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レモンの花

レモンの花が咲いている。

通る度、いい香り。

息子が14歳の誕生日に買ったレモン。

初めてのシーズンは、甲斐甲斐しくお世話し
3個ほど小さな実をつけて歓喜した。

でも次の年は全く花も咲かず、
それから長い間、ほとんど放置していた。


葉っぱを虫に食べ尽くされたり
水やりが疎かになったり
肥料いつあげたっけ?
なんて、3,4年は大して愛情をかけずに
いたけど、枯れずに、粘り強く生きてくれた。

一昨年くらいから、蕾をつけるようになり、
去年は6個くらい収穫できた。


割と料理が好きな息子へ、
荷物に入れて送った。

ー蕾をつけて、花が咲いて、実になる。

この一連のイメージは間違ってはいない。

でも、花が咲いて小さな実をつけても、
全てがうまく育つわけでは無い。

木は、自分が受け持てるだけしか
実を大きくしない。

許容範囲を超えると、
小さな実をどんどん落としてしまう。

こちらはライムの赤ちゃん

それを知らなかった頃は、
びっくりして、

病気かな、水が足りないかな、肥料かな、

とあたふたしていた。

ちゃんと自分自身で調整していたのだと
分かった時は、感心した。


そして、息子の姿と重なった。

うちの息子は有能だ。優秀だ。
そう信じて、たくさん大きな実を
付けさせることに夢中になっていた。

実を落としそうになると、
そうさせないように下から持ち上げていた。

でも、もうそんな必要もないと
今は思う。

自分で選んで、
大事な実だけを大きくして、
他は落としていけば良い。

例え実がならないとしても、
どんな時だって、

大事なのは、"花が咲いた後"

なのではないだろうか。

小さかろうと、
傷があろうと、

長い人生で大事な実がひとつでもあれば、
それだけでいい。


息子は、今週。
20歳になる。

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