異性装について

「異性装」に対する偏見

私が大学4年間のうちにしたいことの一つ。

それは異性装。
私は女子大学生なので、すなわち、男装をしたいのです。

皆さんは ”異性装” に対して、どのようなイメージを持っていますか。

私は、「したい」というくらいなので、
「違う自分になれて楽しそう」とか「個性を表せていいなぁ」と思います。

一方で、

「女の子が男の格好するなんてはしたない」「女の子は女の子らしくいるものだ」

とか、

男性が女装をしている場合であると、
「男が女装してるw」「変態、変人」「ゲイだ」

と変な目で見られたり、後ろ指を刺されたりすることも多いのが現状です。


このように、日本には「他の人と違うことをしている=変わっている、変人」
という固定概念が広まってしまっているように思います。



歴史的背景から見る「異性装」

この異性装に対する偏見は、明治時代の規制が背景にあるのではないかと私たちは考えました。

明治時代以前の日本では、
例えば、ヤマトタケルが髪を下ろし、女性の衣服を見に纏うことで討伐を行ったという話が残っていたり、平安時代や室町時代の御伽草子にも異性装の人物が登場しているそうです。

また、歌舞伎や宝塚が人気を博していることから分かるように、日本は異性装に身近な文化を持っているともいえるのです。


そんな日本で、明治に何が起こったのでしょうか。


明治時代の西洋では、聖書において、異性装をすることはタブーであったため、キリスト教権を中心に禁止されていました。

日本は、西洋と関わるようになって、異性装は恥ずべき行為であるという価値観が取り込まれ、異性装の禁止を含む「違式かいい条例」が制定されたのです。


これが原因で、
異性装はおかしいという偏見と、日本独特の同調圧力的価値観が、組み合わさり、異性装=タブーが広まってしまい、令和の日本まで受け継がれてしまったのだと考えます。


このままで良いのでしょうか。



私たちの日常

私たちのサークル、長崎県立大学雄辯会には、
毎日(バイトの日以外)、女装をして大学にきていらっしゃる4年生の先輩がいます。



先輩曰く、

「自分の大学内では、みんな受け入れてくれる。
 ただ、他の場所に女装をして行った時に、大学のように受け入れてもらえるものだと思っていたら、化物を見るような目で見られたのがすごく辛かった。」

「大学であっても、自分の周りには受け入れてくれる人がほとんどだけど、『もっと女の子っぽいならいいけど、今のお前とは歩きたくない』と言われたこともある。」

とのこと。


私たち雄辯会社会部は週に1度、ミーティングを行なっています。

その際に、異性装についての考えや、社会がどうあるべきなのか、それぞれの意見を出し合ってみました。

その時に出た意見をいくつか紹介します。


・制度的なアプローチは難しいのでは?
・どこでも何でも受け入れられる社会が望ましい
・個人が自由に好きな格好をできる社会に…
・「女装をするなら所謂『スレンダー』なのが当たり前」「女装するなら化粧が上手でなければいけない」と最低ラインを決めるのはおかしい。

一方で、
・彼は、友達だから受け入れられるのかもしれないけど、他の場所で、異性装をしている知らない人に会うと不安になってしまうこともあった。

という意見も。



終わりに

私もいくつか趣味がありますが、
読書…のように、大衆的に受け入れられる趣味の他にも
「変わってるね〜」「珍しいね〜」
と言われるような趣味もあります。

私が、これらの趣味を今まで好きで続けられたのは
周りの人が「おもしろいね〜!」「えー!どういうこと!?聞きたい!」
と、私の趣味を尊重してくれたからだと思います。

おかげで、
物々交換のように、自分も他の人の趣味にも興味をもって、
お互いに楽しめています。


個人がしたいことを尊重し、興味を持って、その人について知ろうとすることが
一人一人にできることなのではないかと私は考えました。


誰もが、周りの目を気にすることなく、自分らしく生活できる社会になるよう、私たちも日々考えを深めていきたいと思います。


長崎県立大学雄辯会社会部 﨑元

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