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サイアノ和紙作家雑記VOL.37『KHAOS Uo3』

壁一面の短冊を愛でながら、
何にするか至福の悶絶タイム。
注文は店員を観察し、
目が合った時に軽く手を挙げる。
この空間に染み付いた作法を読んで
振る舞っていると、
向こうから気を利かせて
注いでくれることもある。

美術館やギャラリーを
いくつかまわり終えた夕暮れ、
ひとり酒場へ。
まだ17時前だというのに、
店内はほぼ満杯。
最後の一席に滑り込み
なみなみの熱燗を行儀悪くすする。
一日で複数みてしまったので
一杯やりながら消化するハズが、
温い酒が冷えた身体に沁み渡ると、
緊張の糸が解けてしまった。

コの字カウンターに居並ぶ面々は、
ココがよく似合う先輩な方に加えて、
意外と若い人たちもちらほら。
一人でちびりやってる人が多いが、
二、三人で来てる人たちは、
次から次へと注文する。
僕は運ばれてくる現物と
短冊で神経衰弱しながら、
鯛の兜焼き、生白子、
マグロブツ、アラ煮と注文。

一人ひとりを観察するワケでもなく
もっと俯瞰で、目に映る情景を
淡々と眺めて過ごす。
スマホをいじったりする必要のない
実に有意義で何もしない小1時間。
ゆとりとか癒やしとはちょっと違う、
不必要にしてたまには必要な時間。
こんな日常の一コマにに感謝だなぁ〜と、
つくづく思う。


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