ビールって どんな味すんの?

この記事は Kogakuin Univ Advent Calendar 2019 24日目の記事です.

自分は,ブログを書くとき,1.プロローグ,2.これまでは?,3.何を見つけた?,4.そこから何を見出せる?,5.エピローグ という流れで書くようにしてます.

プロローグ

ちょっと まず乾杯でしょ~?
大人はイタリア語で乾杯しま~す。
はい チンチ~ン!これはビール。

あ~!

「ねぇねぇ ビールって どんな味すんの?」

どんな味? ビール?
考えたことなかったな。
ビール ”うまい”は味じゃない…
苦いけど… ムズい。

「じゃあ 何で 酒 飲むの? 何で?」

> 『俺のスカート、どこ行った?』8話,6月8日放送

これまでは?

そろそろ修論・卒論を出す時期だったり
研究室配属してテーマを決める時期だったりするから
「研究」ってことについて述べようと思う.

なんで,こんなことを語り始めるかというと
「僕もわかって無かったから」
理由は,ただこれだけ.

さて,研究室に配属されると
「進捗」がどーだの,「実験」がこーだのと
色々とぐちぐち言ってる人がいる.

しばしば,こう思ってる人に出会う

「研究」=「進捗」,「研究」=「実験・実装」

でも,僕は違うと思っている..
研究に含まれる行為として「実験・実装」であり
研究の進み具合を指す「進捗」なのではないか.

特に,情報系だと,プログラミングができる人は
プログラムを書いて「研究できた~~」と思ってる人が
修士レベルでもそれなりいいる.
他の分野でも似たような事はあるだろう.

では,研究に対して,どう向き合えばよいのだろうか?

何を見つけた?

この記事では「ビールってどんな味?」っていう疑問を
例えとして,取り上げてみる.

今回参加しているアドベントカレンダー10日目の記事も
ビールについて取り上げているのでちょうどよいだろう
(ぼくは 読んでないが)


まず,研究をするにあたり「ビールってどんな味がするんだろう?」
ということを疑問に思える能力が必要だろう.

疑問や研究テーマを考えることは,非常に難しいのだが
先生から言われたことをやれば いいということも多い.

テーマが決まったところで,
これに対して「化学的な成分を分析しました!」ってだけでは
研究とは呼べない.

分析自体が悪いわけではない.やってることは同じであっても
その研究の意義を見出すことができ,それをきちんと論文として
書き上げることができるなら,それは研究になる.
この違いを理解するのは,難しいし,それを学部生の時に
卒業研究を通じて,受容していくことが求められていると思う.

これは,僕も当時は気が付くことができなかった.

「ビールってどんな味?」という問いに対して,
その歴史的背景を調べ,このような味が受け入れられてきたかを調べまとめることで,文化間の違いや人類学的知見を与えることもできるだろうし,この物質に抗菌作用があったり,利尿作用があったり,と広くそして沢山飲まれるようになっていること明らかにしてもよいだろうし,味の違いを見出すことで,その(地)ビールが作られている地域の技術や文化を知ることができるだろうし,そもそも成分を調査するために新しい機器や評価指標を考えることで他の調査に役に立つこともあるだろう.

「こんな困っていることがあるから,それを解決したい」でもよいが
位置づけをするのが大変になるはずだ.

研究というのは「一連の流れ」であって
そこにどう位置づくか?が,何よりも重要になってくるのだが
これは,別に研究に限ったことは無い.

なにはともあれ,伝えたいことは

研究 = 何かやりました!

ではだめだ.ということである.
ブログにでもまとめておいてください.

そこから何を見出せる?

では,「何かをやりました!」ではない研究から,
何を見出せばよいのか?

そもそもなぜ,大学を卒業するために研究をやらせるのだろうか?
ということを考えることで,上記の問いに答えを与えよう.
(この問いは正解は無いので「僕はこう思う」ってレベルだが
 普遍的な正解でないものに価値を見出さないのは
 理系の悪いところだと僕は思っている)


僕はこう思う.大学でする研究というものは,
決して「それの専門家になれ!」と言っているわけではなく,
何が問題で,これまでにどのようなアプローチがされていて,
今後何が必要とされていて,どう解決すればよいのか,
という過程を学ぶ活動.言い換えれば,

自分たちの生きているこの世界を理解して,
未来に向かって歩を進める

ということだと思う.
自分たちの生きているこの世界のことを知ろうとせず,
未来を創りだそうとせず,
他に何ができるというのだろうか.

世の中には,偉そうに語ってくる人,
なんでも知った風な顔をしている人,
お金・資産や,恋人・家族を持ち
幸せをアピールしてくる人もいる.

それが悪いことではない.
でも僕はそれだけの人生にしたくない.

僕たちは,生きている限り,いろんなモノに出会う.

空を見上げれば太陽や星々が輝いているし,
周りを見渡せば実にいろんな生物が生きている.

街には高いビルが立ち並び,複雑な交通網が発達している.
人は色も形も様々なの服を着て,
見たこともないような多種多様な食べ物を食べ,
手には高度な情報端末を持ち,
円滑なコミュニケーションを取っている.

現代社会では,異なる文化や歴史を持つ,
多様な人間によって社会生活が営まれている.
その結果,各地で分断や衝突が起き,
安心安全な暮らしが保証されていないところもある.
安心安全が実現しているように見えても,
複雑な社会の中で,生きづらさを感じ,
やりようのない思いをインターネットに,
社会に投げつけることで心を騙しながら生きている人もいる.

僕は,そんな,社会の複雑さも,自然の美しさも,人間の不思議も,
そして自分という存在と生きる意味についても
逃げずに向き合い,知りたい,勉強したいと思っている.

畢竟,(卒業)研究っていうのは

そういういろんな“面白さ”に気が付くことができるように
なるために私たち人間のトレーニング

修士の人は,面白さを見出し,
それを周りの人に伝え納得させるのが研究だと思う.

面白さに気づけないのは,
それを面白いと思うだけの知識がないから.
想像力がないから.

別に研究だけじゃない.
身の回りの何に対してもそう.
自然も,仕事も,街並みも,人間も.
なんだって「研究」っていう営為だ.

「研究」というから変に聞こえるが
ちゃんと勉強している建築系の人は,街を見ただけで,面白いと思い,
学び,その知見を活かし,新しい建物を,都市を,日本を創り出せる.
音楽をやってる人は,街で流れているいろんな音楽に耳を傾け,
そこから新しい音楽を,文化を創り出すことができる.

探求心や好奇心を持つためには,やっぱり,
普段の生活の中に何げなく存在している
景色,音,匂い,味,触感などに,
驚きや面白さを持ち続けることが重要なのだろうか.
(これはみんな,子供のころは持っていたのでは?)

何はともあれ

みんな,研究頑張ろう!

ということで,終わり.

今年も,某大学アドベントカレンダーが
出来たことをうれしく思います.ありがとうございました.


エピローグ

ん~ お酒 覚えたのは、いつだったかなんて
覚えてないしな~。
でも お酒 飲んで 何であんなことしちゃったんだろう
…ってこと たくさんあるけど
清く正しくだけじゃ
生きて行けないしね。
お酒 飲んで熱くなったり、寂しさ紛らわしたり…。

振り返れば 恥ずかしいこと
ばっかりやってるけど

ある意味 私

お酒と一緒に青春 送って来た
って感じだと思う。

お酒は 大人の青春かもね。

> 『俺のスカート、どこ行った?』8話,6月8日放送

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