしました。
パーセプションチェンジの視点でヒット商品をとらえ、解説します!
(あくまでも個人の見解なのでご留意ください)

①Yakult1000/Y1000

「2022年ヒット商品ランキング 日経トレンディが選んだベスト30」より引用


Twitter上で「Yakult1000を飲んだらぐっすり眠れました!」「快眠できました!」のクチコミが広がり、店頭に販売されるや否や、すぐに姿を消したあの商品です!
こちらは今年のヒットランキング1位を獲得しました。
まさに、パーセプションチェンジによって成功したマーケティング事例のひとつなのではないでしょうか?

元々、「ヤクルト=乳酸菌シロタ株」で健康そうなイメージを世の中の多くの人が抱いていたかと思います。私自身、ヤクルトを飲めば健康になれそうというイメージがあり、特に小学生ぐらいのときに大変お世話になりました。

そのような中で、今回Yakult1000/Y1000は睡眠に目をつけ、「睡眠の質が高まるドリンク=Yakult1000/Y1000」というパーセプションをつくったのです。ストレス社会によって睡眠市場が開拓されている背景と重なり、新たなパーセプションが世の中に受け入れられた結果、2022のヒット商品として1位を獲得できたのではないかと考えられます。

②完全メシ


「2022年ヒット商品ランキング 日経トレンディが選んだベスト30」より引用

33種類の栄養素とおいしさの完全バランスを兼ね揃えたインスタント食品です。こちらはランキング5位に入りました。

一般的に栄養バランスが完全に含まれている食品は、「健康だけど美味しくなさそう」「味は薄めでシンプル」のようなイメージを抱いている人が多いのではないかと思います。

そんな完全栄養食に対する世の中のパーセプションに対して、変化をもたらしたのがこの完全メシといえるでしょう。なぜなら、完全メシのラインナップとして、カレーや油そばなど栄養とは真逆の位置づけにみえるジャンキーな食べ物が目立つからです。

「完全メシ=ジャンキーでも栄養をしっかりとれる」というパーセプションを新たに創出したことで、これまで完全栄養食に興味をもっていなかった人々の心をもつかみ、ヒットに繋がったと考えられます。

③翠ジンソーダ缶


「2022年ヒット商品ランキング 日経トレンディが選んだベスト30」より引用

サントリーの翠ジンソーダ缶。こちらは7位にランクインしました。

元々、ジンはこだわりのある人に飲まれる傾向があり、バーでカクテルとして飲まれることが大半でした。しかし、今でこそ市民権を獲得している角ハイボールのように再びブームを生み出そうという試みから、「ジンが居酒屋で定番商品として飲まれるようにするにはどのようにすればよいのか?」を起点に居酒屋のおつまみと相性のよい組み合わせを試行錯誤したそうです。

そして、ジンとおつまみが美味しくなる組み合わせを試した末に出てきたのがソーダ割りでした。「ジン=こだわりのある人が飲む、バーで飲まれる」というパーセプションから「ジンソーダ=居酒屋で食事と一緒に楽しめるお酒」というパーセプションを新たに創り出すことができたのです。

こちらもパーセプションにより新しい市場の創造に寄与したといえるでしょう。そのうえ、角ハイボールブームの再現ということもあり、再現性の高い施策として非常にいい事例だと思います。(ちなみに、角ハイボールのブームを牽引したのもサントリーでした)

というわけで、今回は「市場をつくる新発想 PERCEPTION」での学びを踏まえて、実例からパーセプション視点における成功事例を紹介してみました!

いかがでしたか?今回、ピックアップした商品は3つでしたが、もちろん他にランキングに含まれてる商品の中にもパーセプション発想で考察できるものもあると思います。逆に、紹介した商品の中でも、パーセプションだけでは語れないヒット要因もあるかと思います。

商品の中身は大きく変わっていなくても、パーセプションを変えることでヒットに繋がる可能性があるというのは非常に大きな収穫でした。視点をずらすことで解決に繋げられるという切り口を自分の中でインストールできたので、発想法のひとつとして活用してみたいです!(とはいえ、その肝心な視点を見つけるのが難しいという問題があると思いますが、、、。)

というわけで、パーセプションチェンジに興味をもたれた方はぜひ本田さんの著書を読んでみてください!

最後まで読んでくださり、ありがとうございます。
それではまた!



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