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日本語どこまでやるか問題①

海外へ出てみて自分たちも感じることですが、現地に住んでいる日本人のお母さんやお父さんたちとお話して思うのは、やはり皆が一度は「日本語教育どこまでやろうか」という問いを持つことです。

何歳まで日本にいたか(どの程度の日本語力があるか)、家では日本語を話しているか、これから日本に戻る予定があるかどうか等によっても力の入れ方は変わってくると思うので、これは「人それぞれ」で「正解のない」問いなのでしょう。

とは言え、「人それぞれ」では自分なりの方向性を決める基準にはならないので、僕は次の3つの軸で「どこを目指すか」を早めに決めることが良いと思っています。

1.母国語をどの言語にするか
2.日本で進学するか
3.日本の人とコミュニケーションを取れるレベルを維持したいか

「母国語をどの言語にするか」を決める

海外での生活では、子どもたちは多くの貴重な機会を得ることができますが、同時に多くの挑戦も存在します。特に言語の習得は大きな課題の一つです。この言語の習得で重要な要素が、母国語の維持です。僕は、「子どもの母国語をどの言語にするのか」を早く決めることが大切だと考えています。日本語を母国語にする場合、英語(または他の言語)を母国語にする場合、両方あると思いますが、どちらを母国語にするかによって、日本語をどこまで勉強するかは変わってきます。

母国語の重要性

母国語は、家庭や文化のアイデンティティに根ざすもので、子どもの自己認識と世界理解の基盤を作ります。母国語になる言語は、家族や自分の国との絆を深め、文化的な遺産を受け継ぐ手段となります。また、これからAIを利用して多言語で人と関わる場合にも、1つの言語でしっかりコミュニケーションを取れる能力が不可欠になってくると考えられます。

バイリンガル教育のためにこそ母国語

バイリンガル教育は、言語だけでなく、文化的理解や多様な思考方式を身につけることができます。異なる言語を理解することは、異なる世界観を理解することにつながり、子供たちの心を広げ、より多様性を受け入れることができます。学習の初期段階において、母国語の理解が深まることで第二言語の習得も容易になると言われています。

ダブルリミテッドのデメリット

バイリンガルを目指していたのに、「ダブルリミテッド」(二つの言語をどちらも限定的にしか使えない状態)になってしまうこともあります。一般的なデメリットとしては、どちらの言語も完全に習得していないために起こる、コミュニケーションの困難、社会的な孤立、自信の欠如などがあります。(ダブルリミテッドの状態は、適切な教育やサポートにより改善される可能性があります。)

まとめ

バイリンガル教育は、子供たちにとって大きな利点をもたらしますが、母国語の維持はその基盤となるものです。母国語を大切にしながら、多言語能力を育成することで、子どもたちに「多文化の中で生きる力」を身に付けてほしいと思います。


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