森喜朗会長の発言が連日のようにマスコミで取り上げられましたね。
全文を読んだ方も、最初に目にしたのは恐らくマスコミが発言の一部を切り取った記事やニュースだったと思います。

朝日新聞デジタルでは、切り取りの元になった発言の全文を掲載しています。

　これはテレビがあるからやりにくいんだが。女性理事を選ぶというのは、日本は文科省がうるさくいうんですよね。

　だけど、女性がたくさん入っている理事会は、理事会の会議は時間がかかります。これは、ラグビー協会、今までの倍時間がかかる。女性がなんと10人くらいいるのか？　5人いるのか？　女性っていうのは競争意識が強い。誰か1人が手をあげていうと、自分もいわなきゃいけないと思うんでしょうね。それでみんな発言されるんです。

　結局、あんまりいうと、新聞に書かれますけど、悪口言った、とかなりますけど、女性を必ずしも数を増やしていく場合は、発言の時間をある程度、規制をしていかないとなかなか終わらないで困るといっておられた。だれが言ったとは言わないが。そんなこともあります。

　私どもの組織委員会にも女性は何人いたっけ？　7人くらいか。7人くらいおりますが、みんなわきまえておられて。みんな競技団体からのご出身であり、国際的に大きな場所を踏んでおられる方々ばかりです。ですから、お話もシュッとして、的を射た、そういう我々は非常に役立っておりますが。次は女性を選ぼうと、そういうわけであります。

これを元に「悪い切り取り（女性蔑視）」の目線で切り取ってみましょう。

【悪い 切り取り】（女性蔑視）

赤字の部分を抜き出すと

女性がたくさん入っている理事会は、理事会の会議は時間がかかります。
これは、ラグビー協会、今までの倍時間がかかる。
女性っていうのは競争意識が強い。誰か1人が手をあげていうと、自分もいわなきゃいけないと思うんでしょうね。それでみんな発言されるんです。

となります。
いかがですか？ さも森会長が女性蔑視の発言をしたように仕立て上げられますよね。

では、同様に「女性を重視する面」から切り取ってみましょう。

【良い 切り取り】（女性称賛）

青字の部分を抜き出すと

女性っていうのは競争意識が強い。みんな発言されるんです。
女性を増やしていく場合は、発言の時間をある程度、規制をしていかないとなかなか終わらないで困るといっておられた。だれが言ったとは言わないが。そんなこともあります。
私どもの組織委員会にも女性は7人くらいおりますが、みんな競技団体からのご出身であり、国際的に大きな場所を踏んでおられる方々ばかりです。
ですから、お話もシュッとして、的を射た、我々は非常に役立っております
次は女性を選ぼうと、そういうわけであります。

となり、一つの文章から全く異なる記事ができます。
これがマスコミの手口です。
どうして同じ記事からこんなにも報道が変わるのでしょうか。
疑問を感じざるを得ません。

この切り取りが発端となり、マスコミは連日「女性蔑視」の大合唱。

追い打ちをかけるように登場したのが、日本ラグビーフットボール協会理事の谷口真由美さん。

様々なニュースやワイドショーで名指しもされていないのにインタビューに応じ、「私たちのことですか」と。

この方、女性蔑視を問題視している割には、ご自身が所属する事務所のプロフィールでは、このような記載があります。

「オッサン政治にもの申す！おばちゃん目線で世の中もかわる？」

全ての男性がオッサンという事ではない。オッサンとは、上から目線で独善的な男性、自分の意見を押し付けて、人の話を聞かない。そんな、オッサン中心になってしまっている、今の政治や社会のおかしいところに「おばちゃん目線」で愛のあるツッコミを入れます。
おばちゃん目線イコール生活者目線。社会の弱いものの立場から、世の中をみていきます。

これをマスコミにならって「悪い切り取り（男性蔑視）」の目線で切り取ってみると、

【悪い 切り取り】（男性蔑視）

上から目線で独善的な男性、自分の意見を押し付けて、人の話を聞かない。

酷い男性蔑視ですね。
ご自身も性別を持ち出し、蔑視されていますが、マスコミは都合の悪いことは取り上げません。

マスコミはこれに留まらず、まさに中の人でもある山口香理事にもインタビューをし、山口理事は「世界に示されてしまった」と発言。

世界に示したのは紛れもなくマスコミです。
これからはマスコミに都合よく切り取られていることを意識しながらニュースを見なければなりませんね。