本業が会社員のソフトウェアエンジニアが副業を個人事業主でやる一事例

副業の実践編です。

あくまで私はこういう感じという事例の共有です。一般化してこうやるべきというものではないです。あくまで自己流なのでもっといいやり方があればフィードバックもらえるとありがたいです。

本業の勤務先に許可を得る

副業先で雇ってもらえることがほぼ決まった時点で(契約はまだ)まず所属部署の担当人事に相談をして、ざっくり了承をもらいました。後から思えばこれは必要な根回しだった気がします。

当時は副業をするには許可制であり稟議が必要だったので、副業先や理由を書いて稟議を出しました。当時私はサイバーエージェントで勤務していて、そこでXTechで働くというのはなかなか微妙な申し出だったと思いますが、稟議は承認されました。

転職するときにも副業OKかはあらかじめ確認しました。候補にして面接も受けていた魅力的なスタートアップ企業でも副業NGのところがあり、そうしたところは諦めざるを得ませんでした。

現職は入社前に副業はOKと確認しましたが、副業届けは書面で出しています。最近では国の制度上も本業の勤務先に副業での就労時間の報告が必要になっているかと思います。

税務署に開業届を出す

開業届を出すと個人事業主となり、確定申告のときに青色申告ができて税制上メリットがあるためです。

開業届の書類は開業freeeを使って作りました。

屋号を付けられます。私の屋号は霧敷スタジオです。実家の近くにある川の名前から取っています。洋ゲーが好きでゲーム開発会社が○○Studiosっていうのが多かった(例:Ensemble Studios)ので屋号にはなんとかスタジオってつけたいと思っていました。

業務内容などを記載したホームページが必要なので作りました。GitHub Pagesです。

書いた開業届を印刷し、税務署に届け出ました。

副業の契約まわり

月額金額指定の業務委託契約としています。契約書の中で稼働時間を週○○時間と目安を記載していて、金額感の目安としています。稼働時間を計ってはいませんが、稼働量や成果物の期待値をあわせるための目安として記載しています。

契約書はオンラインでSaaSで済ませることができました。

XTechはスタートアップスタジオという形で複数の事業子会社があります。そこでほとんどの時期は1社集中で働いていますが、ある月にはグループ会社内の3社の仕事を並行して受けて「50%・30%・20%」のような形で稼働目安を配分して働いています。

仕事が少ない時期もあります。プロジェクトベース・タスクベースで仕事をしているので、終われば次の仕事がいったん無いタイミングがあります。タスクを決めること自体はフルタイムのメンバーと相談と調整が必要で、自分だけで仕事を作るほど事業やプロダクト全体のことが見えていない、といった感じです。

そういったときは稼働した分だけの請求をしている月もあります。あくまで最大の稼働時間・金額が決まっていて、それより減ることも受け入れています。

月額固定金額の契約・請求にこだわるやり方もあると思います。ただ成果物の期待値がすりあわず存在がコストとみなされてしまっては中長期的には逆効果と思っています。うーん、書いていて思ったのですが、ただの調整不足かもしれません。

別の案件を開拓するほどの余裕はありませんでした。毎月安定した収入を確保するというのは立ち回りをうまくやらないと難しいです。このあたりは副業ならではの問題というよりは、フリーランス一般にある悩みといえるでしょう。

経理事務と確定申告

経理はfreeeを使っています。毎月の作業として最低限発生するのは主に請求書の発行と入金確認ですが、freeeに請求書の発行管理機能があるのでそれをそのまま使っています。

個人事業主として銀行口座を1つ持っていて、お金の出し入れはそこで一括管理しています。freeeでAPI連携しておけば出入金の状態が同期できます。

確定申告をオンラインで済ますために事前にマイナンバーカードを作りました。マイナンバーカード対応のカードリーダーも買っておきます。いまはIDとパスワードでもできるようですが...

確定申告もfreeeで行っています。領収書をかき集めて確定申告前に一気に入力しています。すべてオンラインで完結でき、手順も分かりやすいです。2年目は確定申告作業は数時間で終えられました。

複業による情報漏洩のリスクに対してのセキュリティ上の工夫

やれる対策をできるだけとっています。

- PC(macbookpro)は1台ですが、ログインアカウントを分けています。chromeブラウザは別々のGoogleアカウントを使いユーザープロフィールごと分けていています。
- つけられるものには二要素認証をつけています。 AWS, GitHub, Slack, Googleのアカウントなど。
- PCのディスクは暗号化。
- 個人事業主の霧敷スタジオとしてGSuite(Google Workspace)を契約しています。スマホ(Android)もその管理下に置いています。無くしても場所が分かってすぐロック・ログアウトできるようにしています。

本業・副業が並行作業にならないようにして、切り替えの単位をしっかり持ち、作業が分かれるように線引きしておくことは大事と思います。

機密情報でいうと、人にしゃべらない・資料を持ち出さないは当然ですが、本業・副業で近い技術スタックで仕事をしているので、コードや設定を参考にすることはあります。本業の知見が副業で役に立つことがあり、その逆もしかりです。ただコピペは絶対しないように心がけています(ログインアカウントが違うので基本混ざらない)。

以下、お金の話を少し共有します。多少ぼかしていますが単価や収入や税金について具体的な数字で書いていますのでお金の感覚掴みたい方には参考になると思います。興味のある方はご覧になってください。

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