小さい頃私が暮らした、石巻という町は、
東日本大震災で有名になりました。
今では誰も「いしまき」とは言わなくなったけれど、
震災前は「いしまき」と読む人が多い町でした。

私は中学まで、あの町で暮らしたのです。
夜の7時なれば、店は閉まり、辺りがしんと静まり返る町。
昼と夜の境目がくっきりとした町でした。

いったいあれは、何時くらいだったのか。
暗闇の中で、目を開くあの時間が好きでした。
そして私は、暗い部屋の布団の中で耳を澄ますのです。

カチカチと響く時計の音
冷蔵庫のブンとなる音
走り去る車の音
線路を走る貨物車の音
階下から聞こえる父と母の声
雪の降り積もる音
たくさんの音を採取しました。

静か過ぎる夜の町には、
いつも静かな空気が流れていて
宇宙の音さえ、聞こえそうな夜でした。
いや、もしかしたら、私はちゃんと
宇宙の音を聞いていたのだと思います。

時折、父や母が覗きにきたときは
眠ったふりをしたものです。（笑）
私しか知らない、私だけの時間。
暗闇の音と一体化するあの時間。
心がなんともいえない喜びに溢れる時間が、たまらなく好きでした。

今でも、電気を消した真っ暗な部屋で
シンと静まり返った外の音を拾い集めるのが好きです。
実際、今暮らしている町では、なかなか難しいのですが
出来れば今度はもっと静かな町へ動きたいと思っています。

今日はどんな音が聞こえるでしょう？
あなたはどんな音を拾い集めるんでしょう。

明日から久しぶりの広島です。
私は旅が好きで、ホテルの部屋での時間も大好きです。
広島は、3年前に1週間ほど暮らした町でもあり、
明日がとっても楽しみです。

明日のnoteは、
広島からの更新です。
お酒を飲み過ぎないようにします（笑）
それではまた明日。
同じ場所で。


今日も最後まで読んで頂き、
ありがとうございました。