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「人はどうして本を読むのでしょう?」

本当、なんででしょうね。

寺田真理子著 『心と体がラクになる読書セラピー』(ディスカヴァー・トゥエンティワン、2021年)

もっと前に読んでいた気がしましたが、2021年でしたか。

この本は、日本読書療法学会会長の寺田氏が書いた、「読書セラピー」の本です。
詳しくは調べていないんですが、パチモンのセラピーとかではなくて、大学での研究結果等もあるちゃんとした学会のようです(雑ですみません)。

学問的裏付けらしいこととしては、どこかで読みましたが、1日6分の読書でストレスが大幅に減少する、というのを目にしたことがあります。
こちらの本で紹介されているのは、

「イギリスのサセックス大学で行われた調査によると、… さまざまなリラックス法のうち、もっとも効果的な方法なのが読書であることがわかりました。ストレスレベルを68パーセントも引き下げたのです。」(P.3-4)

をはじめ、アメリカ イェール大学での研究結果などを根拠として挙げています。

まあ、あれですね。
読書が趣味の人間にとっては、「そりゃそうだろう」と言うしかないまであるわけですが、読書が趣味じゃない人にとっても「ストレス値を下げる」というなら、それはもう当たり前にいいことですよね。

この本では、読書セラピーの行われ方(セラピストがいて、利用者がいる、という形なので)や一般的な質問、例えば「読書セラピーでうつやトラウマは治るのか」を取り扱い、それから国にる読書セラピーの実践方法の違いなどを説明しています。

図書館でのお薦めや代替医療としての扱いなど、国によって結構異なるようです。
日本では、「この本いいですよ」みたいなのはあったとしても、それが「代替医療」まではいかないですよね。
代替医療っていうと、アロマセラピーとかその辺りでしょうか?

それから読書セラピストのなり方とか、実際にどのように本を読んでいくのかとか、そう言う話が続きます。

わたしはこの本を読んで読書セラピストに興味を持ったのですが、この本を読んだ時点ではほとんど情報がネット上になくて、とりあえず置いておきました。
(そして今に至る。)

職業としての読書セラピストはさておき、「読書を持ってしてストレスを緩和する」というのは実体験としてよくわかります。
読みやすい簡単な文章ばかり読むこともあれば、ハードな文体を好むときもあります。
ミステリ漬けのときもあれば、エッセイをひたすら読むこともあります。

そういう偏向した読書を行っているときは、自分の思考が「ある種の刺激」を求めているのがよくわかります。
狂ったように似たような本ばかり読むことがあるからです。
たぶん、自分の脳内の不快な感情を相殺するようなものを、体験から選んで読んでいるんでしょうね。
ミステリ漬けのときとホラー漬けのときは、とりあえず疲れてるときです。
わかりやすくアドレナリンが出るような刺激が欲しいんですよね。

人はどうして本を読むのでしょう。

それが「学習」とかのためではなく、「娯楽」としての読書であるとき、そこには心の中で求めている何か、脳内で足りないなにかを、「読書」という外的刺激に求めているんだと思います。
本を読んでいて楽しい時も、感動する時も、ハラハラする時も、読み終わった爽快感と喪失感も、すべて刺激となって脳内に刻まれ、心に刻まれます。

そうやって得た体験が、どういう仕組みでか、心の在りように影響してくるのだろうなと思います。

ところで1月からずっと「本が読めない」と言い続けているわたしですが、今を持っても回復していなくてですね。
こういう状態に読書セラピーはどんな答えを用意してくれるのでしょう。
積読でもいいって書いてあったな、確か。

あ、でも最近、『乙嫁語り』を久しぶりに読み返して、なんだか心が潤いました。
パリヤさんかわいいな。
タラスさん幸せになってほしいな。
というかやっぱり馬はいいよな。

そんな風に心がちょっとでも動けば、まあまだ大丈夫なのかなと思います。

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