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サイアノ和紙作家日記 VOL.26『西会津滞在一月編』

紙づくりと作品制作のため、
福島県の西会津町に
定期的に滞在している。
1月は下旬に約1週間。
出ヶ原和紙工房にて楮を蒸す作業や
皮を剥いてキレイにしてから叩く
和紙の材料づくり。
だいぶ端折って説明しているが、
この工程にとても時間がかかる。
それらを終えてから
紙づくりの白眉、
紙漉きを筋肉痛になるくらいやった。
その後は脱水して
紙を板に張り付け自然乾燥。
楮の木を刈る作業などは昨年やったので、
出ヶ原和紙づくりの全行程を体験できた。

釜に薪を焚べ続けて湯を沸かし、
楮を入れて蒸す。
7、8時間はかかる1日仕事
寒波の影響で工房の至る所が凍結。
解凍するところから作業開始
皮を剥いて剥いて干して
キレイにした材料を叩く。
紙を漉く前の最後の工程
手漉きしたあと脱水して一枚ずつ板に張る。
乾燥したら和紙の出来上がり

じぶんで漉いた和紙に感光材を塗って
僕は作品をつくっている。
視覚でも体感的にも四季が
ハッキリしている
西会津町でしかつくれない、
自然環境を利用して制作する。

雪の中の光りで感光させる
雪で現像中
西会津の紙と光りでつくった作品

4×5の大判カメラで撮影して
そのネガから和紙へプリントするテスト。
手づくりの和紙に薬品類を塗って
感光させるのだけど、
これがなかなかうまくいかない。
でも、だからこそ
うまく像が現れた時の喜びはひと塩。

大判カメラを設置して
木造校舎の教室を簡易スタジオに
撮影、現像、定着を経てネガの完成

作品づくりと平行して進めている
もう一つのプロジェクトが西会津写真館。
僕は紙から手づくりの写真館を
西会津を拠点につくりたい。
いまはその夢のため紙づくりを学び、
和紙への感光方法を模索している。

何かの記念にただ撮られるのでなく、
つくることから一緒に関わる写真館。
記録と記憶が宿った
世界で一枚しかない手づくりする
写真と体験を提供したいと思っている。

写真館の実現はまだだけど、
プレイベントを今年中には
やりたいと思っている。

和紙に感光材を塗った手づくり写真



紙づくりを体験しながら
試行錯誤の作品づくり。
それに写真館のテストと準備に
あっという間に過ぎた1週間。

2月もまた1週間、滞在する予定。

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