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サイアノ和紙作家日記 vol.31 西会津青写真館閉館

『そこに在ったひかり』と併催した
ポップアップイベント、
西会津青写真館も6月25日に終了した。

1月から西会津国際芸術村で
準備やテストを繰り返したが、
寸前になってちゃぶ台返し。
今までのテストデータは無視して、
青写真らしさを全面に出すことにした。
ただ、展示の準備が押しに押して、
青写真館に手を付けたのは、
6月3日の会期開始ギリギリになっていた。

予想通りに仕上がり自信を持てた。和紙の木目がユニークポイント

ちゃんとプリントが仕上るのか?
正直心配だったけれど、
一度だけやったテスト撮影&プリントが
予想通りの出来具合。
そうこうしているうちに、
福島県内のご夫婦から
記念に一枚と早速注文が入った。

ノッチの向きは間違っていないか?
ホルダーはちゃんと入れ替えたか?
そもそも露出、ピントは合っているかなど、
当たり前のことなんだけど、
うっかりミスしちゃうこともある。
そっちばかりに意識がいくと、
撮影時のコミュニケーションが希薄になる。
もういまさら心配しても仕方がないので、
シャッターを切ることだけに意識を注ぐ。

一室を暗幕で覆いつくった簡易スタジオ

結果はうまく撮れたし、
プリントも想定通りのデキ。
その後も30人以上撮影をして、
「いつの時代かわからない不思議な写真」
「想像以上の仕上りで満足」など、
みなさん喜んでくれたようで僕もうれしい。

イメージが和紙に溶け込む。これが青い写真の特徴。和紙は西会津に自生する楮を刈り取り、地元に伝わる昔ながらの製法でつくった手漉き和紙
全く同じものはつくれない、一枚一枚が世界で唯一。ネガから焼き増しすることはもちろん可能


撮影した方のなかには、
「引っ込み思案だけど、
勇気を出して撮ってもらった。
ホント良い記念になった」と、
感謝のお手紙まで頂いた。
もうカメラマン冥利に尽きる。
やってよかったと思った&
これからもやると決めた瞬間。

モノとして青い和紙写真を届けられるだけじゃなく、撮影時のコトなど、ひとそれぞれの想いが内包されるから、世界で唯一の一枚になるんだと気が付いた


詳細はまだこれからだけど、
今後もポップアップな青い写真館を開催する。
青い写真がもっと届けられるように動いてゆく。
そのために和紙づくりも
引き続きおこなうつもり。
世界で一枚しかない手漉き和紙と
青い写真の組み合わせ。
撮られるだけじゃなく、
一緒につくりあげる
コトとモノを提供したい。
この価値をもっともっと広げていきたい。

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